面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

途切れた意識

2008年08月27日 | Weblog
 と、飛び出すつもりが、気付いたらベッドに倒れていた。30分以上の空白。頭痛と吐き気を抑えて、電話で待ち合わせを明日に変えてもらった。近年、酒の席が億劫になった。バスタブに湯を張って沈もう。少しは首の痛みもやわらぐだろう。しかし、意識が途切れた時はほとんど夢を見たことがない。眠るのと意識が飛ぶのは、脳の仕組みが別なのだろうか。その間の時間が空白になるだけだ。一種の仮死状態になるのかも知れない。だが、以前病院で危篤状態になったとき、僕は三途の川を渡りかけたことがある。無神論者の方は、この先は戯言として聞き流していただきたい。

 鮮明に覚えているが、真っ赤なスポーツカーで実家の墓地に行き、納骨堂の地下から母と地獄へ向かった。通すまいとする鬼を拾った刀で何匹も斬った。鬼の血は緑色で、浴びた返り血は吐き気がするほど異様な匂いがした。いつの間にか母の姿はなく、僕の目の前には鏡を張ったように澄んだ川が流れていた。赤い橋のたもとに下りて、僕は身体にこびりついた汚れを洗おうとした。「洗ってはいけない!」すぐ引き返して!」知らない少女が向こう岸から叫んだ。

 埼玉の和田病院の一室で母が泣きながら僕を呼ぶ声に目を開けたのは、1971年の9月のことだった。30数年も昔のことだ。その後、何度も死ぬ目に遭ったが、あれほど鮮明な三途の川を見たことは一度もない。最近は特に空白が多い。やはり、最期は「無」になって終わるのだろうか。いや、僕は「想い」となって宇宙の彼方へ飛び去りたい。未練がましくウロウロしたくはない。それもこれも、今の生き様にかかっているように思うのだが、いかがだろうか…。

水曜日でも

2008年08月27日 | Weblog
19時過ぎ、バスは博多天神に到着。観光案内所で今宵の宿を探すが何処も満室、閉店間近、プラザホテルにようやく決定。係員が、水曜日なのに、と呟いた。雨露が凌げるだけで幸せだ。8時にチェックインして、猛烈に腹が空いたので、これから街にとびだそう!

雨の高速バスで

2008年08月27日 | Weblog
16時半の高速バスで熊本から福岡に向かっている。途中で雨が降りだして、窓外は白く煙っている。スピードに乗って走るバスが潜水艦に思える。気圧の急激な変化で頚椎から滲み出た髄液がすべての機能を狂わせる。地獄の拷問が福岡に着く迄に終わればと願う。頚椎を負傷した者の宿命とはいえ、季節の変わり目をこんなかたちで体感するのは、難儀なことだ。