面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

青空に浮かぶ月

2006年05月16日 | Weblog
 短い五月晴れだった。すでに奄美では梅雨入りしたらしい。頚椎の疼く日々が7月の梅雨明けまで続くのかと思うと憂鬱は果てしない。 
 映画の脚本に四ヶ月費やした(まだあがっていない)ラジオの脚本が2本、今、アトリエ公演の6日前。 映画の件で何度も九州を往復している。まだ続くらしい。外国なら諦めもつくが、国内線の飛行機はどうも苦手だ。スタッフと同行だから文句は言えない。だから、前夜眠らないで、離陸する前に爆睡する。二時間弱の睡眠が結構有効だ。寝覚めは悪くない。  
 空の上でも悪夢は見る。書き溜めてあるが、公表出来る代物ではない。気分次第で庭の焚き火となるそういった原稿は、残された原稿の何倍にもなる。悪夢は煙となって空に消えるのだ。 
 先日も晴れた午後、僕は原稿を灰にした。連休の後で空は晴れ渡っていた。見上げた空に、見事なハーフムーンが浮かんでいた。煙が目に染みたのだろうか、月が揺れた。
 燃え残りのなかに、昔愛した人の手書きの深層心理ゲームが燻っていた。10年前のあの日が昨日観た映画の場面より鮮やかに浮かびあがった。へこみようがないほどぺちゃんこなのに、これ以上どうへこめば良いのだ。諸行無常の鐘よ鳴れ鳴れ鳴り響け