夢のあと

釣りには夢があります。夢を釣っていると言っても過言ではありません。よって、ここに掲載する総ては僕の夢のあとです。

世界初の快挙

2013年10月20日 18時49分44秒 | 渓流釣り
てんからでサケを釣る・・・こんな無謀な夢が現実となりました。
しかもてんからで挑んだ3人が三人とも。
こんな暴挙は誰も考えたことはないと思います。正確に言うと考えた事はあるでしょうが、即刻に『無理』とたかを括っているのではないでしょうか。でも、考えてみればそちらが正常というものです(笑。
 そもそも川に入ってきたサケは餌を食いません。消化酵素までも消失しているのですから喰うはずがないのです。で、ある先生に何故釣れるのかを聞いてみたら全てがファールフックだとのこと。例え口に鈎が刺さったとしても偶然でしかないとのこと。でも餌でも釣れるし、ルアー・フライでも釣れるのですからなんとなく釈然としませんでした。そして、今回同行してくれた知り合いが正解を教えてくれました。それは産卵後の卵(イクラ)を守る習性がありますので、この時期は卵を喰いに来る小魚を追い飛ばすためにアタックして来て、その時に鈎掛りしてしまうというものでした。アタックには口を使うこともありますし、尾びれや胴体で体当たりするアタックもあります。実際、今回の一日目で釣れた人の鈎掛りを見ると2割が口で後は色々な所に掛かっていました。餌を食いたくて喰い付くわけではないのですから先生が全てがファールフックだと言い切ったのも合致します。
 ですから、サケ釣りはアユの友釣りやふぐのカットウ釣りと同じジャンルであるわけですから、スレも含めて総て釣果として認めるに至りました。
 
この企画を最初に提案してくれたのが当会の夏目三号さん。そして当会から小次郎氏と僕、途中からこの企画に乗ってきたこばちゃん(吉田毛鉤会)の3人がこの暴挙に挑戦しました。僕が知る限りではこんな馬鹿気たことを真剣にやった人はいないと思います。ですから、もし今回てんからでサケを手にすることが出来たらそれは世界初の快挙となるのです。

 てんからの弱点はなんと言ってもその竿の弱さです。普通のてんからの道具仕立てでは、その結果は明白です。ですから強い竿を使ったり、糸を工夫して竿に負担を掛けないようにしたり・・・各自がそれぞれ工夫して今回に臨みました。

 そして記念すべき第一号、つまり世界初の快挙を成し遂げたのはこばちゃんでした(流石に吉田毛鉤会です)。もの凄いファイトでした。まさに魚との格闘と言っても過言ではありません。僕は対岸から釣っていたのでお手伝いは出来ませんでしたが、二人の呼吸はぴったり合って微塵の隙も与えず、総てが完璧に見えました。小次郎氏がタモに納めた時、僕は最大限の感動に包まれていました。対岸で飛び上がって喜ぶ二人。何せ世界初ですからね!

 この笑顔、最高でしょ!世界初の快挙を達成した瞬間ですからネ。『満面の笑顔』とはまさにこのことだと思います。僕自身、彼の笑顔の中で史上最強の笑顔でした。でも、この笑顔の裏側には沢山の苦悩が隠れているのだと思います。本人はきっとそんなことはしてないと言うかもしれませんが、それ無くして結果はないのです。

最高の夢を釣ったこばちゃん、本当におめでとう!また行きましょうね!

ちなみに小次郎さんも二匹、僕も二匹釣れました。苦労が実った瞬間でした。


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6 コメント

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Unknown (ta28)
2013-10-21 12:08:12
現場に居合わせて私も対岸から見ていて、鳥肌がたちました。あの雄叫びが耳に残ってます!(やっと聞けた)
また、初めて来て、1匹釣れて、感動して思わず涙が出たと言ってた方の笑顔も残ってます。
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Unknown (小次郎)
2013-10-21 13:43:25
この一本!
この雄叫び!
これがすべてのスタートですね!
本当に素晴らしいことでした   こば様おめでとうございます
ta28様のコメント↑の方のお話は本当に感動です
涙の一本!  この気持ちは一生忘れたくありません
本当に素敵な一日でした
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ありがとうございました (こば)
2013-10-21 21:15:37
会長の頑張照蔵さん、会の皆様へ
まず最初に、このような素晴らしい釣行にお誘いいただいたこと大変感謝しています。
ありがとうございました。

