まずは阪神のシリウスS。勝ったのは、キズナ産駒の6歳牡馬ハギノアレグリアス。6番手追走で脚を溜めます。逃げたサンマルレジェンドの前半1000mのラップは1分2秒4と流れる展開に。直線に入るとまず、3番手からドゥラメンテ産駒アイコンテーラーが先頭に立ちます。それを追いかけて、ハギノアレグリアスが猛然と迫り、残り50mのところで交わします。そのまま1馬身1/4差で快勝。ダート良の勝ちタイムは2分4秒4。2着アイコンテーラーから3馬身1/2差の3着には、4番手からタートルボウル産駒ヴァンヤール。
勝ったハギノアレグリアスは、嬉しいJRA重賞初勝利。ダート2000mのタフなシリウスSを、58.5㎏のトップハンデで堂々と勝ち切りましたので、本番のチャンピオンズCが楽しみになってきました。キズナ産駒のダート路線は、ハピとハギノアレグリアスの2頭が牽引していきそう。2着のアイコンテーラーは、ダート転向後いきなりL競走を勝ち、今回は重賞2着ですから、適性の高いところを見せてくれました。まだまだダート重賞での活躍が期待できます。3着ヴァンヤールも、常に上位に食い込む安定度は抜群で、ここでも地力の高さを見せています。
そしてGⅠスプリンターズS。勝ったのは、クロフネ産駒の4歳牝馬ママコチャ。好スタートから3番手追走へ。逃げたジャスパークローネの前半3ハロンのラップは33秒3と、良馬場のスプリンターズSとしてはスローな流れに。直線に入ると、逃げ粘るジャスパークローネを交わして、ママコチャが馬場の中央から抜け出します。これを追いかけて、馬場の内側からはダークエンジェル産駒マッドクールが迫り、激しい叩き合いになりますが、ゴール前でママコチャがハナ差だけ前に出ていて勝利。良の勝ちタイムは1分8秒0。2着マッドクールから1馬身差の3着には、7番手から外を差してきたミッキーアイル産駒ナムラクレア、1馬身差の4着には逃げたジャスパークローネ、ハナ差の5着にはメイケイエール。
勝ったママコチャは、重賞初勝利をGⅠで飾りました。御存知、ソダシの全妹であり、GⅠレースをハナ差で勝ち切るあたりも姉譲りの勝負強さと言えます。気性的には、マイルよりも1200~1400mが合っていて、今後はこのカテゴリーで活躍が続くと思います。
悔しかったのは、2着のマッドクールと坂井瑠星騎手。それでも、本格化したことを証明しましたので、暮れの香港や来年の高松宮記念で、この悔しさを晴らしてくれる気がいたします。1番人気で3着に敗れたナムラクレアは、位置取りが少し後ろ過ぎました。1着馬2着馬との差は位置取りの差であり、力は互角だったと思います。