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iPad 片手に震度を探る人の肩越しに見るふるさとは 赤
ふるさとを失いつつあるわれが今歌わなければ誰が歌うのか
復興か逃亡かという地域にて生きるほかなし いもうとのばか
夢うつつ雑誌広げて我が町の車道に群がる牛を見ている
三重の同心円の中にある町にいくつもの日常ありき
「仕方ない」という口癖が日常になり日常をなくしてしまった
しんしんと心の底に溜まりゆく浪江の人の声を掬いつ
空がただ明るい真昼 真夜中が永遠に続くようなふるさと
沈黙は日ごとに解けていくように一人ひとりと声を束ねて
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上記は 浪江町生まれの歌人 三原由起子さんの『ふるさとは赤』(本阿弥書店刊)
の中から、私の読書会メンバーの方が書評と共に紹介してくださった短歌です。
下記はそのSさんの書評です。
「 10年経った。。。原発さえなければ、その言葉を飲み込んで、沈殿してゆく思いをどうにかして伝えたい。いや、ここで歌わなければ! 身もだえするほどの狂おしさもどうやって消化したらいいのかわからない。
なんで、元気に笑顔を作らなきゃいけないのか。
とにかく、今、今、そしてこれから先を、どうやってどんな風に暮らしを紡いでいけばいいのか、問い続けていく。
なぜかここにいる自分を不思議に思い、あの時からもう一人の自分をみる癖が身についてしまった。。。三原由起子さん、ごめんなさい。
勝手に、こんなことを書き添えてしまいました。」
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この本の帯には 下記の短歌も掲載されています。
信じたい信じられない信じたい投げつけられたトマトのように
何してる見えない誰かの問いかけに声を出さずに文字を打つ うつ
「仕方ない」という口癖が日常になり日常をなくしてしまった
知らぬなら無いこととして過ごしおりゆゆしき日々の続く日本(にっぽん)
言い返す言葉を飲み込むふるさとに生きるということ思い出しつつ
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著者略歴によりますと、三原由起子さんは1979年 福島県双葉郡浪江町生まれ。
現在 日本歌人クラブ参与、現代歌人協会会員。
高校生の時に作歌をはじめ、1999年 早稲田短歌会入会。
2013年 第一歌集『ふるさとは赤』(本阿弥書店)を出版。
今回のこの本は、東日本大震災・東京電力福島第一原発事故から十年を前に発表した「極私的十年メモ」を新たに収めた『ふるさとは赤』の新装版!だそうです。
どの歌にも強く胸打たれましたが、特に
「仕方ない」という口癖が日常になり日常をなくしてしまった
という一首は、コロナ渦中の現在とも重なり、マスクをしない日常が考えられなくなった「今」を歌っているようにも感じられたほどです。
「歌の持つ力」にも改めて敬服しました。
装丁もとても印象的です。
ぜひ多くの方に手に取って読んでいただきたいです。
そしてみんなで「声を束ねて」原発の再稼働をストップさせましょう!!
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ところで、今秋にはシニア女性映画祭が10周年を迎えます。
10/29-30 の2日間にわたる午前午後、大阪・豊中のすてっぷホール(阪急豊中駅すぐ)にて 合わせて4作が上映されます。
どの映画も記念にふさわしい力作、名作揃いですが、特に29日(金)10:00開場 の
『 原発の町を追われて 10年 』(堀切さとみ監督)はぜひご覧いただきたいです。
どんな映画なのか、チラシの文面を下記ご紹介します。
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福島第一原発事故で7000人の住民が全国散り散りになった双葉町。
10年経った今、中間貯蔵施設だけがそびえ立ち、家屋も緑豊かな風景も破壊された町に帰還する人はいない。
五輪を理由に復興を進め、来年には帰れると言われても町民の思いは複雑だ。
原発の間近に暮らしていた家族の10年の軌跡を辿り、復興の在り方を問うドキュメンタリー。
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[ 監督紹介 ] 堀切さとみ
1965年生まれ、さいたま市の小学校で給食調理員として働きながら映像制作をしている。福島第一原発事故以来、双葉町を追い続け 2017年に「原発の町を追われて」
3部作を完成。
ドキュメンタリー / 50分/ 2021 / 日本
ゲストトーク 鵜沼久江さん
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他では観ることの難しい、見逃せない魅力あふれる映画が合計4作上映されます。
前売りチケット申し込み、お問い合わせなど
詳細は シニア女性映画祭公式サイト をご覧ください。
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本日も「光のチャレンジ」をご訪問いただきありがとうございました。
会場にて皆さまとお目にかかれるのを楽しみにしています♪
「交流会〜映画祭10周年を祝う」もあります♡
2021年 10月30日(土)17時〜19時
場所 ホテルアイボリー3F (阪急豊中駅徒歩5分)
会費 3500円(食事付)
要予約 20人(10/23 締切)
090-2700-4557(正木)
すでに定員いっぱいの場合はあしからずよろしくご了承ください。