今日お見舞いに行ってきた。
以前5年ほど、仕事場で将棋を指した間柄。
15日前に電話をいただいたが、私の仕事が忙しくなかなかいけなかったがやっと暇がとれた。
大腸ガンである。
それも再入院。本人も自覚している。
怖くはないと言う。とても落ち着いている。見事である。
見舞い品とともにそっと将棋盤と駒を忍ばせた。考える気力、将棋をしたい意欲もなくなったと言う。15日前はその気があったから私に電話したのだと言った。
ただ、死を待つだけの状態。
痩せている。目がギョロとしている。鼻の高さが妙に印象的。
63歳。
ストレスによると言う。
社会の末端を歩く人間は、常にストレスとの戦い。
次第に将棋をしたい気分になってきたようだ。
やろうと言い出した。私との将棋、これが最後だからといいつつ、三番もこなしてしまった。
フッと車に戻ってカメラを持ってくる、最後の写真、最後のビデオ。
出会いが走馬灯のように駆け巡る。
そしてどちらともなく、軽い笑顔で別れの握手。今までそんなことは一度もなかった。
不思議だ、私も握手をしたくなった。彼も握手をしたくなった。思いがそこで全く同じだった。抱きしめてあげたいような気分でもあった。さすがにそこまでは出来なかった。
別れは大概は言葉でしかなかったのに・・・・
無への送り出しの握手であった。何思うのだろう。
いってらっしゃい との言葉しか思いあたらない。
疲れるからと 自重を促しても「将棋で死んでも悔いはない」と言ってくれた。万感の思いなのかも知れない。実は幼少期彼はプロを目指していたのだ。そして4段
私は自称二段。彼には勝てなかった。でもこの日は2勝一敗。最後の敗戦はお土産である。
じゃ、今度はあの世で指そうよ。喉まで出掛かった言葉を飲み込んだ。
以前5年ほど、仕事場で将棋を指した間柄。
15日前に電話をいただいたが、私の仕事が忙しくなかなかいけなかったがやっと暇がとれた。
大腸ガンである。
それも再入院。本人も自覚している。
怖くはないと言う。とても落ち着いている。見事である。
見舞い品とともにそっと将棋盤と駒を忍ばせた。考える気力、将棋をしたい意欲もなくなったと言う。15日前はその気があったから私に電話したのだと言った。
ただ、死を待つだけの状態。
痩せている。目がギョロとしている。鼻の高さが妙に印象的。
63歳。
ストレスによると言う。
社会の末端を歩く人間は、常にストレスとの戦い。
次第に将棋をしたい気分になってきたようだ。
やろうと言い出した。私との将棋、これが最後だからといいつつ、三番もこなしてしまった。
フッと車に戻ってカメラを持ってくる、最後の写真、最後のビデオ。
出会いが走馬灯のように駆け巡る。
そしてどちらともなく、軽い笑顔で別れの握手。今までそんなことは一度もなかった。
不思議だ、私も握手をしたくなった。彼も握手をしたくなった。思いがそこで全く同じだった。抱きしめてあげたいような気分でもあった。さすがにそこまでは出来なかった。
別れは大概は言葉でしかなかったのに・・・・
無への送り出しの握手であった。何思うのだろう。
いってらっしゃい との言葉しか思いあたらない。
疲れるからと 自重を促しても「将棋で死んでも悔いはない」と言ってくれた。万感の思いなのかも知れない。実は幼少期彼はプロを目指していたのだ。そして4段
私は自称二段。彼には勝てなかった。でもこの日は2勝一敗。最後の敗戦はお土産である。
じゃ、今度はあの世で指そうよ。喉まで出掛かった言葉を飲み込んだ。