皆さま もう「あん」の映画は観られましたでしょうか?
ご感想はいかがですか? 映画館を出て「どら焼き」を食べられましたか?(笑)
関西では私が子どもの頃は「どら焼き」など見かけたことはありませんでした。
私のふるさとでは、例えば「回転焼き」(大判焼き?)とか、「御座候」(ござそうろう)
と呼ばれていて、中に「つぶあん」が入っていて、私の大好きな白あんもありました。
私の今住んでいるところは、河瀬直美監督の地元 奈良 に近いので、これまでも「萌の朱雀」など
「地元感覚」!? で観ていました。
また、奈良で国際映画祭があった折りなどに、河瀬監督の舞台挨拶とか、あるいはイオンの中の映画館イベントで
彼女が小さな息子さんと共に「レッドカーペット」を歩くところを拝見したりしたこともあります。
どちらかと言えば映画そのものよりも、監督の方に注目が集まる!?(笑)
というふうに私は思っていて、これまで何となく遠巻きに眺めていましたが、
今回の舞台挨拶ではわりと普通な感じで、服装も決して派手ではなくセンス好く控えめで
落ち着いていて、「大人になった」!?ようなイメージチェンジになぜかほっとしました。
(ただし、これは私だけの感覚なので、他の人たちはまた違った印象で見られていたかもしれませんが・・・)
「あん」の映画は今とてもヒットしているようで、プレビューなどでもかなり好評のようですね。
かなり早くから予告編を何度も観たり、イオンの中でもたくさん広告がされていたので、私も
観る前からもうすでに観終えた氣になるぐらいでした。
それでも樹木希林さんファンの私としては、やはりこれは絶対に見逃せないと思っていました。
多くの人がそう思っているように、「もしかしたらこれが彼女の最後の映画になるかもしれない」からです。
そして市原悦子さんとの共演や、樹木希林さんの孫娘である内田伽羅ちゃんとの共演もぜひ観たかったので、今回その念願が叶って嬉しかったです。
映画作品としては、うまくコツを掴んでツボを押さえたとてもよく出来た、言わば「「優等生的映画」だと感じました。
涙が出るところではちゃんと出るし、、永瀬正敏さんの演技も自然でさすがだし、、「文句の付けようの無い好い映画」だと思いました。
ただ、観終わってすぐに席を立てないぐらいの「感動」というのは、正直なところそれほどは無かったです。
かと言って「どこがもの足りないのか!?」と訊かれれば、それもよくわからないのですが・・。
何度も観たい映画とか、生涯忘れられない映画とか、自分の人生に大きな影響を与えてくれた映画とか、、
いろんな映画がありますが、私にとっては、一人娘の死以来、実人生でのドラマの方があまりにも強烈で、
(それを超えるものを無意識に探し求めていて)おそらくこの映画にも何かを期待していたのだと思います、、。
「やり残したことはありませんか?」という、
これ以上無いぐらいの凄いキャッチコピーが、ある意味で映画を遥かに凌駕している氣もしました。
同じ言葉を思わずこの映画自体に尋ね返したくなりました。
「伝え残したことはありませんか!?」って。
ところで、私が最も感動したのは、原作者のドリアン助川さんが挨拶の中で、本が映画になるまで20年かかったと言われたことです。
その言葉を聴いた時、私の中ではあの阪神淡路大震災以来の大変だったこの20年間の歳月が
一度に甦って来るような感覚に襲われました。
それはとても一言では言えない、長い年月が実際にギュギュッと圧縮されたような感覚というか、
「そうか、彼もこの20年間を私と同じような思いをして生きて来たのだな~」という深い共感と熱い感慨が押し寄せて来ました。
私が樹木希林さんの舞台挨拶をぜひ聴きたいと思ったのも、
ぜひご本人のお姿を直接拝見したいと願ったのも、
考えてみれば、(歳は少し違っても)そういう「同時代感覚」というか、
例えば「戦後70年」を共に過ごして来たというような?そういう「連帯感」なのかもしれません。
「お互いによく生き延びて来たよね~」という想いかもしれません。
さて、話が長くなりましたが、肝心の樹木希林さんは、
映画の中の徳江さんと同じ白い割烹着と帽子姿で登場。
独特のユーモアで会場をなごませてくれました。
そこに、決してこの映画をただのお涙頂戴の「きれいごと」に終わらせていけないという、そして徳江さんは「決して可哀想な人なんかでは無いんだ!!」
という、彼女の(口に出しては言わないけれど)強いメッセージを、私はしっかりと感じ取りました。
もちろん、これも私の勝手な思い込みに過ぎないかもしれませんが・・・。
最後に、お薦めというか、この映画の見どころはいろいろあると思いますが、伽羅ちゃんの存在感はかなり印象に残りました。
あと、主題歌に関しては、「これを聴き終わるまでは決して席を立ちたく無い」という程では無かったです。
(かなり評判が好いみたいなので、音楽のことなど何もわかっていない私がこんなことを言うと、
顰蹙を買ってしまいそうですが・・・)ごめんなさい!
