ヘコまされた被害者&その家族を盛り上げる委員会弁護士の日記

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岡本真寿美さんの場合~犯罪被害者の実情

2014年02月26日 11時48分37秒 | 相続
毎日新聞によると
 『犯罪被害の後遺症で生活保護を受けている女性が昨年、被害に関する講演の謝礼は「就労収入」に当たると指摘され、保護費の返還を求められていたことが分かった。女性は全身の皮膚の9割にやけどを負い、事件から20年たったいまも働くことができない。地元の福祉事務所はその後収入認定を取り消したが、厚生労働省は就労収入との見解を崩していない。支援団体のメンバーは「犯罪被害者に特化した制度がないから、こうした問題が起きる」と持続的な補償制度の創設を訴える。【小泉大士】
 女性は長崎県在住の岡本真寿美さん(42)。1994年2月、当時の同僚女性との交際を邪魔していると邪推した加害者からガソリンをかけられて火を付けられ、全身やけどの重傷を負った。
 国から犯罪被害者給付金として約500万円が支給されたが、「後遺障害2級」と認定され、現在も治療を続けながら、月約8万円の生活保護と障害年金で暮らしている。
 岡本さんは犯罪被害についての理解を深めてもらおうと数年前から年に数回、学校や刑務所などで体験を語ってきた。その大半は公益社団法人「長崎犯罪被害者支援センター」(長崎市)を通じての依頼だった。
 ところが昨夏、地元の福祉事務所から、センターなどから支払われる講演料や交通費は「収入」に当たると指摘された。講演料は1回数千円。岡本さんの支援を続ける「全国犯罪被害者の会(あすの会)」の松村恒夫代表幹事が9月、厚労省に確認したところ、交通費は「必要経費」で除外されるが、講演料は「収入」とみなされると説明があったという。
 福祉事務所の担当者は昨年11月になって収入認定を見直した。あすの会からの問い合わせに対し「本人とも話し合った結果、社会貢献として講演を行っており、慈善的性質を有すると判断した。収入として認定せず返金は求めない」と説明したという。
 しかし、厚労省保護課の担当者は毎日新聞の取材に「講演の対価であれば就労収入と認定せざるを得ない」と説明。今回の福祉事務所の判断については「収入の性質を検討した結果、講演料ではなく慈善的な性質の恵与(けいよ)金と判断したのだろう」との解釈を示した。
 岡本さんは「撤回されたとはいえ非常に心外。被害について話すのが仕事と言われるのは納得できない」と憤る。
 ◇「死んだ方がどんなに楽か」 かさむ医療費重荷に
 「死んだ方がどんなに楽か」。何度そう思ったかしれないと岡本さんは振り返る。結婚し、家庭を築こうというその直前の出来事だった。
 あの日から20年になる。
 ◇  ◇
 1994年2月16日。岡本さんは4リットルのガソリンをかけられ、ライターで火を付けられた。加害者は同僚の女性に交際を求めていた男。交際を邪魔していると邪推した末の逆恨みだった。岡本さんは全身の皮膚の90%が焼ける瀕死(ひんし)の重傷を負った。
 意識が戻っても、目を開けることも話をすることもできない。人の声や足音だけが唯一の望みだった。父親と兄が何も言わず皮膚提供の手術を受けていたことを後で看護師から聞かされた。
 全身の感覚が徐々に戻ると本格的な苦しみがやってきた。痛みとかゆさで眠れない。バリカンで髪をそり、頭皮も移植した。
 岡本さんの家族を追い詰めたのは、かさむ医療費だった。病院を持つ自治体は相談を持ちかけた両親に「加害者が払うべきだ」とにべもなかった。法律扶助協会は「加害者が払う見込みがないなら泣き寝入りしかない」と言った。父親が顔を真っ赤にして自治体の担当者に抗議し、病室に住民登録する形で生活保護が認められた。入院から2カ月が過ぎていた。
 退院して実家に戻ると地元の自治体は保護を打ち切った。保護を受けなければ医療費は無料にならない。2カ月後。隣町に住んでいた祖母の家に間借りすることで同町が保護を認めてくれたが、保護を受けられなかった計4カ月分の医療費約465万円の請求は何年も続いた。
 「他の病院へ行ってくれれば良かったのに」。病院の医事課職員は自宅まで来て嫌みを言った。病院への交通費や生活費は父親が消費者金融などから借金をして工面した。犯罪被害者給付金の約500万円は返済にすぐ消えた。
 祖母が亡くなったことで地元に戻った約3年後。公営住宅での1人暮らしを条件に、ようやく保護を受けられるようになると、違う問題が生じた。
 岡本さんは事件で毛穴が死滅して発汗作用を失った。夏場は特に体内に熱がこもる。生命に関わる危険があるのに、エアコンは「ぜいたく品」だと、体調を崩して病院に駆け込むまで使用が認められなかった。
 企業の面接を受けたこともある。しかし大やけどの痕を隠せる服装やエアコンを条件に挙げると、事件のことを説明せざるを得なくて遠ざかった。フラッシュバックの症状もあり、カウンセリングの受診も欠かせない。職に就けば保護が打ち切られ、リハビリなどの費用を請求されることに、どうしても納得できない。
 ◇  ◇
 <一生かけて償います>。刑が確定する前の手紙で書いた加害者は、現在まで何の弁償もしていない。「後遺症は一生つきまとうのに、どこに相談しても前例がないとか予算がないとか。そういう言葉にはうんざり。苦しみ続けている人間がいることを分かってほしい」
 岡本さんの体にはもう移植できる皮膚がなく、移植後の縮んだ皮膚を伸ばす機能再生手術を受けることしかできない。
 その数は昨年5月で28回になった。』とのことです。
 
