面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

初日は眠れないものだ。

2007年11月30日 | Weblog
 劇団創立15周年記念公演「クリスマスファンタジー」の初日です。十五年もやっているのに、初日は毎回眠れない。とっくに子供ではないのに、この気分は子供のままだ。今回は特に、初めての中野区共催、久々のキャパシティ、素晴らしいゲストに囲まれて、成功させないわけにはいかない。このプレッシャーが更に気分を昂ぶらせる。どんなギャンブルにも負けないギャンブル人生だが、初日を迎えての血の滾り方は特別だ。肝の住まいが小さいので、がらんとした客席で幕があがる夢をよく見る。

 どうせ眠れないのだから、風呂にでも入って、1月公演の台本でも書きます。明日は19時半開演です。万障お繰り合わせのうえ、野方区民ホールへお越し下さいませ。お待ち申し上げます。第1部にホテルのオーナー役でチョコっと出演します。台詞がでまかせで共演者に迷惑かけております。それでは今宵、野方で。

心の叫び!

2007年11月28日 | Weblog
 いよいよ15周年記念公演の締めくくり、野方区民ホールの「クリスマスファンタジー」が30日金曜日からスタートします。12月2日日曜日までの3日間4ステージ、皆さん、是非是非お越し下さいませ。何しろ、劇団創立以来初めて公共団体と共催します。ひしひしとプレッシャーが押し寄せて、妙な気持ちです。大声で叫びます。来て下さい!!日頃の行い改めます。勉強します、良い子でいます。悪戯しません!だから皆さん劇場に来てね!何か、そんな気分です。これを泥縄と呼ぶのでしょうね。生きて来た結果しか出ないことは百も承知ですが、それでも劇場が超満員の奇跡を願っています。汗と涙の稽古を休まず続けてきたメンバーたちに素晴らしい興奮を体験させたい、それが今の僕の希望です。

 楽しいステージをお見せするための明日は最後の稽古場です。明後日は舞台を区民ホールに移動していよいよゲネプロです。宜しくお願いします。

希望と覚悟

2007年11月26日 | Weblog
 パンフレットの原稿書きをしながら資料に取り出した15年間の上演リストを眺めていたら、その一つ一つの思い出がよみがえり感傷に耽ってしまった。これでは原稿も進まない。気分転換に稽古場へ行ってみたら自主練の俳優さんたちが盛りあがっていて話込んでしまった。入稿は3時間後だというのに、これではいかんと、帰宅し、机に向かったところです。今回のクリスマスファンタジーのテーマ、「希望と覚悟」について書いてみます。是非、会場でご覧下さい。また、ご来場いただけない方にもパンフレットが手に入るよう、考えますね。

公演パンフレット

2007年11月25日 | Weblog
 公演パンフレットの入稿が迫っている。写真や出演者のプロフィールも出揃って、これからご挨拶文を書かねば、と、いうところ。24日は櫻井智も参加して初のリハーサル、衣装替えや諸々時間の具合もわかり、本番に向かって最後の仕上げです。では、今日はこれにて。

恐怖の配役変更

2007年11月23日 | Weblog
 稽古は大詰めに来ているというのに、突然の配役変更。1週間前なら毎度のことなので劇団員はさして驚かないが、ゲストの高嶋君に、「これが伝説の配役変更ですか?!」と、「伝説」扱いされてしまった。184センチの高倉哲也と157センチの司亮の配役を稽古が終わって突然チェンジした。二人ともさすがに朝倉の弟子、しっかりとお互いの台詞を入れているようだ。今日の稽古が楽しみです。

 昨日は久々に照明を担当する三田弘明氏が通し稽古に参加してくれた。劇団創立時から数年間劇団の照明を殆ど担当してくれていたが、本当に久々のコンビだ。彼は学芸大学前で千本桜ホールという劇場も経営している。来春三月の新人公演は、その千本桜ホールに決定しているので、十五期生には特別に紹介した。

