「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

   "BC級戦犯”は悪者か 「私は貝になりたい」論

2007-08-26 05:26:24 | Weblog
テレビドラマを見る機会から遠ざかっていたが、一昨日、小ブログのコメンテー
ター、chobimame.exblog.jpさんの奨めで"BC級戦犯”を扱った「私は貝になり
たい」(日本テレビ製作)をみた。

年をとった証拠なのだろう。最近、映画やテレビをみると、やたらに時代考証 
が気にかかる。作品本来の価値とはあまり関係ないのだが、自分の生きてい
た時代とかけ離れているとイヤなものだ。「私は貝になりたい」は全般的な時
代考証はよくできていたが、気になったのは、二等兵の軍服で入営する姿で
あった。

僕がたまたま「二等兵」が気になったのは、最近読んだ岩波新書の「BC級裁
判」(林博史・著)の中で、著者が”BC級裁判刑死者に二等兵はいなかった”
と誤記していたからだろう。これは著者の軍隊知識の無知からくるもので、終
戦前、戦地で現地徴集された二等兵で刑死された方もいる。

あげ足取りみたいだが、この本は意識的に”BC級戦犯”を悪者視しており、事
事誤認があるので、記してみた。著書には「(BC級裁判は)アジア太平洋における
残虐行為の命令者と実行者5,700人の裁判」と定義づけている。「私は貝になり
たい」をご覧になった方は、この著者の意見をどうみるかー。

僕はこのアロガントな著者へ、横浜法廷で7年の刑を言い渡された釜石捕虜収容
所の稲木誠所長の例をあげよう。稲木所長は連合軍の艦砲射撃で捕虜32人を殺
した理由で逮捕されあたら5年も獄舎につながれた。彼は捕虜に海水浴を許しクリ
スマスまで祝うのを許可していた。あの時代では考えられないことだ。