「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

あだ名といじめ

2006-10-22 06:08:39 | Weblog
60年来の友人K君と酒を飲んだときのことだ。話が昔のことになり
K君のあだ名”ペンちゃん”のいわれについて聞いてみた。僕は彼
の家近くの文房具屋のシンボル・マーク、ペンギンからきているも
のと思っていた。ところが、そうではなく、彼の体型がペンギンに
似ていることから、悪友のA君がつけたものだという。K君はこのあ
だ名で呼ばれるのが大嫌いだったがあえて争わなかったのだという。

小学校のとき近所に肥満児のS君がいた。S君がおとなしいのを好い
ことに僕ら悪童ははやし立てた。「デブデブ百貫デブ、電車に轢か
れてペチャンコ」僕らは毎日、山手線の踏切りを通って登下校して
いた。いま思うとS君には本当に悪かった。S君は一人っ子で動作が
鈍く仲間と遊べなかった。

いじめられっ子の調査によると”力が弱い 無抵抗だから”が全体
の27・3%で最も多く”態度動作が鈍い”が11・3%もあったという。
たしかに僕らの子供のときも同じだった。S君は可哀そうにこの二つ
の要素を持っていたのだ。一方、K君は温厚だったが、剣道の達人。
動作は敏捷だったからいじめにはあわなかった。

子供はあだ名をつける名人だが、身体的な欠陥はやめるべきなのだ。
ペンギンだとか百貫デブと呼ばれて喜ぶ者はいない。S君とは卒業以
來会っていない。会ったら頭を下げて謝罪したい。周囲がもっと気を
配ればいじめはなくなると思うのだがー。