のあ いちい ワールド

ここは、物書き「のあ いちい」の、人間世界とそれ以外の宇宙人について多くふれるブログです。

『怒りの葡萄』スタインベック著

2010-06-06 21:03:32 | 作品案内
 今日は日曜日なので、「作家と作品」について少しだけふれてみます。

『怒りの葡萄』スタインベック著(大久保康雄訳)を読み、ここ一年間に読んだ作品の中では、正に、圧巻、という感動を覚えました。

 私は、世界の作家の作品を一冊読むと、それについてブログで書いています。

 「本と旅の世界」と、YahooかGoogleで検索していただくとすぐ現れると思いますが、後でリンクを貼っておきますので立ち寄ってみてください。

 スタインベックという作家も相当な努力家だと、彼についてのことを読んでいると感じます。日本の作家で、このようなスケールで描く作家を私は知りません。
 
 「出エジプト記」がバイブルにありますが、歴史を跨ぐと言いますか、後の世で、ある意味を持って読むことができる骨太の作品です。

 長くなりますので、ここではこの辺で。

◆怒りのぶどう The Grapes of Wrath(1939)長編小説
ジョン・スタインベック John Steinbeck(1902-1968)

◇John Steinbeck:アメリカの作家。スタンフォード大学を中退し、文筆活動をはじめる。1940年ピューリッツァー賞受賞。1962年ノーベル文学賞受賞。
代表作は『黄金の盃』『トーティア・フラット』『二十日鼠と人間』『怒りの葡萄』『エデンの東』など。

◆本と旅の世界



『白い光の午後』樹のぶ子著

2010-01-12 11:43:08 | 作品案内
樹のぶ子作品を読んだ。文字化けもあることから、「高樹のぶ子」と「高」を使用しているサイトが多いが、「樹」が本来のもの。

『蔦燃』を12月に、『白い光の午後』を年明けに読んだ。
『蔦燃』は、1994年、第一回 島清恋愛文学賞を受賞している作品でもあるので、
今回は、『白い光の午後』についてふれてみたい。

この、『白い光の午後』を読み終えて思ったのは、女性作家でここまで男を主人公とした作品を描ける作家がほかにいるだろうか、ということだ。男女の性を描きつつ、作品を深めていく手法は見事だと思う。

 「性」を女性作家の立場からリアルに書き込む力量は、『透光の樹』『蔦燃』がさらに踏み込んでいる作品だと思うが、『白い光の午後』では、心中未遂で生き残った「砂子」が、思いを遂げてあの世へ行った「良輝」と「あそこ」で再会するという願望を従兄弟によって再現させるという虚構の世界に読者を導いてゆく。

 互いに家庭を持っている者同士がそれを実行するということ。あれあれと思っているうちに、久信と砂子の織り成すプロセスにまんまと引きずり込まれていくのである。樹作品では、単に性愛を求める男女ではなく、それを通して、人間の生きざまが深いところで結実して行くところに感慨を覚えるのである。

情景描写が生き生きしているのは、日常どこにでもあるものが、氏の独自の表現によりイメージが膨らみ重みが増すの
である。色彩の表現も独自性が感じられる。


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◆樹作品については、以下で、もう少し詳しく触れています。立ち寄ってみてください。
本と旅の世界・高樹のぶ子




◆クリスマス近し 『恐竜ステゴンの家出』

2009-12-09 22:10:38 | 作品案内
 以前、小中学生を対象にしていた塾にいたときのことです。会社形態でやっていて、その頃はけっこう生徒さんが大勢在籍していました。数千人はいたと思います。

そこでは、塾内の新聞を発行していました。月刊でしたが。その新聞に、私が連載した恐竜のお話が、上記の作品です。

そのむかし、「日本童話会」という後藤楢根先生が主宰なさっていた会に所属していました。後藤先生は、もうお亡くなりになりましたが、気骨のある方でしたね。生前に、吉川英治文化賞を受賞してらっしゃいます。

その会で、文章作法を自分なりに学んだつもりですが、元が才能のない人間なのでベストセラーになるような作品は書けません。

しかし、マイペースで一生、小説や童話を書いていくつもりです。

ブログも、あるていど素直な気持ちで書けるような年齢になりました。

もし、興味がおありの方がいらっしゃいましたら、ご一読下さい。

※画像でなくて、画像の下の作品のタイトル、
【恐竜ステゴンの家出】をクリックしますとお店へ飛びますので。



◆恐竜ステゴンの家出
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◆新作『愛人契約』(のあ いちい作)

2008-11-04 22:23:49 | 作品案内
◆新作『愛人契約』(のあ いちい作)を、下記【作家の街・桜色の部屋】へ発表しました!

