実は今日、結構ショックなことがあった。
ヴァイオリニストの佐藤陽子さんが亡くなったとネットで知った。しばしぼーぜん。
うっそー。なんで?早過ぎない?と。
佐藤陽子さんと言えば、私には強烈な思いがあるのだ。
私は6歳からヴァイオリンを習っていた。
6歳になれば姉の様に日舞を始めるのですよと祖母から言われ、『あんな辛気くっさいもん、イヤ』
と逃げ回っていた私は、教会付属の幼稚園のクリスマスで、同じ学年の子が舞台でヴァイオリンを
お披露目したのを観て衝撃を受けた。感動した!
『あれよっ!アレ!私のやりたいのはヴァイオリンよっ!』ということで、速攻1月から習い始めた。
母はそれなりに教育ママだったかも。商売で忙しい中、巌本真理・辻久子・江藤俊哉さんだったと
思うが、演奏会に連れて行ってくれたりした。
一緒に習っている中で、I子ちゃんは美人でヴァイオリンも一番上手だった。でも音大付属の中学校に
進学したI子ちゃんは、病気で亡くなってしまった。先生とお母さんの嘆き様は酷かった。
I子ちゃんには弟さんが居たが、お母さんは弟放ったらかしでI子ちゃんにすべてを掛けていたらしい。
しかしその、I子ちゃん以上にと言うか、比較にならないほど凄かったのが、佐藤陽子さんだったのだ。
確か小学生?だった頃に、あの時代のソ連に留学したんだったと思う。
勿論面識なんて無い。雲の上の、その又上の、手に届かない様な、まさに雲の上の人だった。
親と離れ1人であのソ連に行く?まだ小学生だった自分には信じられない、衝撃以外の何物でも無かった。
やっぱり普通の感覚とは違うんだと、子ども心に思ったかも・・。
今の時代とは違うからね。60年以上も前の話だから。余程の根性が無ければ。
佐藤陽子さんは勿論半端無い努力・精進をされていたとは思うが、才能の塊のような人だったと思う。
ヴァイオリンだけでなく、声楽も、そして確か絵も上手だったんじゃないかな?いやあれは
池田さんの絵だったかな?大人になってからの印象はうんと変わったけれど、生き方もスペシャル
だったね。
あの頃のヴァイオリンを習う私たちの憧れの存在だった。雲の上のような人だったけれど、
歳が近いせいもあって、なぜか親近感を感じていた。私にとっては、あの佐藤陽子ちゃんだった。
芸術にその身を捧げ昇華したという印象。私には巨星が墜ちたという思いしかない。
ありがとう。お疲れ様。あっちに行ってもヴァイオリン弾いてるよね。