金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【金融】G20が無事終了 成果ゼロと報じられてはいるが・・

2019-06-30 08:33:38 | 金融マーケット

 大阪のG20が終わりました。関係者の皆さま、大変お疲れ様でした。また、大阪周辺にお住いの皆さん、不便が多くてお困りだったと思います。こちらもご苦労さまでした。報道関係の皆さんも秒刻みのスケジュールの中を、「取材漏れ」がないように、目まぐるしく走り回る2日間だったと思います。

 ところで、中身は?と言えば、多くの新聞が「成果ゼロ」と報じたように、確かに「前進したテーマ」はほぼゼロでしたので、「会議は踊る、されど進まず」の典型だったのだと思います。一方で、トランプさんが好き勝手に暴れまくっている状況下で、それでもトランプと習近平、トランプとプーチンの会談が成立していますし、少なくとも安倍首相の顔は潰さないという各国の姿勢が局所に出ていた会議だったと思います。だいたい、アメリカの大統領が、好きなだけ各国のトップに殴りかかるような言動を繰り返している状況下で、安倍首相以外にG20のホストを務められる人はいなかったと思います。

 ちなみに興味深かったのが、会議で出されたワイン。河内産ワインが出されるのは予想がつきましたが、大阪府柏原市のカモシタワインのスパークリングが出され、しかも大変好評だったとのこと。これはぜひ飲んでみたいと思ったのですが、残念ながらすでに瞬間蒸発状態。

 最後に、全国から集められた警察関係の皆さん、本当にご苦労様でした。無事に会議が終了した最大の功労者は皆様だと思います。来年のオリンピックでも宜しくお願い致します。

 

 


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【競馬】やっぱり、アーモンドアイの世界制覇が観たい!

2019-06-29 07:56:28 | 競馬

 角居厩舎のキセキが凱旋門賞に挑戦するようです。同じ厩舎のダービー馬、ロジャーバローズがすでに参戦を決めていますので、角居調教師とすれば凱旋門賞への「2頭出し」となります。

 過去の海外遠征で素晴らしい実績を挙げている角居調教師だけに、ファンとしては大変楽しみな訳ですが、キセキにしてもロジャーバロースにしても、逃げるか番手の競馬を狙うと思いますので、同タイプを送り出すことになります。作戦が立てやすいのか、また欧州の陣営に邪魔されやすいのか、ちょっと判断しづらいですが、こうなると、現役最強で追込み馬であるアーモンドアイが再度参加を表明してくれれば‥と考えるのは私だけでしょうか?

 先行馬2頭でペースを作り、そのまま押し切る競馬を実現しても良し。もし前を潰す展開を仕掛けられれば、中段あるいは後方からアーモンドアイが差し切る形も良し。どちらにしても、日本馬による初制覇が近づいてきます。

 過去の凱旋門賞を振り返れば、オブライアン厩舎の連携プレーに代表されるように、複数の馬達でレースをどう支配するかが勝敗の分かれ目になっています。ディープの時も、最大のライバル2頭を競り落とした後で、後方からダークホースに差されるという展開でした。今思えば、あれは欧州勢による連携だったとも考えられます。

 実質的なオーナーである吉田勝己さん、もう一度考え直して頂けないでしょうか? それとも、アーモンドアイには、海外遠征をさせたくない何か別の理由があるのでしょうか? (ドバイのレース後に、本当は何があったのでしょうかね?)


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【金融】久々に、胆の据わった論説 上杉素直氏

2019-06-28 07:33:38 | 金融マーケット

 昨日の日経新聞朝刊に「未来に背を向けた金融庁」という論説が掲載されていました。書いたのは日経新聞社 コメンテーターの上杉素直氏で、久しぶりに胆の据わった論説を読みことができました。

 詳細はぜひ本文をお読みいただくとして、先般の2000万円年金問題の報告書をめぐる、官邸と金融庁との関係をはじめ、金融当局に厳しい叱咤を浴びせる内容でした。上杉氏は、2019年3月に経済部の玉木氏との共著「金融庁2.0」を出版したばかりであり、金融庁が推し進める各種改革を全力で応援する立場だっただけに、今回の騒動が余計悔しく思えたのでしょう。自分も、この論説には共感するところ大、です。

 日本のマスコミには、まだまだこうした兵がいらっしゃることが分かり、大変心強い限りです。とか言っていると、自分の所属する会社・業界にも厳しい辛口コメントを頂くことが多いので、その点はぜひお手柔らかにお願い致します。


