面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

歴史が伝えない歴史

2008年08月12日 | Weblog
 日本は緑の回廊であることを実感した。日本列島の尾根を貫く高速道路を東京から熊本まで一昼夜で走れば、この大地が、古代から延々と続く、日本人の知恵と汗が作り上げた豊かな森林であることが、言葉ではなく深い緑のメッセージとして心に響いてくる。今回の無謀とも思える夜行バスの旅は、心身の疲労を超える収穫があった。

 本州から海を渡って九州まで、緑は一度も絶えることがなかった。夏の鮮やかな色あいに、心は和んだ。15時、熊本交通センター着。高校時代からの友人Tが車で迎えに来てくれて、上通りの入り口にある懐かしい「岡田」で生クリームたっぷりのおいしい珈琲を飲んだ。会って早々仕事の厳しさを語り合いながら、僕の相変わらずの楽観主義に、相変わらずTが驚く。

 今は合併して宇城市と名前を変えた松橋経由でTに送ってもらう。94歳の父が首を伸ばして待つであろうふるさとの我が家はひとつ山の向こうにある。18歳で故郷を後にして42年が過ぎた。いくつもの廃墟が緑に覆われた過疎の村に、父は94歳の今を一人で生きている。少し耳が遠いだけで至極健康である。あそこが痛いここが痛いと病院に行けば、元気でいるのが不思議だと、医者も取り合ってはくれないらしい。長く生きるのは迷惑らしいと嘆いている父に、僕にとってはあなたが生きていることが励みなのだと慰める。

 18時、父のこしらえた田舎料理で親子の夕餉、飯のうまさにおかわりを重ねた。珍しく父が昔話を始めた。94年も生きた人間の個人的昔話に重要な歴史的事実が語られる。僕が記憶したとて、それは僕個人の歴史に組み込まれるだけだ。しかし、そのささやかな継承がやがては大河につながらないとは限らない。

 明日は、熊本の演劇状況のリサーチで幾人かと会う。ちょうど盆休みに入るので、あせらずアポイントをとるつもりだ。夜は市内のホテルで高校時代の友人たちと会食。福岡、佐賀からも集まるのでかなりの情報収集が出来そうだ。

 知らぬ間に叔父が亡くなっていたり、東京も熊本も不義理ばかりの人生である。せめて線香の一本なりとささげたい。

そろそろパソコンの電池も

2008年08月12日 | Weblog
 60分遅れで博多に到着。15時間経過、今、乗り継いだ熊本行きの高速バスの中で書いている。熊本の友人に電話をかけようと思ったら携帯電話の電池が切れていた。と、充電器を忘れたことに気づいた。きっとほかにも忘れ物があるのだろうが、こうして気づいたとき思い出すのだ。

 東京から西へ絶えることのない緑の中をバスは走り続けた。肉体的な疲労より精神的な充実感の方が勝っている。いまのところではあるが。そろそろパソコンの電池も切れかけている。では、また。

夏は続いている

2008年08月12日 | Weblog
 高速バスの中からブログをアップしようとチャレンジしているが、切断の連続。
深夜の高速バスは、中央道、山陽道と本州の尾根をひた走って関門海峡を渡り、九州に上陸した。昔の夜行バスとは比較にならない近未来の乗り物に感動した。横3席のゆったりしたリクライニングシート、就寝時間には添乗員が各席のカーテンを閉めに来て、まるで個室、目覚めには飲み物と軽食のサービスまである。なるほど満席なのも解かる。

 9時過ぎに岩国を通過したころブログを書いたのだが、簡単に切断されてしまった。二度目は九州に入ったころアップして切断、やはり電波状況は良くない。接続している今、ひとまずアップしてみましょう。