夢のあと

釣りには夢があります。夢を釣っていると言っても過言ではありません。よって、ここに掲載する総ては僕の夢のあとです。

第三の男

2013年10月28日 13時39分03秒 | 渓流釣り
恵比寿ビールのコマーシャルに使われていた、映画『第三の男』のテーマ曲。ハリーライムのテーマとも言われる曲ですが、とても暢気な感じがして僕も大好きでコピーしてギターで弾いていたりしましたが、まさに今回の僕は第三の男。
 最初にこばちゃんが釣って、続けて小次郎さんが釣って、しばらく間があって僕が釣りました。いつも人の釣りばかり撮っているので自分が写っている写真はほとんどありません。ですので、今回は僕のヘルプに入ってくれた夏目さんに撮って頂きました。世界で三番目になれることなんか今後の人生で二度とないことだと思ったからです。
 今回は3人で一つの目標に向かって走り、そして3人が三様の方法でそれぞれ目標を達成しました。てんからでサケを釣るのはこの上ない快挙ですが、3人が自ら編み出して違ったてんからで全員が漏れなくサケを捕ったというのも快挙だと思います。
 これで、一つの目標が達成されてとてもいい気分です。でもそれは反面、目標が一つ減ったという寂しさももたらします。また新たな目標を見つけて新しいチャレンジをして楽しんで行こうと思っています。
 さて新しいチャレンジとは・・・。 

世界初の快挙

2013年10月20日 18時49分44秒 | 渓流釣り
てんからでサケを釣る・・・こんな無謀な夢が現実となりました。
しかもてんからで挑んだ3人が三人とも。
こんな暴挙は誰も考えたことはないと思います。正確に言うと考えた事はあるでしょうが、即刻に『無理』とたかを括っているのではないでしょうか。でも、考えてみればそちらが正常というものです(笑。
 そもそも川に入ってきたサケは餌を食いません。消化酵素までも消失しているのですから喰うはずがないのです。で、ある先生に何故釣れるのかを聞いてみたら全てがファールフックだとのこと。例え口に鈎が刺さったとしても偶然でしかないとのこと。でも餌でも釣れるし、ルアー・フライでも釣れるのですからなんとなく釈然としませんでした。そして、今回同行してくれた知り合いが正解を教えてくれました。それは産卵後の卵(イクラ)を守る習性がありますので、この時期は卵を喰いに来る小魚を追い飛ばすためにアタックして来て、その時に鈎掛りしてしまうというものでした。アタックには口を使うこともありますし、尾びれや胴体で体当たりするアタックもあります。実際、今回の一日目で釣れた人の鈎掛りを見ると2割が口で後は色々な所に掛かっていました。餌を食いたくて喰い付くわけではないのですから先生が全てがファールフックだと言い切ったのも合致します。
 ですから、サケ釣りはアユの友釣りやふぐのカットウ釣りと同じジャンルであるわけですから、スレも含めて総て釣果として認めるに至りました。
 
この企画を最初に提案してくれたのが当会の夏目三号さん。そして当会から小次郎氏と僕、途中からこの企画に乗ってきたこばちゃん(吉田毛鉤会)の3人がこの暴挙に挑戦しました。僕が知る限りではこんな馬鹿気たことを真剣にやった人はいないと思います。ですから、もし今回てんからでサケを手にすることが出来たらそれは世界初の快挙となるのです。

 てんからの弱点はなんと言ってもその竿の弱さです。普通のてんからの道具仕立てでは、その結果は明白です。ですから強い竿を使ったり、糸を工夫して竿に負担を掛けないようにしたり・・・各自がそれぞれ工夫して今回に臨みました。

 そして記念すべき第一号、つまり世界初の快挙を成し遂げたのはこばちゃんでした(流石に吉田毛鉤会です)。もの凄いファイトでした。まさに魚との格闘と言っても過言ではありません。僕は対岸から釣っていたのでお手伝いは出来ませんでしたが、二人の呼吸はぴったり合って微塵の隙も与えず、総てが完璧に見えました。小次郎氏がタモに納めた時、僕は最大限の感動に包まれていました。対岸で飛び上がって喜ぶ二人。何せ世界初ですからね!

