虹の彼方に ~ over the rainbow ~

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蒼井 優 の選んだ1冊  『 旅をする木 』  星野 道夫 著

2009-04-01 08:01:19 | books
グリムス キーワード「二十四節気」


ご訪問してくださり、ありがとうございます



NHKハイヴィジョンで、 ’ 09年2月28日に、放送された、

『 私の1冊 日本の100冊 』 という番組を、見ました。


毎回、ゲストの方が、ご自身のおすすめの1冊の本を、

紹介する番組で、この回では、女優の 蒼井 優 さんが、

星野 道夫 ( 1952 - 1996 ) 著 

『 旅をする木 』 という、1冊の本を、紹介していました。




NHK BS 2 / ハイヴィジョン 番組 『 私の1冊 日本の100冊 』 
女優  蒼井 優 さん の 選んだ 1冊 『 旅をする木 』 星野 道夫 著





ナレーション ( 首藤 奈知子 さん ) 

「 アラスカの壮大な自然に魅せられ、

そこに暮らし、その魅力を伝えた写真家、

星野 道夫 ( ほしの みちお )。

18年にわたった、アラスカでの生活を綴ったエッセイ、

『 旅をする木 』 を、すすめるのは、

女優 蒼井 優 さんです。 」


蒼井 優 さん

「 この 『 旅をする木 』 を見なおしたり、

あと、思い出したりすることによって …

すごく、肩の力を抜いてくれたりだとか、

視野をファーっと、広げてくれたりする。

本当に ( この本に ) 出逢えてよかったなと思えるし、

いろんな人に、この本に出逢ってほしいなと … 思える本です 」


ナレーション ( 首藤 奈知子 さん )

「 星野 道夫 が、筆を尽くして、描くのは、

季節の移り変わりを、いとおしむ、著者自身の心です。 」


朗読 ( 松平 定知 さん )




秋は、こんなに美しいのに、

なぜか、人の気持ちを焦らせます。


短い極北の夏があっという間に

過ぎ去ってしまったからでしょうか。


それとも、長く暗い冬が

もうすぐそこまで

来ているからでしょうか。


初雪さえ降ってしまえば

覚悟はでき、もう気持ちは

落ち着くというのに ……


そしてぼくは、

そんな秋の気配が好きです。


一年に一度、名残惜しく

過ぎてゆくものに、

この世で何度めぐり合えるのか。


その回数をかぞえるほど、

人の一生の短さを知ることは

ないのかもしれません。



『 旅をする木 』 星野 道夫 著 より



蒼井 優 さん

「 私、 『 旅をする木 』 を読んでいて、

いちばん感じたことが、自然の中に、

こんなに “ 言葉 ” が、 あふれている、

っていうことに、感動したんです。

私は … あの … 秋から冬にかけて、の匂いが変わる瞬間が、

好きなんですけど、そのタイミングに、日本にいることが、

なかなか、なかったりするんですけど、

それを、感じられたら、すごく幸せな気持ちになりますね 」


朗読 ( 松平 定知 さん )




毎年三月になると、

オーロラの撮影のため

ルース氷河に入った。


それは、壮大な自然の劇場で、

宇宙のドラマをたった一人の観客として

見るような体験だった。


ぼくはこの時間を

誰かと共有したかった。


感受性の鋭い子どもの頃に

こんな風景を見ることができたなら

どんなに強い記憶として

残ってゆくだろう。



『 旅をする木 』 星野 道夫 著 より



蒼井 優 さん

「 私が … 小学生 … 幼稚園、小学生の時に、よく父に、

星を見せに、連れて行かれたっていう感じだったんですけど、

当時は、その … 毎日毎日、父から星の話を聞くので、

星を見る感動とかも、特になくて、なんか …

その時は、もう、寒いし、眠いし( 笑 ) みたいな感じで … 。

喜んでついて行ってたわけではなかったんですけど、

今となっては、本当に、なんか、こう、

そんなに、一生懸命見てた記憶は、ないんですけど、

でも、その時見た星空とか、鮮明に残っていたりして、

で、今となっては、本当に、いい思い出だったなあと、

いい経験をしたなあって、思えるので … 」


ナレーション ( 首藤 奈知子 さん )

「 アラスカの大自然の中で、星野が感じるのは、

人間の生きている時間とは、別の、もう一つの時の流れ、です。 」


朗読 ( 松平 定知 さん )




