この曲を、知ったのは、学生の頃に、当時の洋楽番組 ( ピーター ・ バラカン さんの “ ポッパーズ MTV ” かな? ) で、
この曲のミュージック・ビデオを、観たのが、最初でした。
「 この、おっさん、誰?! 」
みたく思っていましたが、後で、この人、ソフト ・ マシーン というグループで活動していた、
すごい人らしいことを知って、びっくりでした。
それに、 Elvis Costello ( エルビス ・ コステロ ) が、バンドの端っこに、映っているし
コステロ自身も、この曲を、アルバムで、カバーしたそうですが、やっぱり、 Robert Wyatt ( ロバート ・ ワイアット ) が歌うと、
なんとも言えない、声の重みというか、深みがハンパなくて ( 声のトーンは高め ) 、ただ、歌を聴いているだけで、
隠されている、狂った、日常の生活から、引き離されて、パラレルワールドのような、
海の底へ、連れて行かれそうな、不思議なものを、感じます
この曲は、1982年に起きた、フォークランド紛争をテーマに、書かれた、反戦歌だそうです。
不況にあえいでいた、80年代イギリスの造船業の街は、フォークランド戦争で、活気をとりもどしそうになり、
自分たちの作った船のために、人が死ぬのがわかっていて、生きるためには、船を造るしかできない人々、
そして、その船で戦争に行く息子 …
という、人間の不条理が、この歌には、描かれているのではと思います。
あれから、32年が経ち、遠く離れた日本で、原発にすがりついた人々、そして、その後始末に向かう、その人たちの息子に、
重なるのでは、と、ふと気がつき、なんともいえない、奇妙な一致に、背すじが凍る思いです。。。
日本では、この曲のように、反原発をテーマにした曲などを、書こうと思っている、彼らのような、ビッグネームたちは、いるのだろうか。
それとも、もう、すでに、作られていて、発表されてはいても、こちらまで、届くことはないのだろうか … 。
「 shipbuilding 」
written by Elvis Costello
Is it worth it
A new winter coat and shoes for the wife
And a bicycle on the boy's birthday
It's just a rumour that was spread around town
By the women and children
Soon we'll be shipbuilding
Well I ask you
The boy said 'DAD THEY'RE GOING TO TAKE ME TO TASK
BUT I'LL BE BACK BY CHRISTMAS'
It's just a rumour that was spread around town
Somebody said that someone got filled in
For saying that people get killed in
The result of this shipbuilding
With all the will in the world
Diving for dear life
When we could be diving for pearls
It's just a rumour that was spread around town
A telegram or a picture postcard
Within weeks they'll be re-opening the shipyards
And notifying the next of kin
Once again
It's all we're skilled in
We will be shipbuilding
WITH ALL THE WILL IN THE WORLD
DIVING FOR DEAR LIFE
WHEN WE COULD BE DIVING FOR PEARLS
Robert Wyatt - Shipbuilding ( PV )
「 Shipbuilding 」
妻に新しい冬のコートと靴
子供には誕生日の自転車
それだけの価値があるだろうか?
町に広がった噂
女や子供がひろめた
もうすぐ、船造りが始まる
息子が言った
「父さん、任務に行って来る。でも、クリスマスまでにはもどってくるよ。」
町に広がった噂
誰かが仕事をなくした
この船造りで人が殺されるって言ったせいで
世界中の意志をつぎ込んで
いとしい命を海に投げ出すのか
ぼくたち真珠を探しに飛び込むこともできるのに
町に広がった噂
電報、それとも、絵はがき
数週間のうちに造船所が再開され
そして、一番近い親族には通知が届く
僕らに出来るのはこれだけ
ぼくらは船造りにいく
世界中の意志をつぎ込んで
いとしい命を海に投げ出すのか
ぼくたち真珠を探しに飛び込むこともできるのに
Robert Wyatt のベスト盤 CD 『 his greatest misses 』 ( 上の写真のジャケット ) に、 “ Shipbuilding ” が、入っているようです
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