面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

中日(なかび)

2007年05月31日 | Weblog
 今日は木曜、1週間公演の中日です。僕らは魔の木曜日と呼んで注意をしています。
俳優さんは台詞が飛んだり、スタッフはとんでもないミスをしたり、公演4日目で慣れが油断を呼ぶのでしょう。集中力を欠かさないように気合いを入れなおします。
 おかげさまで「スタント」大好評のうちに続いています。昨日は思いがけない雨にも関わらず沢山の方にお越しいただき、SS席(最前列の前、舞台から落ちたときの保安マット)まで座って頂きました。努力が報われるのは嬉しいものです。特に心に残ったのが、初めて朝倉の芝居を観劇して下さったお客さまに、「人生に新しい楽しみが増えた」と、言って頂いたこと。僕らの仕事は、たかが娯楽、生活の必需品ではありません。極言すれば、あろうが無かろうが生きていけます。されど、僕らは「芝居」が好きでこれしか出来ない。だから、芝居を一所懸命作るしかないのです。
 すみません。これ、劇中の内藤の台詞でした。
今日は、おおやけには休演日となっていますが、恵まれない学生さんや、演劇を目指している方の為に平日通り19時30分から上演します。お時間がありましたら、是非お越し下さいませ。03-5330-5331まで、お電話下さい。

スタント2日目終了

2007年05月30日 | Weblog
 慌ただしい1日だった。開演前に打ち合わせを3本入れていて、前説ギリギリにアトリエに着いたので、恒例の気合い入れには参加出来なかった。終演後も打ち合わせを一本入れていて、それが終わって11時にアトリエに戻ると、観劇に来てくれた某P、堀川りょう、平田竜也らが盛りあがっていた。某Pに言わせると、芝居がおもしろ過ぎて帰りたくなくなったらしい。それで役者と乾杯していたと聞いて、今回の芝居の成功を確信した。
 アンケートの回収率も今までになく多い。明日が更に楽しみだ。独り善がりではなく、俳優、スタッフ、観客が一つの想いを共有出来る芝居作り、が、今回の僕の仕事だと決めていたので、素直に嬉しい。
 明日も19時、中野坂上のアトリエでお会いしましょう。今、午前2時過ぎ、今日ですね。お待ちしています。必ずお声をかけて下さいね。

満員御礼

2007年05月29日 | Weblog
 無事に初日の幕が下りました。ご来場の皆様、本当にありがとう御座いました。出演者、スタッフの皆さん、楽日まで突っ走りましょうね!
 アトリエ公演では殆ど僕が前説を担当しているのだが、初日に満員のお客さまを前にすると感無量で、言葉に詰まります。今日のご声援は本当にあたたかく感じました。
 劇団のHPに「スタント」のムービー予告編が掲載されています。よろしかったらどうぞご覧下さい。堀川りょうの鬼気迫る演技、平田竜也の突っ走るエネルギー、新人司亮の得体の知れないオーラ、片山、樋口の怪演、舞台の華は北原マヤに翠川ゆき、そして、客席を爆笑させる小島祐輝、胸に迫る音楽は神津裕之。
 客席の隅で幸せに頬も弛む90分間でした。どうか、この幸福を共有しに、アトリエまでお越しくださいませ。火曜日と土曜の夜が、すこし空いているようです。
 

スタント初日

2007年05月28日 | Weblog
 いよいよ、アトリエ公演「スタント」の初日を迎えます。苦しくて楽しい稽古は昨日で終わり、今日からお客さまに楽しんでいただくことに全力を尽くすのです。
 ゲネプロに、アキラ役の平田竜也くんの事務所からS社長自ら差し入れを持ってお越しいただきました。御馳走さまでした。主題歌の録音がありゆっくりお話しも出来ず失礼しました。出来れば本番にもお越しいただきたいものです。Oさん、Kさん、Mさん、Dさん、本当に、本当に、来て下さいね。
 皆様、ご来場心よりお待ち申し上げます。

