6月24日(金)。参議院選挙公示から1年。昨年のいまごろは「第一声」のために大山の事務所に向かっている時間だ。暑い夏だった。「不安定研究会」にお誘いいただいている岡田充さんが政局についてエッセイを書かれた。そこに不信任案をめぐる私のブログを引用してくれたのでここに紹介する。
お笑い芸人「ハト」
岡田充(共同通信客員論説委員)
「うそつき!」と言ったり、言われたりした経験は誰にもあろう。親が約束を破って遊園地行きをドタキャンした時など、半分すねながら口をついて出る。大人になるにつれ感情を抑える術が身につき、冗談半分ならともかく、本気で「うそつき!」と非難すれば人間関係が壊れる。「You liar!」という英語の台詞は「宣戦布告」と同じ重みがある。
大人だとなかなか使いにくいこの台詞を、前首相が現首相に投げつけた。「退陣を約束したから不信任案を否決してやったのに居座りかよ!」。ハトはよほど腹に据えかねたのだろう。「うそつき!」だけじゃなく「ペテン師まがい」とまでののしった。今年の「流行語大賞」の1位、2位をかっさらう勢い。この役者の「口撃」を、観客はどう受け止めたか。「やっぱ菅はうそつきだ」とうなずくか。それとも「早期退陣なんて言っていない」ととるかで大違いだ。菅を悪役に貶めることができるか、自分が「ボケのコメディアン」になるかの瀬戸際である。
そのポイントは、不信任案の上程直前に開かれた民主党代議士会での菅発言である。目をしょぼつかせながら登壇した彼は「(復興などに)一定のメドがついた段階で若い人に責任を引き継ぐ」と述べた。その直後、NHKが「首相が退陣表明」とテロップを流した。相前後して共同通信も退陣を速報、「朝日」「読売」などは号外を配った。主要メディアが、発言を「早期退陣」と受け取ったことを示している。
TVの生中継を見ていたが、退陣時期に触れず「メドがついたら」と言っただけである。「どこがニュースなの?」というのが正直な感想だった。ジャーナリストで民主党参院議員の有田芳生がブログでこの内幕を明かす。有田によれば、北澤俊美防衛相がこのミスリードの演出家だったという。北澤は代議士会の前に主要メディア記者に「退陣の腹を固めた」とリークした。有田は「菅首相が『次世代にバトンタッチしたい』と語ったと同時にNHKが速報を流す。これで『退陣』イメージが決定的にできあがった。『退陣』時期は曖昧なのに、『ただちに退陣』と国会議員にも受けとめられた」と書く。
メディアを利用した巧みな演出。有田説を信じれば、騙されたハトは「ボケのコメディアン」ということになる。ただ「うそつき!」についてはハトも偉そうに言えない。普天間基地問題で最後まで「腹案がある」「最低でも県外」と言い張っていたのが誰か忘れるところだった。ところで石原慎太郎による「究極の後出しジャンケン」で、都知事の夢を潰された松沢成文・前神奈川県知事が吉本興業入りした。石原にコケにされた松沢、菅に騙されたハトもこの際、吉本デビューしたらどうだろう。松沢とコンビを組んでボケまくれば売れることは間違いない。
(マレーシアの邦人向け月刊誌『Senyum』8月号)
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世間一般ではこの発言が退陣偽装などと批判しているが、私はもっと別の問題発言があったと考えている。
そのアト菅は「だから皆でここは不信任決議案を一致して否決して欲しい」と言ったと記憶している。
だから=辞めるから でしょう。
この文脈を考えれば民主党議員をペテンに掛けたのは明白である。
ゴネ得、ペテンがはびこる日本であってはならない。
①メルトスルーと言われる原発の真実の実態の公表と明確な対策。
②福島汚染地域の人々の移住先の決定とそのコミュニティの具体的計画。
③東京に一番近い原子炉である横須賀の核空母を排除する具体的運動の展開。
菅総理のあれこれよりも、原発事故の検証よりも、現在進行形の事態にどう対処するか、明確な方針を提起してください。