 この笑顔、最高でしょ!世界初の快挙を達成した瞬間ですからネ。『満面の笑顔』とはまさにこのことだと思います。僕自身、彼の笑顔の中で史上最強の笑顔でした。でも、この笑顔の裏側には沢山の苦悩が隠れているのだと思います。本人はきっとそんなことはしてないと言うかもしれませんが、それ無くして結果はないのです。

最高の夢を釣ったこばちゃん、本当におめでとう!また行きましょうね!

ちなみに小次郎さんも二匹、僕も二匹釣れました。苦労が実った瞬間でした。

暴挙

2013年10月16日 22時51分03秒 | 渓流釣り
最近てんからに侵されている管理人は、今シーズンにてんからで尺イワナ・尺ヤマメ・尺アマゴが釣れ、図に乗って今度はサケを釣っちゃおうなどという誰が考えても辞めた方がいい暴挙を考えてます。
 実の事を言うと、今年の春先にサクラマスが跳んでいるのを見つけて、てんからで6回チャレンジしたのですが、一度食いついただけでアワセられず。結局ボーズに終わりました。それから随分と勉強して来年をまた考えてます。そして、その延長線上にあったはずのサケが、サクラマス不在のままチャレンジすることになってしまいました。
 こんな状態ですから多分釣れないと思います。サケは溪魚というにはあまりにも大きくパワフルです。サケのファイトに負けない道具類をそろえ、それを使いこなせるようにすることが第一関門。サケに口を使わせることが第二関門。掛かったら道具を壊さないように自分が走り回っていなす事が第三関門。そして取り込みが第四関門。これらの関門を総てクリアして初めてサケと一緒に写真が撮れます。

 無理だと分かっているからこそやってみたい。魚を釣ることも大切ですが、それ以上に夢を釣りたいから。

 ここにサケの写真が載せられるように頑張って来たいと思います。画像は今回のサケ釣り用に巻いてみた毛鉤です。

皮肉

2013年10月05日 08時15分40秒 | タナゴ釣り
 最近はてんから(渓流釣りの伝統的な釣り方)が面白くて熱中している管理人ですが、タナゴ釣りの楽しさも忘れられない僕は合間を縫ってタナゴ釣りにも出かけています。で、遅ればせながら今回はタナゴ釣りです。
 今年の8月下旬です。この時期はアカヒレタビラがいい色を出しているはずと睨んでアカヒレタビラを狙いに。しかし、カネヒラばかりでアカヒレタビラは少々でした。
 カネヒラは確かに大きくて綺麗で素晴らしいタナゴ族ですが、これが釣れた場所は本来の棲息圏からはかなり離れています。在来種が大好物な僕ですからいくらこういう魚が釣れても感動がありません。小さくてもたとえ綺麗でなくても、在来種であれば大昔からその場所に住んで厳しい生活環境を乗り越えて生きてきた魚ですから、そんな魚が釣れて来たときにはそれなりの感動があるのは当たり前です。
 そもそもカネヒラは琵琶湖のアユの放流に混ざって日本中に移入されたと言われていますが(確かにそれもあるのでしょうが)、この場所は放流した人が特定されていると聞いております。つまりは一部のマニアによるゲリラ放流ってやつです。カネヒラは大きくなるタナゴ族ですから当然ながら大食漢です。閉鎖されたある環境化でいままで一生懸命に世代交代を繰り返して来た他の小さなタナゴ族には死活問題となるような大きな環境変化であることは容易に想像できます。カネヒラの美しさに感動し、近所の川にもそういう綺麗な魚を泳がせたい(もしくは釣りたい)と夢見る気持ちは分からないわけではありません。それどころかとても大切な心だと思います。しかし、タナゴだって我々と同じ一つの命です。勝手に見知らぬ場所に放たれて・・・もし自分がされたらどうでしょう?まるで北朝鮮の拉致と同じことじゃないですか。
 小さな生き物を愛しむ心はとても大切な心です。しかしその一つの行動(放流)がどのような結果になるかはすでに判っていることです。カネヒラなどはまだ放流といっても規模が小さいですが、アユやヘラブナの放流は大規模ですからそれによる環境破壊(生態系の破壊)は計り知れません。しかしながらこういう自然破壊によって一部の人が幸せを感じ、人生に華を添えることが出来ている現実もあるわけで・・・皮肉なものです。
 釣り・・・それは自然と融合する楽しみです。放流などという人為的行為の元に行われるものではないと思うのですが違うでしょうか?
 大自然の中でその自然の一部と戯れることに幸せを感じられたら素敵なのに。。。と強く感じる釣行でした。