ただ私が世界初ではありません。
テンカラで鮭に挑戦したこの日、この場に一緒にいた三人が共に釣り上げたのですから三人で世界初なのです!
本来なら昨日は最後に三人で雄叫び、記念撮影して今日の記事にされるのが良かったと思います!
私の釣り方は上手な皆さんの釣り方や知識、ヒントを基に組み合わせただけです。
ゼロから考えた訳ではありません。
特に小次郎さんには色々とお話を聞いてしまったというか知識を盗んでしまいました。
ありがとうございました。
取り込みも大物釣りを熟知した小次郎さんが私の呼吸に合わせて取り込んでくれました。
逆に私はギクシャクした取り込みしか出来ずご迷惑をかけてしまいました。
でもそんな私にも鮭が釣れた事実を素直に喜びたいです。
今日は心地良い余韻を軽い腕の痛みと共に味わっています(笑)
また釣りたいです。

記事内の「産卵後の卵(イクラ)を守る習性がありますので、この時期は卵を喰いに来る小魚を追い飛ばすためにアタック…」とのこと、私が釣った鮭はまさに産卵を終えた雌の個体とのことで口に針掛かりしていました。
毛鉤は小魚をイメージしたもの。
魚信も下竿気味で毛鉤を底近くで送り込んでいる時に出たものでした。
この辺りは実に興味深く、再度この習性を意識して釣ってみたいなと思いました。

公私ともに「挑戦」を避けて生きてきたような私ですが、これを機にイメージや固定概念にとらわれない釣りや生き方をしたいなと思いました。

誰が釣り上げても嬉しさに包まれた幸せな一日でした。
これも釣り天狗の皆様の人柄のおかげですね。
本当にありがとうございました。

追申、雄叫びした記憶が無いのです。
意識せず自然に叫んでいたようですね。
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Re:ta28様 (管理人)
2013-10-21 21:27:35
ta28様
 そうですね!まさに感動を釣りに行ったような釣行になりましたね。
 素晴らしい釣行を盛り上げてくれたta28様には感謝・感謝です。
 僕も今年の渓流釣りでの最高の〆となりました。
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Re:小次郎 (管理人)
2013-10-21 21:36:14
小次郎様
 小次郎様のファイトは見ていて迫力がありました。まるでサルですから(笑。それに着いて行くこばちゃんとの連携プレーも感動的でしたよ!あとでVTRを送りますね!

 小次郎さんが言う通りこれで終わりではなくスタートであること、帰りの車の中で考えてました。まだまだ発展性がありますね、この釣りは。

 彼の涙はとても輝いてました。ああいう純粋な涙・・・小次郎さんにはもうないでしょ(笑。お互い羨ましいですね!来年は久し振りに綺麗な涙を流してみたいですね!(爆笑
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Re:ありがとうございました (管理人)
2013-10-21 22:28:43
こば様
 確かに誰が釣れても嬉しいのが僕らの釣りです。でも世界初は一人です。誰がどんな事を言ってもこば様以外にはいません。世界唯一だからこそ価値があるのです。これは今後誰がどう頑張っても絶対に抜くことが出来ない記録です。ですからとても重い記録です。
 世界初というのはどの世界のどんな事でも大変です。物事を正しく判断し、それを合理的に組み立て、そして実践して初めてその可能性が出てくるのです。
 思い起こしてください、この一匹が出るまでの事を。最初にこの釣りに参加しようと思ってからずーーっとこの事を考えていたのではないでしょうか?てんからでは大物が釣れないという既成概念に邪魔されながらも“そんな事はない!”と自分に言い聞かせて色々と考え、試行錯誤を繰り返し、そして実釣に臨んで、一番最初に結果を導き出したのがこば様です。ですから参加したみんなが感動したのです。何も考えずにただいつも通りにやってたら釣れてしまったというのでは誰も感動しなかったでしょう。
 参加したみんなが、いくら消そうと思っても、心のどこかに『てんからでは大物は釣れない』と思っていたはずです。ですから、この一発の後のみんなが色めき立ったのを感じました。僕自身もそうでした。『てんからでもサケが釣れる』そんな夢物語を目の当たりにしたら誰でもそう思うはずです。そしてみんなが夢を見ました。『自分にも釣れないかな』って。そしてみんながその夢を夢でではなく、現実のものとすることができました。結果、参加したてんから師の全員が二度目の感動を得られたのです。ですから最初が大切なのです。こば様のあの一匹はそういう意味からしてもとても重い一匹だったのです。
 チャレンジすること。それは人を感動に導きます。これからも色々なことに挑戦して沢山の人を感動させてあげてください。
 今回は本当に素晴らしいてんからを見せていただきました。でも、これは終着点ではなくあくまでも通過点です。これからも日々精進してこば様のてんからをどんどん進化させて行ってください。

 雄叫び・・・VTRがあります。なんてったって世界初の瞬間ですから、ここだけは押さえておきたかったのです。いつかお会いする時にお渡ししますので確認してください。 
 このたびは当会の企画に参加してくれてありがとうございました。また機会がありましたら参加してくださいね!
 コメントをありがとうございました。
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