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【金融】日本企業のガバナンス問題と、機関投資家の責任

2019-06-27 06:54:03 | 金融マーケット

 日本企業のガバナンスのテーマは、成長を追いかけることと不祥事を撲滅すること、この相反するエネルギーの適正バランスを保つことにありますが、これを実現するのは機関投資家がブレずに責任を果たす必要があります。

 機関投資家とは、企業年金の基金や公的年金の基金、あるいは投資運用会社、生命保険会社、銀行などの金融機関等を指します。彼らの果たすべき責任をまとめたものがスチュワードシップコードに他なりませんが、公的年金や投資顧問会社は、ここ数年の変革の中で、スチュワードシップ責任を果たすべき存在として、その覚悟と運営体制を固めつつあります。日本を変えよう、世界を変えようという意気込みが伝わってくる運用会社も出現し始めています。

 しかし、依然として旧態のまま、過去のスタイルを変えようとしない存在も残っています。生命保険会社や銀行がプロパーとして保有している政策投資株式です。生命保険会社からすれば、顧客から預かった保険料を負債とする資金で買っている株式ですし、銀行も顧客から預かっている預金を負債にしていますから、「プロパー財産」などと表するのは適当ではないと思いますが、彼らは、こうした株式を購入することで効率の良い業績をあげて保険加入顧客や預金顧客へ利益を還元するのが目的だと主張、これらの株式については「会社提案賛成」「株主提案反対」という方針を貫いています。

 その実態は、株式を保有することで、株式発行会社に対して優位な立場を作り、その地位を活用して金融取引を強要する目的に他なりません。本来こうした行為は違法でありますが、発行会社側も買収防衛の意味があり、その実態を公に認めることがないため、放置されているのが現状。事実、最大手の生命保険会社にとっては、株式保有によるパワーセールスこそが、法人取引のビジネスモデルの中核であるため、この議決権行使の内容の開示を、頑として拒否し続けていました。金融当局の指導や世論の動きもあって、ようやく今年から開示するようですが、どの程度の開示レベルかはまだ不明です。

 次のターゲットは、メガバンクをはじめ銀行の政策投資株式でしょう。この議決権行使内容の開示も時間の問題だと考えています。


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【金融】株主総会の季節 企業のガバナンスの課題とは?

2019-06-26 07:11:24 | 金融マーケット

 株主総会が真っ盛りのシーズンです。N証券やリク××など、ガバナンス体制についての株主総会での判断が大きく報じられています。日本企業にとってのガバナンスの課題を、あらためて振り返ってみましょう。

 ここ30年の株価を見れば、日本企業の最大の課題は「成長力」であることは自明です。同じ時期のSP500が10倍以上に値上がりしているに対して、日経平均株価は▲30%と下落したままです。したがって、市場平均を下回る業績(ROE基準)を3~5年も続けている経営者には「退場宣告」を突き付ける議決権行使が一般化しつつあります。

 一方で、絶望的な状況から成長の源泉をみつけて、企業を再生していくことは難しく、これを実現するためには、少し暴力的なリーダシップを要する場合も珍しくありません。そして、このような強列なリーダーシップは一時的にマスコミの寵児となり持てはやされますが、こうした強権体制が長く続いていくと、かなりの確度で不祥事の温床になることも我々は学んできました。静岡の老舗地方銀行、都内の某信用金庫、さらにはN自動車の例を挙げるまでもありません。

 さて、成長力を激しく徹底的に競い合うには、戦国時代の武将のように、下克上は当たり前、裏切りや節操のない行動を是認する世界を前提にしないといけません。一方で、不祥事を撲滅していくためには、江戸時代の武家組織のように、個人の欲や、義に反することを否定し、確固たる秩序を前面に押し出していかねばなりません。相反するエネルギーを同時に制御しようとしているのが、現在のガバナンス議論であります。

 要諦は「バランス」にあるのですが、勢いが足りないと戦国時代へ、また不祥事が続くと江戸時代へ、舵を大きく左右に振っているのが日本の現実。現在行われている株主総会での議論を見るにつけ、世論が求める方向性は毎年大きく揺らいでいることが分かります。難しいテーマですが、デモクラシーの発展にはノブレスオブリュージュの存在が不可欠だったように、企業ガバナンスのノブレスオブリュージュとして、機関投資家の果たすべき責任は大きく、そして待ったなしの状況と言えると思います。(続く)


 

 


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