いよいよアメリカ大統領選、決まりますね! 予想通りなのか?!
オバマ氏圧勝でした。
リンカーンやケネディーのような立派なリーダーを期待します!
戦争のない世界を期待します! 殺戮は憎しみを生むばかりです!
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☆作家の街:桜色の部屋

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◆《文芸と資格》

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆古代米生まれの化粧品
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◆作家と作品

2008-10-24 11:32:56 | 作品案内
・讀賣新聞を開く

ベストセラー「冬の旅」などで知られる直木賞作家・立原正秋(1926~80)。本格デビュー前に元の民族名で発表した作品があることが20日までに確認されたという。
それは日本で刊行されていた「自由朝鮮」誌49年2月号に、金胤奎 ( キムユンギュ )名義で掲載された短編
「ある父子」。
連合国軍総司令部が提出させた出版前のゲラを集めた通称「プランゲ文庫」の中から、早稲田大学の山本武利教授グループが発見。
立原晩年の小説「冬のかたみに」ともエピソードが類似しているという。
立原は、両親とも混血と生前話していたが、二人とも朝鮮人であることが、その後明らかになった。
彼は、民族の揺らぎの中から、作家立原正秋を作り上げていったのだろう。

「時が滲む朝」で芥川賞受賞のヤン・イーさん。故郷は中国東北部。両親は教師で、5人の子供と囲む食卓は貧しかった。ハクサイの漬物など保存食が中心だった、と。
22歳のとき、日本留学が決まった。飛行機に乗るために、列車で48時間かけて上海へ。
料理の味付けに砂糖が使われているのに驚き、甘くて食べられなかった。
日本に来たら「味が薄くて合わなかった。焼き魚にみそ汁、今は大好物だけれど、しばらく食べられなかった」と。
大学卒業後、中国語新聞の記者を経て、中国語講師として働いた。中国で反日デモが起きて生徒が激減し、暇になったので文章を書き始めたという。
子供を育てながら、自力で切り開いてきた作家の世界。紡ぎだす日本語が生きている。・・

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☆作家の街:桜色の部屋

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◆芥川賞『時が滲む朝』楊逸(ヤン・イー)著

2008-07-29 19:34:03 | 作品案内
★『時が滲む朝』楊逸(ヤン・イー)著


貧農出身の浩遠(ハウ・ユェン)と志強(ツェー・チャン)は、
地方の高校で寮生活を送り、同じ大学に入ることを誓う。

猛勉強の末、二人は秦都の秦漢大学から合格通知を受け取った。

志強の家は貧しい農家。無学の両親。とりわけ父親は金がかかりそうだし農作業の人手が足りなくなるとぶつぶつ言ったが、母は鍋を売ってもお前を大学に行かせてやる、と言ってくれた。

浩遠の父は名門北京大学に入り哲学を専攻したが、「資本家や地主だからと言って悪い人だと決め付けるのは、弁証法に矛盾する」と発言して大学を卒業する直前に西北の農村に下放された経験を持つ。

入学した二人は、金縁メガネの若手教授・甘凌洲にひかれていく。志強は、同じ大学の小柄な活動家・ぶどうのような瞳の英露、に恋をする。彼らは、民主化を求める運動に加わり、甘凌洲に率いられ北京までデモに行く。

天安門事件の後、二人は大学から退学処分を受け、甘凌洲らは海外に亡命した。
志強は秦都で田舎から出稼ぎに来た農民工に混じって日雇いの仕事を始めた。
浩遠は日本人残留孤児の二世と結婚して来日し、中国民主同志日本支局の一員となる。家族を養うため印刷工場で懸命に働くが、海外の民主化運動の実情を知るにつけ幻滅が深まる。二人の子供にも恵まれたが、妻にもいえない苦悩を抱え込む日常に耐えられなくなり、母国の父へ電話する。
「よしよし、泣きな、父さんも若い頃に何度泣いただろうか。夜中に布団を被って狼が吠えるように泣いてさ、すっきりしたら、翌朝の朝日がすごくきれいに見えた」・・

このストーリーの背景には、
ー1989年6月4日、北京市・天安門広場に集結していた学生を中心とした一般市民のデモ隊は「人民解放軍」によって武力弾圧され多くの市民が殺害されたーというあまりにも凄惨な事件がある。

当時日本にいた作者は、この慄然たる現実の前に、取材によりこれを書くとしても対象の悪魔は巨大過ぎただろう。
母国語を異にする著者が日本語で描いた世界。それがこの手法であったと思う。