要するに「予定調和」的にあまりにも合い過ぎていて?「意外性」に欠ける?という点で
もしかしたら私には少しもの足りなく感じられたのかも?しれません。
そうそう、意外性ということで言えば、かつてのあの可愛かった浅田美代子さんが、この映画では憎まれ役のしたたかなおばさん(「どら春」のお店のオーナー役)を演じていて、
またそれがよくハマッていて、けっこう面白かったです。
いるいる、こういう人! と感じさせてくれて、とっても現実感がありました。
私にとっては少々苦手なタイプではありますが、もしも実際にこういう人に当たったら!?
「こんな時はいったいどう言えばいいのかな?」なんて、
映画を観ながら自分まで思わずたじたじとなって、内心あせってしまいました。
いやぁ、やっぱり映画っていいですね~♪
好い映画をいっぱい観た人は、きっと実人生も生きるのがうまくなるのではないでしょうか?
「私達はこの世を見るために、聞くために、生まれてきた」
というのは、ほんとうのことなのかもしれませんね。
河瀬監督にも心よりお礼を言いたいです。
映画化されたことで、これらの言葉に巡り逢えたからです。
たった一言の持つ「言葉の力」を深く感じさせてもらいました。
有難うございました。
ご感想はいかがですか? 映画館を出て「どら焼き」を食べられましたか?(笑)
関西では私が子どもの頃は「どら焼き」など見かけたことはありませんでした。
私のふるさとでは、例えば「回転焼き」(大判焼き?)とか、「御座候」(ござそうろう)
と呼ばれていて、中に「つぶあん」が入っていて、私の大好きな白あんもありました。
私の今住んでいるところは、河瀬直美監督の地元 奈良 に近いので、これまでも「萌の朱雀」など
「地元感覚」!? で観ていました。
また、奈良で国際映画祭があった折りなどに、河瀬監督の舞台挨拶とか、あるいはイオンの中の映画館イベントで
彼女が小さな息子さんと共に「レッドカーペット」を歩くところを拝見したりしたこともあります。
どちらかと言えば映画そのものよりも、監督の方に注目が集まる!?(笑)
というふうに私は思っていて、これまで何となく遠巻きに眺めていましたが、
今回の舞台挨拶ではわりと普通な感じで、服装も決して派手ではなくセンス好く控えめで
落ち着いていて、「大人になった」!?ようなイメージチェンジになぜかほっとしました。
(ただし、これは私だけの感覚なので、他の人たちはまた違った印象で見られていたかもしれませんが・・・)
「あん」の映画は今とてもヒットしているようで、プレビューなどでもかなり好評のようですね。
かなり早くから予告編を何度も観たり、イオンの中でもたくさん広告がされていたので、私も
観る前からもうすでに観終えた氣になるぐらいでした。
それでも樹木希林さんファンの私としては、やはりこれは絶対に見逃せないと思っていました。
多くの人がそう思っているように、「もしかしたらこれが彼女の最後の映画になるかもしれない」からです。
そして市原悦子さんとの共演や、樹木希林さんの孫娘である内田伽羅ちゃんとの共演もぜひ観たかったので、今回その念願が叶って嬉しかったです。
映画作品としては、うまくコツを掴んでツボを押さえたとてもよく出来た、言わば「「優等生的映画」だと感じました。
涙が出るところではちゃんと出るし、、永瀬正敏さんの演技も自然でさすがだし、、「文句の付けようの無い好い映画」だと思いました。
ただ、観終わってすぐに席を立てないぐらいの「感動」というのは、正直なところそれほどは無かったです。
かと言って「どこがもの足りないのか!?」と訊かれれば、それもよくわからないのですが・・。
何度も観たい映画とか、生涯忘れられない映画とか、自分の人生に大きな影響を与えてくれた映画とか、、