ある日の夕暮れ、

ザトウクジラの群れに出会った。


ぼくたちは、小さな船で、

潮を吹き上げながら進む

クジラのあとを

ゆっくりと追っていた。


その時である。

突然、一頭のクジラが

目の前の海面から飛び上がったのだ。


巨体は空へ飛び立つように

宙へ舞い上がり、


一瞬止まったかと思うと、

そのままゆっくりと落下しながら

海を爆発させていった。


それは、映画のスローモーションを

見ているような壮大なシーンだった。


ぼくたちが毎日を

生きている同じ瞬間、


もうひとつの時間が、

確実に、ゆったりと流れている。


日々の暮らしの中で、

心の片隅にそのことを

意識できるかどうか、


それは、天と地の差ほど大きい。




『 旅をする木 』 星野 道夫 著 より




蒼井 優 さん

「 これを読んだ時に、あ、そっか、今、どこかで、

世界のどこかで、クジラが、宙返りしているかもしれない、

とも、考えただけで、あぁ、すごい …  なんか、ここが

( と、両手を広げて、まるく、胸のあたりから、

外側へ、円を描くようにして )

ファーとなる感じがあるなあ、とも思ったし、

それは、自然だけじゃなくて、例えば、こう、

あぁ、あの時、あの旅をした時に、

出会った、キツネはどうしてるかな、とか、

友達の時間を、今の時間、と想像するのだったり、

家族の今の時間を、想像するだけでも、

世界は、ここだけじゃない、って思うだけでも、

すごく …  強くなったり、

気持ちが、楽になったりすることも、あるので …
 」


ナレーション ( 首藤 奈知子 さん )

「 吹雪のテントの中、星野は、無線で、

初めての子供の誕生を、知らされます。 」


朗読 ( 松平 定知 さん )





頬を撫でる極北の風の感触、


夏のツンドラの甘い匂い、


白夜の淡い光、


見過ごしそうな小さな


ワスレナグサのたたずまい ……


ふと立ち止まり、

少し気持ちを込めて、


五感の記憶の中に

そんな風景を残してゆきたい。


何も生み出すことのない、

ただ流れてゆく時を、大切にしたい。


あわただしい、

人間の日々の営みと並行して、


もうひとつの時間が流れていることを、

いつも心のどこかで感じていたい。


そんなことを、いつの日か、

自分の子供に伝えてゆけるだろうか。




『 旅をする木 』 星野 道夫 著 より




ナレーション ( 首藤 奈知子 さん )

「 1996年、 星野 道夫 は、ロシア ・ カムチャツカ半島、

クリル湖畔のテントで、ヒグマに襲われ、亡くなります … 。

43歳でした … 。 」


蒼井 優 さん

「 何かのとりこになって、そこで、守るべきものを見つけて …

それは、なんだろう …  

形あるもの、そうじゃなく、自分の中にあるもの、

そういうものを、見つけて、生きられる、っていうのは、

本当に、強いなあと、思いました。

だから …  自分も …  まだ …  これだ!っていうものが、

これだ ー !! って思う時も、あれば、

これか ~ !? って思う時も、あるので、

そういうものを、ちゃんと持てたらなあと … 。

なんか、こう …  

それは、きっと、いろいろ、追い求めて、

見つかるものじゃないと思うし、

きっと、しぜんと、出逢うものだと思っているので、

その日が来るのが、楽しみです
 」


ナレーション  ( 首藤 奈知子 さん )

「 蒼井 優 さん の 一冊 、 

星野 道夫 『 旅をする木 』

( 文藝春秋 、新潮社 より 刊行 ) でした。 」










 女優 蒼井 優 さんの選んだ

   『 私の1冊 日本の100冊 』

      という番組を、見た感想 




まず、この番組を見て、思ったことが、

すごい次元の話をしてるなあ、ってことでしたね。

「 この世で何度めぐり合えるのか。 」

のところは、ずっと前に、何かのきっかけで、

そういうことを、考えたことがあって …

雨上がりに、虹を見たときとか、

天文台に行って、肉眼で天の川を見たとき … かなあ?


今、この一瞬でしか、感じることのできない、

なにものにも、かえがたい 「 大事なひととき 」 。


BUMP のライヴに、初めて行ったときも、そう思ったな …

おちびたちの寝顔を見て、なんてかわいいんだろ ~

( 思いっきり、親カバですね

なんて、日常の、なにげないことなのに、愛おしく感じる

ときでも、そう思うことがありますね。


「 日々の暮らしの中で、

心の片隅にそのことを

意識できるかどうか、


それは、天と地の差ほど大きい。 」



のところなど、ある意味、

「 地球規模で、共有する思い 」 みたいな、

ものすごい、大っきな心を、もっていて、

それを、こうして、表現されて、人々に伝えようとした、

星野 道夫 さんの、天から与えられた、「 使命 」

みたいなものを、感じてしまいます … 。


このようなことを、ご自身なりに、考えて、共感できる

蒼井 優 さんって、すごいなあ、と思いました。

まだ若いのに、物事を達観している感じが、

しますね。


わたしが、優さんの歳の頃に、

こんな、すごいことを、考えていたかというと … ???

今からでも、遅くはないかなと、

開き直ろうと思います


こんな、素晴らしい本に、出逢うことができて、

本当に、良かったなあと、心から思っています





読んでくれて、ありがとうです  

ほいじゃ、また。。。


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