「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

               ”ほっちゃれ”の「鮭節」

2011-12-27 06:39:50 | Weblog
札幌冬季五輪(1972年)の前後あしかけ10年札幌に居住したが、よく”ほっちゃれ”という言葉を耳にした。本来の意味は秋の季節に産卵のため沿岸の川に朔上してくるやせ細り身も白くて味の悪い鮭のことだが、転じてこの”ほっちゃれ”を札幌では、あまりに不味いから”放り投げてしまえ”、つまり”役にたたない”人間のことをいうのだと土地の人から聞いたことがある。転勤してまもなく北海道のの事情にうといわが家では、よく値段が安いからという理由から、この”ほっちゃれ”が食卓に上がった。

昨日の夕方、NHK総合テレビで「産地発!たべもの一直線」という番組を見た。毎週日曜日の早朝放送されている番組の翌々週の再放送番組だが、昨日の番組は北海道釧路局発の「鰹節」ならぬ「鮭節」の紹介だったが、大げさにいえば、慢性的な北海道の不況の起死回生を狙えるできる「鮭節」の紹介で、大変興味深く視聴した。視聴率に関係のないNHKの番組には、時々このような好番組がある。

「鮭節」は釧路近くの標津町に住む建築屋さんが趣味のそば打ちから、おいしいダシをつくろうと”ほっちゃれ”を利用して考案したのが、この「鮭節」だそうだ。標津町は人口5千人少しの畜産業の町で、人間より牛の数が多いといわれる。一方、秋鮭の水揚げもあるが,その身は”ほっちゃれ”で、高く評価されていない。考案者の建築屋さんはこれに目を付け、自宅の工場で細々と「鮭節」を作り始めた。

ところが、テレビの出演者も絶賛していたが、「鮭節は「鰹節とは異なる味があり、ラーメンのダシなどには好適だという。標津町だけではない。北海道経済は慢性的に冷えきっており、人口も札幌集中化で地方からの流出が続いている。「鮭節」は東京でも試験的に販売を開始したが、評判は良いようだ。北海道の主産業になるのも夢ではない。