またたび

どこかに住んでいる太っちょのオジサンが見るためのブログ

WHATEVER-17

2009-07-30 08:12:26 | またたび
                         *
 ケンはいつも私の分まで靴を揃えから、部屋に入っていた。
 態度もそうだけど、決して人の心を踏みにじるようなことも決して言わないし、
 マイナスな面もプラス思考に変えてくれて、自信を持てるようにもしてくれた。
 礼儀正しいって言うか、生真面目すぎる。
 ほかにもお店に入るときとかの気遣いもやさしすぎるくらい。
 でも私のためなら時間を惜しんででも親身になってくれた。
 傷ついた心を包んでくれて、私はそれに甘えた。
 ケンがふざけて唄ってくれたあの歌も聞くことは出来ないね。
 いつも自分勝手でわがままな自分がすごく嫌になる。
 最後に何を話したっけ?よく思い出せない。
 ケンはほかに誰か好きな娘出来たかな?
 あんなフラれかたをしたら、臆病になって、誰も好きになれなくなっちゃうだろうな。
 
 「ほんとにお前ん家行っていいのか?」
 人って同じ事を繰り返しちゃうものかしら。
 痛みはすぐに忘れるもので、まるで何もかもなかったかのように
 記憶の片隅に置いていかれるものかもしれない。
 ケンだって祭りの日に誰かと歩いていたじゃない。
 あの娘見たことあるけど、誰だか思い出せない。
 ケンはそんなに器用じゃないから、すぐに好きになったとは思えない。
 たぶん、誘いを断れ切れずに遊んでいただけだと思うけど、
 ちょっとショックだったな。
 だからって私も私で自分を正当化できる理由がないことはわかっている。

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