ヘコまされた被害者&その家族を盛り上げる委員会弁護士の日記

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貞観津波(869年)のこと

2014年09月16日 21時26分17秒 | 相続
 最近,寝ても覚めても,と言うとチョッと大げさですが,貞観津波のことを考えています。
 その理由はともかく,河北新報によると『東日本大震災の津波で死亡した宮城県山元町東保育所の園児2人の遺族が町に計約8800万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審は(9月)12日、仙台高裁で結審した。高裁は和解を勧告し、判決期日を指定せずに和解協議を続ける意向を示した。
 遺族側は控訴審で「乳幼児を預かる町は高度の安全配慮が求められており、情報収集を尽くせば津波を予見できた」と指摘、津波の予見可能性を否定した仙台地裁判決の誤りを主張した。
 町側は「たとえ収集可能な情報を入手したとしても保育所まで津波が到達することは予見できなかった」と反論した。
 地裁は3月、「想定を超える高さの津波が町に到達することは予見できたが、町は海岸線から1.5キロ内陸の保育所に津波が来ることまでは予見できなかった」と判断、遺族の請求を棄却した』そうです。
 この事件で,原告(控訴人)らは,控訴審に入ってから,貞観津波の最新の知見を裁判所に提出したそうです。そうすると,高等裁判所は,控訴棄却(控訴人の負け)の判決を下さずに,和解を勧告したのです。つまり,町の法的責任を否定することはできないと考えたのです。
 その意味で,今から,1000年以上前に起きた貞観津波は使えるのです。
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