Chef's Note

『シェフの落書きノート』

大好きなお店だったのに…

2007-06-27 | 美味しいお話
先週のある日、久しぶりに早く終わったので…
スタッフを連れて食事へ

お蕎麦が食べたくなったので…
四谷三丁目の『』へ

「あれ~?ガラガラじゃん…。この時間に、この店が、この状態って初めて…」
…独り言をつぶやきながら店内へ

本日のおすすめ前菜系のメニューに目を通すと…
ん?
2割~3割くらい値段が上がっているようだけど…。

まぁ~季節の品揃えは考えてある内容だし…
…って少し頼んでみると…。

なんだか以前のこの店の信念さえ感じられた内容とは、どれも違う気がするが…

早いとこメインの『へぎそば』を頼まないとスタッフの帰りの最終電車の時間になってしまう…ってことで…

『へぎそば』と『季節の天麩羅盛り合わせ』を注文!

「あれ~? なんか天麩羅が固くない?」

「お蕎麦は、おいしいですね~!」

「天麩羅が変わってるよ~!これ重曹を入れすぎじゃないの?」

「え?天麩羅に重曹を入れるんですか?」

「通の天麩羅屋さんは、絶対に入れないけどね。スーパーとかお持ち帰りが多い所なんかは、重曹を入れて衣を固くするんだよ。そうしない家に帰って食べようとした時に衣がフニャフニャになってしまうから…」

「へぇ~!そうなんだ…」

彼女は、時折、京橋の高級天麩羅屋さんでもバイトをしている。
アウラが休みの時とかに…。

一番安い天麩羅コースが8000円というから、客の目の前でお好みで揚げる高級天麩羅屋さんである。

そのスタッフは、こと天麩羅に関しては、うるさい!
余り好きではなかった天麩羅だが、そのお店でバイトをするようになってから好きになったそうである。

あ~!
ショックである。
やっと時間を作って、楽しみにして来たのに…。

蕎麦はそんなに変わらないが…
以前は、こんな天麩羅がでてきたこはない。
旬をうたっているキスやメゴチもサクッとした歯ざわりはない。
安物の冷凍じゃん…。

僕の知っている四谷三丁目の『匠』は、こんなのをだす店ではない。

うちのお客様にも、僕と同じ様なショックを感じたままに帰してしまったことがあるだろうか?
こんな思いはさせたくないよなぁ~
…そう思う。

僕を楽しませてくれるお店がまた一軒なくなった。
残念で仕方がない…。

ものすごく懐かしい言葉を思い出した。
東京砂漠…。

ここに本当の意味でのオアシスのようなお店は、何軒存在するのだろうか?

行く店、行く店…ハズレにしかあたらない…。
くじ運が悪すぎるのかな…^^;






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