生まれ変わっても…

もし、生まれ変わっても…
「また、料理人になりたいな」

そう思いはじめたのは、ここ１年位前からかな…。

なにかのキッカケがあって、そう思い始めたわけでもなく。
自然にそう思えるようになった。

料理って、本当に奥が深い。
だから、ものすごく面白い。

やればやるほど面白い。

人と人をつなぐ大切なもの…
命をつなぐ大切なもの…。

自分に才能があるとか、ないとか関係なく…。
作れば作るほど、むずかしいものだと思うようになった。

作っている料理がうまくいかず、落ち込んでいた頃もあったかもしれない。
人々にもてはやされて、有頂天になっていた時期もあったかもしれない。

でも、今の自分の一生の中で…
「本当に自分が納得できる『極み』というところまで果たしていけるのか？」
…と自分に問うた時。

その答えが疑問に思えてきた。

自分が思い描く『極み』を人に説明するのはむずかしい。
今、それを極めていないからこそ…
それは単なるイメージでしかないから…。

ある意味、そんなふうに…
素直に自分と向き合えた時。

「もう一回やるか！」

自分の心の奥底から、自然にそんな気持ちが湧き上がってきた。
それは、なんだかとても不思議な感覚。


「俺は、また生まれ変わっても…。おまえと一緒になるよ」
…そう伴侶に対して思うのと、もしかしたら一緒なのかもしれない。
でも、この場合は、相手が嫌と言えば、成立しなくなる。

輪廻転生を信じているわけではないが…。

どう考えても、時間が足りないと思う。
それは、他の料理人と自分を比較したものではないから
尚更にそう思うのかもしれない。

永遠にもとめ続けるテーマなのかもしれないとも思う。

でも、本当は…
『極み』という到達点を求め続けているわけでもなく。

笑顔で食べてくれている人に会いたいだけなのかもしれない。



もし…
あなたが生まれ変わったとしたら、何になりたいですか？