2010年のまとめ。第4弾。昨日までは絵本ばかりでしたけど、今日はぐっと大人向け。復讐or破滅あるいは両方をテーマにした本を集めました。って3冊だけですが。破滅していく人間って、何か一つの事に執着しすぎ・・・。
全部古典でゴメンね。古典好きというより、単に昔好き。難易度順。
The Picture of Dorian Gray: Elementary Level (Macmillan Readers) | |
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これは復讐じゃなくて、破滅のほう。ストーリーが面白いので、語数の少ないGRでも楽しめると思います。でもちょっと疑問がいくつかあったので翻訳版『ドリアングレイの肖像』を読んでみました。GRを読んだとき、Dorianってば頭がすっからかんなのかな?って思ったのですが、翻訳版を読んだら、まあ、そうでもないみたい。GRなので極限まで文章がシンプルになっていてあまり詳しくはないのでそういう印象になったのかも。実はHarryも人を魅了する人物。物憂げな声、音楽のような手ぶり、自信ありげに口から出る言葉は哲学的で逆説的。Dorianいわく、Harryは「逆説の王子」。信用し難い人間だと思うのですが、言葉の魔力なのか、カリスマ性なのか・・・。とにかくHarryにとってDorianは格好の実験材料だったようです。しかし、Harryが意図した以上にDorianは彼の思想にのめり込み、堕ちていくのです。結構深い内容です。6/13の過去記事はこちら
A Study in ScarletはSherlock Homesシリーズ第一作目。殺人の動機が復讐というのはありがちかなと思いますが、意外なところへ繋がっています。。Conan Doyleの小説は学生のころだったか日本語で短編集を読んだ気がするのですが、内容をいまいち覚えておらず。何を読んでも新鮮かも。でもやはりなんといってもSherlock Homesのキャラクターが魅力ですね。CDつきのGRなんですが、私のSherlock Homesのイメージにピッタリな感じの朗読でした。8/4の過去記事はこちら
Emily BronteのWutheing Heights。壮絶な復讐劇。狭い世界で激しい愛と憎しみが渦巻きます。こちらも翻訳版『嵐が丘』を読んでみました。でも口汚くののしったり、恨み節や憎まれ口ばかりのような気がして途中げんなり・・・。登場人物の何人かは人格が崩壊している感じで、まともな人の発言を聞くとホッとします。周到な復讐を何十年も続ける悪魔のようなHeathcliffがCatherineのみを激しく愛し続けるという純粋な面を持ち合わせているのはなんだか不思議。人間ってそんなものか・・・一面的な人間っていないものね。でもよくよく考えてみると、どちらの面もかなりしつこい。9/10の過去記事はこちら