第88回 日本ダービー。勝ったのは、ディープインパクト産駒シャフリヤール。予想通り、スタートから⑰バスラットレオンが先頭に立って逃げる。しかし、想定よりもペースが遅く、1000m過ぎからルメール騎手の2番人気⑯サトノレイナスが動きます。ラスト800m手前あたりで、レイデオロの時と同じく先頭に立ち、そのまま直線へ。1番人気の①エフフォーリアは、内埒あたりでジッと我慢をしながら、直線に入ったところで外へ持ち出し、サトノレイナスの横へ並びます。ここで、この2頭の差し脚勝負の展開となって、エフフォーリアが抜け出します。
しかし、ここで外から内に刺さるように抜けてきたのが、⑩シャフリヤール。残り300mのところから仕掛け始めて、先頭をいく①エフフォーリアとの叩き合いになって、最後はハナ差だけ前に出ていました。
ところで勝ったシャフリヤールは、4コーナー手前まではエフフォーリアのすぐ後ろでマーク。しかし、4コーナーで外へ出そうとしたが前が開かず、もう一度内を突いたので、仕掛けるタイミングが遅れました。しかし、この仕掛けるタイミングの遅れが、ゴール前でのハナ差に繋がりました。1着2着の上り600mのタイムは同じ33秒4。しかし、残り300mはシャフリヤールの方が脚が溜まっており、より鋭く切れたということ。また、サトノレイナスが早めに先頭に立ったことが、エフフォーリアの仕掛けを早めたとも言えます。ルメールが早く動いたことと、福永祐一が一度外に出そうとしたことが組み合わさって、このハナ差が生まれる原因になりました。
負けたエフフォーリアの横山武史騎手にミスらしいミスはなく、運としか言えません。それこそ競馬の神様が「もう少し苦労を重ねてから‥」と考えたくらいしか、負けた理由は見つかりません。一方の福永祐一騎手は、エイシンチャンプ以来の苦労を、ここで一気に返してもらった感じ。ちなみに、勝利インタビューの時の「おじいちゃん、勝ったよ。元気になってね」は泣かせるシーンでした。祐一君、あまり泣かせるものではありませんよ!
最後に一言。④レッドジェネシスに騎乗した横山典弘騎手へ。スタートから、どう見ても「無気力騎乗」に見えてしまいました。依頼した友道調教師も同じ想いではないでしょうか。④番枠から、①番枠の横山武史騎手の邪魔になるような騎乗を避け、後ろに下げたと見えたのは私だけでしょうか。
横山典弘騎手の騎乗技術には文句をつけるつもりはありませんが、私の目からは、とてもプロの騎手に相応しい騎乗には見えませんでした。最後の直線では最内をよく追い込んできたように見えましたが、武史騎手のエフフォーリアには全く影響がない走路であり、しかも騎乗している典弘騎手は、馬を追いながら、ずっと外にいる武史騎手ばかりを見ておりました。非常に残念な騎乗に見えてなりません。
そして目黒記念。勝ったのは、ゴールドシップ産駒ウインキートス。見事な逃げ切り勝ち、丹内騎手のファインプレーでした。先週のユーバーレーベンに続いて、岡田繁幸さんが天国で喜んでいると思います。