 制作のS君から1月公演の台本を今月中に仕上げる様催促されているので、遊んでいる場合ではないのだが、やたらと打ち合わせがある。遊んでいる訳ではないのだが、なかなか机に向かう時間が取れない。弁解無用、時間は待ってくれないのだ。喫茶店でも書けない事はない。「頑張ります」、と言うと、「頑張るのは当たり前でしょう」、と、S君、なかなか厳しいのです。正論なので僕はシュンとなり、心の中でそっと「頑張るぞ」と気合いを入れるのです。

公園で稽古

2007年11月22日 | Weblog
 稽古場が装置作りに占領されていて足の踏み場もないので、午後から近くの公園で、支配人、博士、メイドのベローナ、フロイラインと稽古をした。下校中の女子高生や、子供達が立ち止まって見てくれる。劇団員には慣れた稽古だが、支配人役の高嶋君や蓮ちゃん、あかねちゃんには初体験の公園稽古。集中力を絶やさず稽古を続ける姿に心で拍手を贈った。17時に終了して稽古場へ向かう。途中、中学生が3人並んで彼方を見つめ、コントの練習をしているかのような光景に出会った。「文化祭の練習?」と、声をかけると、「いいえ、黄昏ていました」と、洒落た返答。気に入ったので、是非野方区民ホールへ観劇に来るよう、3人に手持ちのチラシを渡した。只でも入れてあげたい気分だった。

 稽古場に戻ると天井に届きそうな階段がすっかり出来あがっていた。18時から空いたスペースを使い通し稽古に入る。高嶋君は主演のドラマ撮影が入っていて17時にアップしていたのだが、思わぬ方から携帯に電話があり、何とそのドラマのプロデユーサーM氏。世の中、広いようで狭いとはこの事か。人と人との出会いは本当に大切にするものだと今更ながら痛感する。お前に説教されたくないと思われるだろうが、喧嘩をしてはいけない。仲良くしよう、って、50年前に気付けよ!と、自分にツッコミをいれる今宵の僕です。

いつ寝ているのかと聞かれても…

2007年11月19日 | Weblog
 数十年間、病院暮らしの時以外、規則的に睡眠をとったことはない。で、あるから、「何時寝ているの?」と問われても、返答に窮する。夜明け方ウトウトする事もあれば、昼過ぎ睡魔に襲われて二時間ほど爆睡することもある。3日ほど徹夜が続いた夕暮れ時、知らない世界を旅していたりする。稽古中に演出机で居眠りすることがあるが、アトリエ公演の演出助手M嬢が一緒に船を漕いでいて笑われたこともある。

 朝の9時から11時の時間帯が一番多い気もするが、遠慮なしにかかってくる電話や訪問者のベル音は地獄の責め苦である。しかも相手は爽やかで、こちらが悶々と苦しんでいる理由など知る由もない。それも寝入り鼻が一番多いのは何故だろう、これは何時に寝ようが変わらない。寝るなということか、と、ひとり毒づくしかない。

 もうひとつ多いのが、さあ今日はたっぷり睡眠をとるぞ、と、張り切った途端の呼び出し。誰かのトラブルに付き合わされたり、巻きこまれたり、気付いたら1日過ぎていた、なんてことは茶飯事である。

 読書の時間はやはり睡眠を削る。面白い書物に出会うと眠るのが惜しくなる。性分なので仕方がない。多分、何処かで迷惑にならぬよう眠っているので、心配はご無用だと思うが、傍から見ればいい歳をした男のやもめ暮らし、心配も無理はない。

 今月中に1月のアトリエ公演台本を仕上げる予定なので、徹夜が続く。また心配をかけそうなので、はじめに断っておこう。何処かで眠っているので、大丈夫です。ご心配ありがとうございます。

肉体と精神の疾走・終末に向かって

2007年11月17日 | Weblog
 最近「時間は待ってくれない」と、稽古場でよく檄を飛ばす。小椋佳の詞で梅沢富美男が歌った夢芝居に、「稽古不足を幕は待たない」という秀逸のフレーズがあるが、僕が口にするのは、芝居だけではなく、自分の残り人生への焦燥感が混じっているのかも知れない。