上記の、電話での父との会話の部分。また、民主化運動をしていた彼らが、来日する後半のくだりに、事件の大きさが実感される。

かつて、民主化を掲げた金縁メガネのリーダー・若手講師の甘凌洲。レンズの奥の目がいつも金に負けないくらいキラキラして、傍によるとその秀でた才能が輝く目と一緒に迫ってきたひと。その後、妻子と別れ異国に亡命して8年間。フランス語を話せないまま大学の閑職にお世話になる乞食文化人に成り果てた、と手紙で知らせてきた・・

デザイナーになり、二狼工房の経営者になった志強が時を異にして来日した。

志強が恋した英露はアメリカに亡命後、大学でしばらく英米文学の勉強を続け、フランスの商社マンと付き合うようになったが、やがて妊娠がわかり、結婚して渡仏。4年前に英露は離婚して幼い淡雪(ダンシェ)を連れパリに移住。

成田空港での再会。甘先生、そしてすぐ後に現われた洋顔の男の子の手を引いた女性。すっかり変わってしまい、浩遠には誰か分からなかった。名乗られてそれが英露だと知った。洋顔の男の子はリヨンで生まれた息子・淡雪(ダンシェ)だった。
英露のぶどうのような瞳は少し色あせてみえた。今は、甘凌洲と同棲しているという。


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☆お楽しみコーナー
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◇絵のない絵本

2008-05-23 18:52:34 | 作品案内
★心にひびく作品ーアンデルセン

「きのうのことですよ」と、月がわたしに話しました。「わたしは、家にかこまれている、小さな中庭をのぞいていました。見ると、めんどりが一羽、十一羽のひなどりたちといっしょに寝ていました。ところが、そのまわりを、ひとりのきれいな女の子が、はねまわっているのです。めんどりはびっくりして、コッコッコと鳴きながら、羽をひろげて、小さなひなどりたちをかばいました。そこへ女の子の父親が出てきて、女の子をしかりつけました。わたしはそれきり、もうそのことは考えずに、先へすべっていきました。
 ところが今夜、それも二、三分前のことですが、わたしはまたおなじ中庭を見おろしていたのです。はじめのうちは、ひっそりとしていましたが、まもなく、あの小さな女の子が出てきて、そっと、とり小屋にしのびよりました。そして、かんぬきをはずして、めんどりとひなどりたちのいるところへ、しのびこみました。にわとりたちは大声でさけびながら、羽をばたばた打って、飛びまわりました。けれども、女の子は、そのあとを追いかけるのです。わたしは壁の穴からのぞいていたので、このありさまが、手に取るようにはっきりと見えました。わたしは、このいけない子に、すっかり腹をたててしまいました。ですから、父親が出てきて、きのうよりももっとひどくしかりつけて、女の子の腕をつかんだときには、ほんとうにうれしくなりました。女の子は、頭をうしろへそらせました。すると、青い眼に大粒の涙が光っていいました。
『おまえは、ここで何をしているんだ?』と、父親がたずねました。すると、女の子は泣きだしました。
『あたしはね』と、女の子は言いました。『この中へはいって、めんどりにキスをしてやって、きのうのおわびをしようと思ってたの。だけど、おとうさんには、どうしても、そのことが言えなかったのよ!』
 それを聞くと、父親は、このむじゃきな、かわいい子のひたいにキスをしてやりました。わたしも、その眼と口にキスをしてやりました」


◇アンデルセン『絵のない絵本』  第二夜 より


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◆フロリダの空の下

2008-05-04 22:37:16 | 作品案内
◆「のあ いちい」新作短編:『花びらが落ちる時』に続き、
☆『フロリダの空の下』も、下記サイトへ投稿しました。

☆作家の街:桜色の部屋

      

◇『八月の光』フォークナー:毎日1ページずつ読み進める予定です。
☆《いちいリンク》


◆『創林社』 復刊特集ページ
『月の砂漠の歌』乃阿一葦著

☆『月の砂漠の歌』乃阿一葦著



☆もうここまで来てしまいました!

2006-12-30 11:11:50 | 作品案内


とうとうここまで来てしまった。
決して充実した一年ではなかった。
ただ、人に出来るだけ迷惑かけないでやろう。
そう思って生きた一年。

昨夜、バイト先の打ち上げから深夜に帰ると一冊の本がポストにあった。
以前私が図書新聞で書評を書いた著者からの一冊だった。
『シャーベットが融けちゃうよ』(沖積舎・藤岡改造著)。
死を前にした高校生の透明な心象風景を描いた・・
怪奇小説のストーリー・テラーとして、かくれた名手の手になるもの。
著者は長年高教教師を勤め、俳壇選者でもあります。

※画像は下記「なんでもオピニオン」を参照してください。
☆なんでもオピニオン
☆【のあいちい】