これまで何度か登場した「武蔵坊」。昨日遅い昼飯を食べようと、店に行くと、店長が私の顔を見るなり、「素晴しいものを紹介していただきました。ありがとうございます」と言う。
ところが忘れっぽい私は相手に気付かれぬように記憶の糸を手繰り寄せるが思い出せない。すると、それを察したか、店長は私の健忘症を気にする様子はなく、食べた五平餅がいかに素晴しかったかを語り始めた。そこで私は、以前店で郷里のある店の五平餅の味自慢をしたことを思い出した。
味自慢をするくらいなら、注文して送ってやればいいものを、私は言いっ放しで、しかも話したことすら忘れていた。
そんないい加減な客が紹介した食べ物を彼らはわざわざ岡崎から取り寄せたらしい。
店長は、ミソダレの美味しさをひとしきり褒めた後、あの串と言うか塗りつぶしたご飯を貼り付ける縦長の薄い板に使われた杉の香りとのハーモニーを「カルチュア・ショック」とまで言って絶賛した。
私は彼らの食に対する真摯な姿勢にほれ込んでいる客の1人だが、いつぞや「カルチュア・ショック」が彼らの手によって進化して武蔵坊のメニューに加えられることを楽しみにしている。
ところが忘れっぽい私は相手に気付かれぬように記憶の糸を手繰り寄せるが思い出せない。すると、それを察したか、店長は私の健忘症を気にする様子はなく、食べた五平餅がいかに素晴しかったかを語り始めた。そこで私は、以前店で郷里のある店の五平餅の味自慢をしたことを思い出した。
味自慢をするくらいなら、注文して送ってやればいいものを、私は言いっ放しで、しかも話したことすら忘れていた。
そんないい加減な客が紹介した食べ物を彼らはわざわざ岡崎から取り寄せたらしい。
店長は、ミソダレの美味しさをひとしきり褒めた後、あの串と言うか塗りつぶしたご飯を貼り付ける縦長の薄い板に使われた杉の香りとのハーモニーを「カルチュア・ショック」とまで言って絶賛した。
私は彼らの食に対する真摯な姿勢にほれ込んでいる客の1人だが、いつぞや「カルチュア・ショック」が彼らの手によって進化して武蔵坊のメニューに加えられることを楽しみにしている。