 肉体が朽ち果てれば全ては終わるのだが、人生の前半は健全な肉体のまま精神が崩壊する事を恐れた。後半になると目に見えて肉体の限界が判る。成長から維持、そして徐々に記録が落ちてゆく。なにしろ僕が付き合っているのは十代から30代の夢と希望に燃える若者たちだ。一緒に稽古をしていると、時々精神が彼らに融けこんでしまい、ついて来れない肉体に気付いて自分にかえる。

 痩せ我慢ではなく、まだまだ終末をを自覚したわけではない。ただ見据えただけである。つまり、覚悟を決めたということだ。充分に舞台に付き合える僕がいる。勿論、脚本を書き演出することである。15周年記念の締めくくりである「クリスマスファンタジー」楽しい舞台をお見せする為に日夜精進しています。

人にあらざる者とは?

2007年11月15日 | Weblog
 今日はいよいよ、クリスマスファンタジー第二部のショーで各曲のセンターでマイクを取るメンバーの選定日。汗だけでなく涙をこぼして稽古を重ねているメンバーの姿を見て来た僕としては、一番辛い日でもある。舞台に立つ身であれば誰でもセンターでスポットを浴びるのが夢である。しかし、センターは一人、選ぶのは劇団代表であり演出の責任である。

 古く古事記に「俳優(わざおぎ)」という言葉が出てくる。海幸山幸のエピソードで童話にもなっているので荒筋を御存知の方もあるかと思うが、権力闘争に破れた兄が弟に「これから私は俳優の民となってあなたに尽くしましょう」という台詞がある。神代のことなので推測だが、人間としての身分を放棄しなければきっと殺されてしまうほど、当時の権力闘争は凄まじかったのだろう。俳優の俳は「人に非ず」と書く。以来数千年、人に非ざる者が芸能を磨き発展させてきた。僕は選出の基準をいつもこの言葉に置く。

 米を作れもせず、家を建てることも、道路も、花も作れず、歌って踊って舞台で泣き笑いに興ずる僕等が出来るのは唯ひとつ、人の心に花を咲かせることだけだ。僕は、「俳優」のエピソードをひとときも忘れないようにしている。したがって、センターでマイクを持って立てるのは、心に花を咲かせることの出来る者となる。ゲストの歌を除いて13曲もある。一人で何曲も歌える者がいるかもしれない。センター争いに敗れても脇で一所懸命に歌って踊るメンバーにも、どうか、あたたかいご声援をお願いします。では、稽古場に行って参ります。

目標をクリアする為の法則

2007年11月13日 | Weblog
 国立劇場の舞踊が終わり、他人の評価はどうあれ、僕の中で何かが決着しました。それは、目標をクリアする為の明確な法則を体感したことです。50歳を過ぎて気付いた僕が喜んでいるのだから、若いあなたならもっと役立つはずです。

 その一、信頼する方からやってみないかと声をかけられたことは、自分では自信がなくとも成功の確率は高い。信頼を裏切らない為に重ねる努力が思わぬ力を発揮する。

 そのニ、自分の目標は無謀過ぎないか、3人の理解者に問い、修正を恐れない。修正とはハードルを低くすることではない。目標までの時間を多くするのだ。ムダな時間と最悪は睡眠時間を削ることになるが、それに値する挑戦ならば悔いはないはずだ。

 その三、あなたの目標を無謀だと笑う人がいたら、その陰に必ず応援してくれる人がいる。月と太陽、光と陰、好きと嫌いは裏表にある。立ち向かうあなたにこそ、信頼は生まれる。

 ひとまず、3つほど並べてみました。まるで中学生のようだと笑わないで下さい。昨秋、藤間寿美穂師に国立劇場で舞ってみないかと声をかけて頂いた時、僕にとっては全てが無謀すぎる挑戦でした。先に上げた3つの法則は、昨日全て絵に書いたように体感したことです。30年来の友人が、役員会議を切り上げて来てくれました。劇団員が総力を尽くしてバックアップしてくれました。素晴らしき演劇仲間も皆かけつけてくれました。やむなく来れなかった方々からは素敵なお花、お手紙を戴きました。言い尽くせぬ御礼、信頼されることの喜びと誇りが、僕を強く奮い立たせるのです。