4月28日(日)に香港シャティン競馬場で行われた香港チャンピオンズデーGⅠ3レースを振り返ります。香港シャティンには珍しく、シトシト雨に降られ続けた1週間であったため、稍重~重の馬場コンディション。これが波乱を生むこととなりました。
まずは、チェアマンズスプリントプライズ(GⅠ:芝1200m)。勝ったのは、地元香港の4歳騙馬インビンシブルセージ。好スタートから4番手追走へ。逃げたビクターザウィナーの前半3ハロンのラップは34秒前後と重い馬場としてはハイペースの流れに。直線に入ると、ビクターザウィナーと地元香港の1番人気カリフォルニアスパングルの激しい競り合いとなりますが、その外からインビンシブルセージが鮮やかに差し切って1馬身1/2差で快勝。稍重の勝ちタイムは1分9秒33。2着にはカリフォルニアスパンクル、2馬身1/4差の3着には、最後方から追い込んできた地元香港の5歳騙馬ムゲン。
勝ったインビシブルセージは初のGⅠ制覇。スプリント王のカリフォルニアスパンクルと、その後継者と目されたビクターザウィナーの2頭を下してチャンピオンホースとなりました。まだ4歳ですので今後も楽しみ。
2着の王者カリフォルニアスパンクルは、重い馬場もあって今回は完敗。良馬場での巻き返しを図りたいところでしょう。3着ムゲンの快走にはビックリ。おそらく重い馬場への適性が高いのだと思います。
次は、チャンピオンズマイル(GⅠ:芝1600m)。勝ったのは、地元香港の5歳騙馬ビューティーエターナル。好スタートからマイペースの逃げへ。前半3ハロンのラップは36秒台と超スローな流れに。直線に入るとスピードを加速、後続を突き放して1馬身1/2差をつけて快勝。稍重の勝ちタイムは1分34秒52。2着には2番手から香港の5歳騙馬レッドライオン、1馬身3/4差の3着には3番手から香港の5歳騙馬ヴォイッジバブル、さらに3馬身1/4差の4着には4番手からゴールデンシックスティ。
勝ったビューティーエターナルは、絶対王者ゴールデンシックスティを破ってチャンピオンに。スローの瞬発力勝負なりましたが、重い馬場のお陰で、1着~4着まで先行した順番通りにゴール板を通過。重い馬場に助けられたとはいえ、大きな勲章を手に入れました。
4着に敗れた王者ゴールデンシックスティは引退レースを勝利で飾れませんでしたが、雄姿を魅せながらの引退競馬。本当にご苦労様でありました。
そして、クイーンエリザベス2世カップ(GⅠ:芝2000m)。勝ったのは、地元香港の英雄、6歳騙馬のロマンチックウォリアー。5番手追走で脚を溜めます。逃げた日本の6歳牡馬ノースブリッジの前半1000mのラップは59秒前後で流れる展開になりました。直線に入ると、逃げ粘るノースブリッジの横目に、最後方からマクリ気味に上がってきた日本の6歳牡馬プログノーシスが先頭に立ちます。しかし、すぐ外からロマンチックウォリアーが並びかけて激しい競り合いに。ロマンチックウォリアーがクビ差だけ前に出たところがゴール。稍重の勝ちタイムは2分1秒01。2着プログノーシスから2馬身1/2差の3着にはノースブリッジ。
勝ったロマンチックウォリアーは、僅差ながら激しい競り合いを制して貫禄の勝利。これで6月2日の安田記念への参戦が固まったと思います。ホームゲームでは日本馬を倒し続けましたが、アウェイの安田記念ではどうなるでしょうか。
2着のプログノーシスは、結果的には痛恨の出遅れが敗因。それでも絶対王者にクビ差の敗戦ですから、好位か中団待機で競馬が出来ていれば完勝だったと思います。またこんなことならば、大阪杯に出ていれば大楽勝だったでしょう。つくづく運がないと思います。このあとは宝塚記念でも面白いと思います。最近はひっかかる癖が直ったこと、また重馬場が得意なことを合わせると十分に勝負になると思います。それにしても惜しかった。