面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

9月になれば

2008年08月25日 | Weblog
   「9月になれば」

 君の生まれた9月になれば
 僕の夏は雨に流されて

 季節の花も9月になれば
 君の好きな色に染まるだろう

 我侭な僕の生き方
 寄り添うことも出来なくて
 愛の形も作れずに
 旅の空から祈るだけ

 愛しい人よ 微笑み失くすな
 愛しい人よ 幸せであれ

 バースディカードは永遠に変わらず
 MY SWEETHEART FOREVER
 WITH MYLOVE

 朝のバスで浮かんだ詞に曲を付けたくて、帰りは松橋経由砥用行きに乗り、麓の神園で下車して、山道を1時間ほど歩いて帰った。人一人いない午後の山道を歌いながら歩けば、メロディは自由自在、聞いたような曲が次々と口をついて出てきた。ギターに弦を張ったらコード譜を書いておこう、と、少年時代に戻ったような気分だった。

 岡田で珈琲を飲みながら詞を書いていたら、42年前も同じ席で同じようなノートに詞を書いていたことを思い出した。あの時一緒にいたのはY・RさんだったのかY・Sさんだったのかどうしても思い出せない。思い出したとて42年前のこと、どうなるわけでもない。Y・Sさんは九女、Y・Rさんは信愛、安達明が歌う「女学生」という歌が流行っていた。誰からも愛されたかった僕の書いた詞は「約束」という歌で僕だけを愛してという我侭な詞だった。その2年前から書き始めていて、やっと2番が出来上がったのがあの夏の日だった。が、定かではない。確かなのは、あれから42年後の今日、僕はずっと一人だったことだ。

 

 

これが岡田の!

2008年08月25日 | Weblog
熊本一の繁華街下通りに楽器店がなくなっていた。パルコの八階でようやくギターの弦を見つけた。ホッと一息、岡田で珈琲。これが岡田の生クリームです。四時には交通センターに戻らないと最終バスに乗り遅れる。新聞社Kさんに電話を入れ、佐賀に行く前に訪ねることにした。

街へ出よう

2008年08月25日 | Weblog
 ここ数日、物語の中で生活していたような気がする。天気もすっかり回復したので、街へ出てみよう。ギターの弦を買って、佐賀行きの高速バスの時刻表を見て、岡田で生クリームたっぷりの珈琲を飲んで、16時発の最終バスで小市野に戻ろう。それから台本の推敲が待っている。では。

今週の予定

2008年08月25日 | Weblog
 今週は佐賀から福岡を回る予定である。11月公演の台本を書いていたが、途中で短編小説を1本書いてしまった。台本の仕上がりが遅れた言い訳ではない。夢の中の出来事があまりにも鮮明だったので、ノートに書き留めたのだ。台本が終わったら、ゆっくり原稿用紙で仕上げよう。

 50年前に見上げた積乱雲が、今日も東南の空に湧き上がっている。あの日10歳だった少年が、白髪まじりの髭面になって見上げている。あの日となりにいた少女は、何処へ行ってしまったのだろう。僕より10センチも背が高く、僕よりずっと男らしかった少女類子。僕は彼女の面影で、ルイという少年や少女の話を幾つも書いた。50年前に転校して行った類子は、僕の中で永遠の少女のまま生きている。僕が望めば、彼女はどんな役にだって変身してくれる。ときには吸血鬼に、時には天保の怪盗に、時にはロックシンガーに。泉のほとりの山桃の木に登れば、類子と転げまわったスミレの丘も、遠くにかすむ九州山脈の尾根も、湧きあがる積乱雲さえも見渡せる。そこには永遠の夏がある。