ディープインパクトが亡くなりました。頸部の手術の後、頚椎骨折が見つかり安楽死とのこと。17歳の若さでした。
社台SSの徳武氏からは「何とか種付けを復活させたいと、積極的な治療をしてきましたが‥」との発言があったので、リスクを覚悟で手術を選択したことが推測できます。「こんなことになるのなら、静かに余生を送らせてあげたかった」と関係者は感じているでしょうが、ディープが世界的な種牡馬へ飛躍するか否かという状況だっただけに、この判断を責めることはできないと思います。
最後は、「観念したかのように、痛みを通り越して静かにしていた」とのこと。現役時代から全力で走り続けてきたディープには、「お疲れ様でした。静かに、安心して、お休み下さい」と申し上げたいと思います。ご冥福をお祈りいたします。
ところで、ディープインパクトは近代競馬の申し子であり、現存する世界の種牡馬の中で、最も経済的価値が高い馬でした。何よりも、私がこの目で見てきた競走馬の中で、史上最強だったと確信させてくれる歴史的名馬でありました。
ディープの子供たちは、父が果たせなかった海外でのGⅠ制覇に挑み、ジェンティルドンナがドバイ・シーマクラシック、エイシンヒカリが香港カップやイスパーン賞、リアルスティールがドバイターフなどを勝ちましたが、まだ凱旋門賞の勝利がありません。今年は、ロジャーバローズとフィエールマンが挑みますが、何とか亡父に捧げる素晴らしいレースを期待したいと思います。
ディープ、本当にありがとう。君のおかげで、人生を豊かにしてくれる、瑞々しい果実のような楽しみを頂きました。天国で、子供たちの活躍を見守っていて下さい。