鍋に浮いたアクは、美味さを保つには取り除かなければなりません。
放っておいても毒にならないからと油断をしていれば、鍋の中はただ食べものであるというだけのものになり果てます。
味は、楽しみとともに栄養吸収を助けるだいじな要素であることが、忘れ去られているのです。
政治集団にも、しばしば放置アクの渦が巻いているのを見かけます。
思惑というアクもあります。
食材でも人間でも、アクの強さが、特徴や個性として、全体を引き立たせる役割をもっていることがあります。
しかし、出たアクは役目を終えた老廃物です。
老廃物は掬い取って捨てなければなりません。
掬うのが面倒と、怠っていてはならないのです。