美術館にアートを贈る会 2017年度総会
11月に開催させていただいた総会のご報告をさせていただきます。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
日時:2017年11月18日(土)17:00〜18:00
会場:アートコートギャラリー
○第5弾寄贈プロジェクト 現状報告と予定
「児玉靖枝さんの作品を兵庫県立美術館に贈りましょう」
2015.7.26 作品選考会で児玉靖枝さんの作品「深韻-水の系譜(霧雨)五 」(2013)、
「深韻-水の系譜(霧雨)十二」(2013)、「landscape」(1999)を寄贈作品に決定。募金を開始。
2016.1.30 関連企画「ジョルジュ・モランディ鑑賞会」
2016.7.1〜10.31 Motion Galleryでクラウド・ファンディングを実施。
2017.3.末 募金予定金額を達成。作品を購入。
2018年春には正式に寄贈が決定予定。
「出原均氏より(兵庫県立美術館 学芸員)」
2017年5月に美術館に寄贈予定の3作品が搬入され、現在収蔵室で預かっている。2018年2月に収蔵品の審査委員会があり、そこで決定した後に事務手続きに入る。3月には正式に美術館に搬入したという形になる予定。
お披露目は7月あたり。収蔵品展の第2期があり、新収蔵品を紹介する常設展。そこで展示する予定。
現代美術を揃えていきたいと思っていたので嬉しいと思っている。
「第5弾寄贈作家・児玉靖枝さんからのメール」
「この度は、私の作品を兵庫県美にご贈呈していただくことになり、誠にありがとうございます。美術を慈しむ皆様の活動に敬服いたします。その志に背かぬよう私は創作に精進してまいります。今後とも何卒宜しくお願い致します」
○新規プロジェクトに向けてのリサーチプログラム
コレクションの意義や美術館と市民との関わりを考えるトークディスカッションをナレッジサロンで開催
第1回 2017年7月1日 「市民が支える美術館 日本とアメリカ」
蓑豊氏(兵庫県立美術館 館長)おかけんた氏(芸人/アートプランナー)
第2回 2017年9月2日 「美術館コレクションから考える関西の同時代作家について」
菅谷富夫氏(大阪新美術館 建設準備室 研究主任)楠本愛氏(国立国際美術館 研究補佐員)
第3回 2017年10月28日 「同時代作家との協働のカタチを探る」
加須屋明子氏(京都市立芸術大学 美術学部 教授)楠本愛氏(国立国際美術館 研究補佐員)
第4回 2018年2月10日 「同時代作家を間近に見ながら」
潮江宏三氏(京都市美術館 館長)清澤暁子氏(アートコーディネーター/アートエリアB1事務局)
各回のアンケートを踏まえながら次の寄贈プロジェクトを立ち上げたい。
○ 今後について意見交換
「佐野理事長より」
毎回新しい試みをしている。第4弾はコミッションワークを、第5弾はクラウド・ファンディングに挑戦した。
これからもあまり無理をしない程度に新しいアイデアを取り入れていきたい。
贈り手と受け手と作り手、三方良しという幸せな結果を迎える寄贈プロジェクトを続けていきたい。
「河﨑副理事長より」
まだまだこの活動が知られていない。もっとアピールしたい。寄贈するお金を出す出さない以前の、この活動の存在をもっと広めていく方がいいのではないか。活動内容をもっと知ってもらう工夫が必要。会の中でも情報共有して情報を蓄積していきたい。
「Iさん(参加者)より」
第一弾の藤本さんの作品のときに参加した。この作品いいな!と選ぶポイントはどういったところなのか考えてみた。藤本さんのときは作品がまずは素晴らしかった!そして共感したのは、いま活躍している作家の初期の作品は倉庫に入らないような巨大な作品があったりしていることがある。誰かがそれを拾い上げてちゃんと作品に光をあてる。それを私たちがきちんとそれを認識して美術館に納めさせてもらう、そこにすごく共感して参加したのが最初のときでした。社会的な意義が選定の基準になっていたような気がする。それを受け継いでいければいいなと思う。いま活躍している人でも今から活躍しそうな人との関わりは会として大事なことだと思う。
「Tさん(参加者)より」
初めて参加。今日参加したのはSNSで知って参加した。今月京都から大阪に引っ越してきた。絵画を日常に、no art, no lifeと思ってギャラリーをしている。一般の人に絵画を知っていただく、好きになっていただくという気持ちでギャラリーをしている。こちらの会は、美術館に作品を贈って長く保存してみてもらう、ということで、ある程度重なるところがあると思う。
美術館に行く前に、まずはギャラリーに来てほしい。ギャラリーツアーを知識のある方にやっていただきたい。
「佐野理事長より」
これまでご縁がいろいろあって、美術館とのご縁、作家とのご縁、購入するギャラリーとのご縁もあり、一貫しているのは、美術館と市民をつないで、アートを公共的な資産としてとらえ、上から目線ではなく、市民目線でとらえていくこと。
硬いことばかり言っても行動が伴わないので、いろんなご縁を活用させていただきやっていきたい。ギャラリーツアーも今後の検討材料にしたい。
講演会 19:00〜20:00
「アートミュージアムは暮らしフィールドの中にある」
喜多俊之氏(デザイナー・大阪芸術大学 教授)
*ご講演要旨もブログに掲載します。
懇親会 20:00〜21:00
ゲストを囲んで、秋らしいデザインのお料理とともに愉しい交流の場を持つことができました。