中国では、いま有害物質を含んだ濃霧が日本の国土の3倍以上に当たる約130万平方キロを包み込んでいるそうである。
半世紀前の、青空は正月の三が日だけだった東京の街を思い出し、ぞっとする。
北京の病院は、大気汚染を原因とする患者に関する取材を、上部機関からの指示によって拒否しているという。
それでも、街には太極拳を日課にしている人が、汚染を恐れずに現れる。
呼吸によって、空気の清浄化に貢献できると言われているのか。
マスクをかけて太極拳に打ち込む人がずらっと並んだら、誰も歩かなくなった街よりもっと不気味だろう。
車中のマスク行列を笑ってはいられなくなった。