いろんな映画がありますが、私にとっては、一人娘の死以来、実人生でのドラマの方があまりにも強烈で、
(それを超えるものを無意識に探し求めていて)おそらくこの映画にも何かを期待していたのだと思います、、。
「やり残したことはありませんか?」という、
これ以上無いぐらいの凄いキャッチコピーが、ある意味で映画を遥かに凌駕している氣もしました。
同じ言葉を思わずこの映画自体に尋ね返したくなりました。
「伝え残したことはありませんか!?」って。
ところで、私が最も感動したのは、原作者のドリアン助川さんが挨拶の中で、本が映画になるまで20年かかったと言われたことです。
その言葉を聴いた時、私の中ではあの阪神淡路大震災以来の大変だったこの20年間の歳月が
一度に甦って来るような感覚に襲われました。
それはとても一言では言えない、長い年月が実際にギュギュッと圧縮されたような感覚というか、
「そうか、彼もこの20年間を私と同じような思いをして生きて来たのだな~」という深い共感と熱い感慨が押し寄せて来ました。
私が樹木希林さんの舞台挨拶をぜひ聴きたいと思ったのも、
ぜひご本人のお姿を直接拝見したいと願ったのも、
考えてみれば、(歳は少し違っても)そういう「同時代感覚」というか、
例えば「戦後70年」を共に過ごして来たというような?そういう「連帯感」なのかもしれません。
「お互いによく生き延びて来たよね~」という想いかもしれません。
さて、話が長くなりましたが、肝心の樹木希林さんは、
映画の中の徳江さんと同じ白い割烹着と帽子姿で登場。
独特のユーモアで会場をなごませてくれました。
そこに、決してこの映画をただのお涙頂戴の「きれいごと」に終わらせていけないという、そして徳江さんは「決して可哀想な人なんかでは無いんだ!!」
という、彼女の(口に出しては言わないけれど)強いメッセージを、私はしっかりと感じ取りました。
もちろん、これも私の勝手な思い込みに過ぎないかもしれませんが・・・。
最後に、お薦めというか、この映画の見どころはいろいろあると思いますが、伽羅ちゃんの存在感はかなり印象に残りました。
あと、主題歌に関しては、「これを聴き終わるまでは決して席を立ちたく無い」という程では無かったです。
(かなり評判が好いみたいなので、音楽のことなど何もわかっていない私がこんなことを言うと、
顰蹙を買ってしまいそうですが・・・)ごめんなさい!
要するに「予定調和」的にあまりにも合い過ぎていて?「意外性」に欠ける?という点で
もしかしたら私には少しもの足りなく感じられたのかも?しれません。
そうそう、意外性ということで言えば、かつてのあの可愛かった浅田美代子さんが、この映画では憎まれ役のしたたかなおばさん(「どら春」のお店のオーナー役)を演じていて、
またそれがよくハマッていて、けっこう面白かったです。
いるいる、こういう人! と感じさせてくれて、とっても現実感がありました。
私にとっては少々苦手なタイプではありますが、もしも実際にこういう人に当たったら!?
「こんな時はいったいどう言えばいいのかな?」なんて、
映画を観ながら自分まで思わずたじたじとなって、内心あせってしまいました。
いやぁ、やっぱり映画っていいですね~♪
好い映画をいっぱい観た人は、きっと実人生も生きるのがうまくなるのではないでしょうか?
「私達はこの世を見るために、聞くために、生まれてきた」
というのは、ほんとうのことなのかもしれませんね。
河瀬監督にも心よりお礼を言いたいです。
映画化されたことで、これらの言葉に巡り逢えたからです。
たった一言の持つ「言葉の力」を深く感じさせてもらいました。
有難うございました。