毎日新聞によると東京電力福島第1原発事故を巡って業務上過失致死傷容疑で告発され,東京地検が2度にわたり不起訴とした東京電力の勝俣恒久さん,武藤栄さん,武黒一郎さんの旧経営陣3人について、東京第5検察審査会が起訴すべきだとする「起訴議決」をしたことが分かったそうです。この3人は今後,裁判所が検察官役として指定する弁護士によって強制起訴され,その刑事責任の有無が法廷で争われることとなったそうです。
今回の争点(当事者間で争いのある点)は,(1)政府の地震研究機関の予測に基づき、東電が2008年に津波水位が最大15.7メートルになるとの試算を出したことから、巨大津波の来襲を事前に予測できていたか(2)対策を取っていれば事故は回避できたか,の2点です。
これらは,東京電力に対する損害賠償請求訴訟(民事裁判)でも,全く同じように,争点となっています。
私は,本来,法人としての東京電力(株)に刑罰が科せられるべきだと思いますが,現行法では,法人に対する刑罰は認められないと解釈されているので,個人の刑事責任が問題となるのです。