ダービーに思う。

2007年05月27日 | Weblog
 日本ダービーも74回を数えるという。そのうちの半分以上を観たことになる僕としては、この季節になると血が騒ぐ。5月のダービーと暮れの有馬記念だけは、一本買いに決めているので、殆ど的中しない。
 劇団を立ち上げてからこの方、ほとんどが公演やイベントに重なって実況で観戦したことがない。地方巡業に出ていて、友人に電話で頼んだこともあった。
 さて、今年も公演ゲネプロの時間とぶつかった。勿論、ゲネプロを取るが、なんと、今年は、当たったら打ち上げ費用にしようとみんなでない金を出し合った。(そのまま打ち上げに使った方が良い気もするが…)
 ギャンブル嫌いのTがめずらしく言った「信じるとは、人のいう事と書く。今回は先生を信じましょう」
 ドリームジャーニーとフサイチホウオーの一点に三着がアドマイヤオーラ、ヴィクトリーの叩き合いと決めました。
 しかし、この忙しい中、誰が馬券を買いに行くのだろう?
 いよいよ、「スタント」もゲネプロまで漕ぎつけました。神津裕之作曲の素晴らしいテーマ曲も完成し、アトリエ公演としては最高の舞台を御見せ出来ると自負しています。
 夢の旅は、中野坂上の劇団アトリエから始まります。是非、お越し下さいませ。

雨に起こされて

2007年05月26日 | Weblog
 昨日の日記に目覚めた時雨は降っていない、と書いたら、何と今朝は雨だった。
まだ梅雨入りではないのだろうが、静かな雨だった。
 心の奥深くから、哀しみがこみ上げてきて、その哀しみの故を探したが見つからず、カミュではないが、雨が静か過ぎたから、と、いうことにしてベッドをおりた。
 追い詰められている自分と、限りなく羽ばたこうとしている自分がお互いを笑いながら見つめ合っている。そんな状況に背を向けて芝居作りに没頭している僕がいる。
 芝居がある限り、首も吊らなければ手首も切らない。それだけが現世と僕をつなぐ細い糸。
 気圧が下がると、頚椎が圧迫されて髄液が漏れ、痛みにのた打ち回る。だが、僕は薬や注射が大嫌いで逃げこむ場所もない。7月半ばまで続く儀式のようなものだ。
 もうすぐ、幕があがる。里中!あと少し、あと少しだ!もうすぐ、全てが…。

懐かしき雨音よ夢を濡らせ

2007年05月25日 | Weblog
 遠雷、そして駈け抜ける驟雨。箱根強羅の山荘から、舞台の幕はあがる。
 いよいよ、照明、音効、そして衣装を着けての舞台稽古が始まった。全ての照明が落ちた漆黒の客席で聴くSEの雨音に誘われて、遠い昔の夢が思い出された。
 30歳になりたての頃、僕の見る夢の終わりはいつも雨だった。雨音に目覚めたのかと窓のカーテンを開けると、星空だったり、眩しい快晴の朝だったり、雨が降っていたことは一度もなかった。夢の中で雨は音もなく降った。なのに雨音に起こされることが不思議でならなかった。現実の世界に引き戻す雨の音は、いったい何処から聞こえてくるのか、今に至るまで見つけられずにいる。
 思い出したのは、当時5歳の別れた息子が死んで、埋めた座敷の床下から筍が伸びてくる奇妙な夢だった。死んだ息子を床下に埋めるのも変だが、そこから生えてきた筍が伸びるのを畳を剥がして助けるのも可笑しかった。筍に頬ずりしながら庭を見ると、しとしとと雨が降っている。ああ、雨だ。もう、二度と息子に会えないのだ。そう思って僕は泣き出す。すると、何処からか雨の音が聞こえて、ああ、雨か、と、目覚めると、雨など何処にも降っていない。そんな夢だった。
 初日まで残りわずかなのに、夢の話しをしている場合ではないのだが、照明の入る僅か30秒足らずの時間に思い出した昔の夢です。
 雨音から始まるお芝居がどんな展開を見せるか、それはお楽しみに。

芝居のかたち。

2007年05月24日 | Weblog
 長年模索してきた芝居のかたち、その輪郭が姿を現し始めた。この数年、見えそうで見えないそのかたちに苦しんでいたので、まだ、信用は出来ないが…。
 堀川りょう始め、俳優、スタッフに恵まれて時の運がやってきたようだ。
 ローマは1日にして成らずの故事どおり、15年も続けてきたから今日があり、明日に繋がっている。いよいよ、28日、その芝居を御見せする事が出来る。
 映画でもテレビでもない、舞台だから出来る芝居、に仕上がっていたら、どうか、拍手を下さい。俳優の持てる力を最大限に引き出し、観客の想像力を最高に高める、そして、幕が降りたあと、観客、俳優、スタッフが心地良い虚脱感に浸れてひとつの想いを共有出来る、そんな芝居を作ろうとコツコツ野暮に生きてきました。本当にあり難いことです。
 言われるまでもなく、貧乏なのは世の中に必要とされていないからでしょう。たかが芝居、
笑って下さい。ですが、一度、観てください。心からお待ちしています。