  この記事からもわかるように,犯罪被害者は,被害を受けたあとも何度も何度も繰り返し酷い目に遭うのです。だから,みんなで助けてあげないといけないのです。みんなで国を作った意味は,まさに,こういう場合のためにあるのです。
 最近,国家を強調する風潮がありますが,それ自体はよいとして,一人一人の国民を救えないなら,国家なんて要らないのです。

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4 コメント

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あまりにも酷すぎる (ゆず)
2014-02-26 17:11:03
ネットのニュースを読んでして、岡本真寿美さんの事件を
知りました。
事件の概要も読ませてもらいました。
昔、報道ステーションでの報道もあったことも
思い出しました。
その時は、私も、あまり事件を知らず、月日が過ぎ
今、改めて、事件の概要を拝見し、とても恐ろしい目に遭い
10年以上も、心身ともに苦しんでこられたお気持ち、
お察しします。
私も、思いますが、役所の対応からして、今の世の中は
、まだまだ人間の感覚が変だと思うことが多々あります。
何もしてないのに、岡本さんの様な被害を受けた人たち、
ほかにも沢山ありますが、悪いことをした者がノウノウと生きて、被害者はお金の問題も含め、つらいい思いをしないとおいけない世の中が変なんです。
本当なら、色々と支援したいですが、そうも出来ないので、
一日も早く、被害者が悲しい思いをしなくて済む世の中になるように、出来ることはしようと思います。
今、加害者の人は、会社を立ち上げていると書かれてましたが、あなたの人生を奪った罪は、必ず天罰として下ると思います。絶対に、負けないでください。
返信する
酷いですね! (聴きました)
2014-02-26 18:53:23
犯罪被害者の医療費は国が負担すべきですよね?って何処に言えばいいんでしょう?
返信する
何か変だぞ (通りすがり)
2016-10-16 18:53:34
国の補償も大事だけどさあ…
加害者に支払い能力あるんなら
損害賠償しろよ、地の果てまで追いかけてでも
取り立てろよ!
月給から毎月自動引き落としで
被害者に振り込まれるようにできないの?
読んでてムカムカしました。
つかこんな凶悪犯にも結婚してくれる相手が
現れたり、起業するのに融資してくれたり、
社会的信頼を与える人がいるのか…
何か世の中おかしいです。
この加害者、弁護士に任せてあるからと、
逃げ回ってるとか。何よこれ…
返信する
Unknown (はな)
2023-09-10 04:54:43
本当におかしな話です。
加害者の全財産没収を国がして、被害者に支払うくらいして欲しいし、29年苦しんでいるのに、たったの懲役6年。
生活保護だって、不正取得してる人がいるのに、そっちの認定を取り消してほしい。ブランド物で着飾って、空いてるからって時間外に病院来て、好き放題言ってる人がいるのに、本当に必要な人にひどい扱い。
認定決めてる人って、何を見てるのか。
今の日本の夏はエアコンはあって当たり前の必需品だし、数千円の謝礼を収入って、ふざけるな。
私らは犯人を助けて養うために税金を払ってるんじゃない。
被害者のために使って欲しい。
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