国会議員と地方首長の兼任をどう思うかという首長への問いに、反対意見が多かったと、今日の地方紙で報じられている。
あたりまえだと思うが、その理由が「忙しいから」はややもの足りない。
「忙しいから」は、「嫌だ」の理由にはなっても、制度への反対理由にそれを言ったのでは、首長の言い分としてはちょっと情けないではないか。
首長になれば「忙しい」のはあたりまえのことで、何があっても何が起こっても、骨が粉になる前、身が砕ける前に方法を講じて対処していく知恵を持たなければ、この目まぐるしい世の中で首長などやってはいられないはずである。
首長にもたまには空き時間もとれるからそのときには国会に顔でも出してなどとは、いくらなんでも考えていないだろうが、発案者の意図はどういうところにあるのだろうか。
鉄道系統の接続に、広軌と狭軌の車輪幅をするっと入れ替えて分かれて行ったり乗り入れたりする方法があるが、議員と首長の兼任は、どちらかを走るのでなく、両方の軌道を走らなければならないのだ。
たしかに、あの首長には国会に出て欲しいと、多数の人が思う人もいる。
しかし、兼任は臨時の措置でならやむを得ないが、定められた任期中、継続して兼任というのはよくない。
国会議員には国会議員としてのはたらき、首長には首長としての働きが求められる。
そのはたらきには、逆の立場に立たなければならないことも出てくる。
そういうときに、首長としてより国会議員として、集権に寄っていくおそれが生じてくる。
そんなことはないという証明は誰にもできるものではない。
国会議員は、どんな理由があってもついで仕事ではならないのである。