虹の彼方に ~ over the rainbow ~

好きな音楽、映画、本など、気ままに綴っているblogです♪ about the musics,films,books.

ジブリ映画 『 風立ちぬ 』 を観て。

2013-08-12 00:46:04 | Japanese films / dramas


2011年3月11日におきた、東日本大震災で、天井が落下してしまい、しばらく、営業していなかった、近くの映画館が、

最近になって、立て直されて、営業を始めたので、 『 風立ちぬ 』 を、家族で観てきました 


関東大震災のシーンを観て ……  

映画館の暗闇の中で、まったくひとりっきりで、孤独に陥っていた脳裏の、片隅に、追いやられていた、記憶の断片が、

まざまざと、蘇ってきて … 火の海になってしまった、あの時の、気仙沼の映像が、瞼の前に、映された映像と、ぼんやり、重なった。

あの時、自分は、月日をかけて、大事に、育てられてきた、ビニールハウスや畑が、

真っ黒い、得体の知れない巨大な津波に、飲み込まれていくのを、ただ、テレビで、観ていることしか、できなかった。

そんな、自分を、思い出し、自分の無力感に、打ちひしがれ、涙が、溢れ出た。


3.11以後、わたしは、震災のことで、感情を、あらわにして、泣いた記憶が、ない。

今、思えば、あの時は、泣いている余裕が、なかった、といったほうが、正しいかもしれない。

あの時の、反動で、やっと、今になって、正常な心理状態に、しぜんに、戻る兆しが、見えてきたのだろうか。

なりふりかまわず、泣きたい時は、泣いていいんだ、と、この映画が、わたしに、耳打ちをしてきたような気がして、

嗚咽が、口から、洩れそうになるぼど、激しく、感情が揺さぶられた。


菜穂子が、二郎と高原にいて、突然の大雨が、降ったあと、後ろを振り返って、指をさした先に、

虹が出ているのを、二郎に教えたとき、菜穂子が、

「 ( 美しいものを、見られて) 生きていて よかった 」

というようなことを、言った。その時、菜穂子にとっては、雨上がりに、ほんの、一瞬、現われる虹、であったが、

二郎にとっての、それは、美しく、大空を飛ぶ、ひこうき、ではなかったか。

この場面を、暗がりの映画館で、観ていた、わたしも、本能的に、菜穂子と、同じ思いを、味わうことができた。

なにげない、それでいて、一瞬の、はかない虹の美しさに、なんとも、言えず、ただ、ただ、涙が、溢れてきて、

生きることの意味の、なんて、単純明快な、真実に、気付かされた。

まるで、盲目だった、わたしに、ひとすじの光りが、さして、今まで、見えなかった、視界が、ひらけたように。

それが、どんなに、わたしの心に、響いて、勇気づけられたことか。


カストルプが、二郎に語る場面に、この映画の、大きな主題が、表われていたように思う。

「 センソウヲ ワスレル。 マンシュウヲ シンリャク シタコトヲ ワスレル。 … 」

しかし、これらのことは、決して、忘れてはならないことであるのは、誰も、承知のことだろう。

それでも、あえて、こうして、忘れるふりをして、心の片隅に、大事に、しまっておかなければ、

戦前戦中の人々は、あの、苦難の時代の、恐ろしく、激しい流れを、生きのびてはいけなかったのだろう。

このことは、そのまま、2013年の、今の日本に、不気味に、シンクロしている。

だが、それでも、この映画は、ポール ・ ヴァレリー の詩の一節から、

「 “ Le vent se lève, il faut tenter de vivre ” 」  

「 風立ちぬ いざ 生きめやも ( 風が吹いてきた さあ なんとか生きてみよう ) 」

と、菜穂子と二郎に、吹きつけるように、映画館の中で、現代に生きる、わたしたちにも、向けて、

たくさんの、いろいろな風を、吹かせて、何度も、力強く、わたしたちを、励まし続けているのだ。


人間が、生きる、ということは、まさに、矛盾だらけだ。

自分の夢を、追いかけ、まっとうに、生きようとしている、ごく、ふつうの人間こそが、そうやって、生きようとすれば、するほど、

知らないうちに、いつの間にか、狂気の勢力に、巻き込まれて、負の歴史を、動かすようになってしまう。

そんな、悲劇の中に、ありながら、それでも、そこに、生きていく意味が、あるのか、という、永遠の問いかけが、

静かに、わたしたち、観客の心に、訴えかけてきたのを、わたしは、認めずにはいられなかった。




     




最初の場面に、出てきた、巨大な爆撃機に、一瞬、ナチスの逆鉤十字と、見間違ってしまいそうな、

紋章が、描かれているが、よく観ると、ドイツ騎士団や、ナチスの鉄十字章に、よく似ていることに、気付いた。

あれは、いったい、何を、意味しているのだろうか。




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ドラマ『 輪廻の雨 』が1月4日夜11:30~はじまります!

2010-01-04 10:34:52 | Japanese films / dramas


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朝、起きて、なにげなく、新聞のテレビ番組欄に、目を通したら、

ちょっと、気になる、記事に、目がいきました。


2010年1月4日 ( 月 ) の夜11時30分 ~ 12時30分まで、放送が、はじまる、

フジテレビのドラマ 『 輪廻の雨 』 について、書かれた、記事で、


「 知的障がいがある弟を、一人で守っていく兄の、
  弟への切ない愛情が、描かれたドラマ 」



だそうです。


そして、このドラマは、


「 野島 伸司 ら、多くの脚本家を、育てた 『 フジテレビヤングシナリオ大賞 』

  の、大賞受賞作 」


とのことです。

( 2010年1月4日付、朝日新聞の、朝刊のテレビ番組欄にある、「 試写室 」 の記事より )


ドラマ 『 輪廻の雨 』 のスタッフとキャストは …


脚本 : 桑村 さや香 ( 第21回フジテレビヤングシナリオ大賞受賞作 )

プロデュース : 中野 利幸

演出 : 並木 道子 


三上 孝平 ( 21 ) 修平の兄役 … 山本 裕典

三上 修平 ( 18 ) 孝平の弟役 … 瀬戸 康史

菅井 愛実 ( 21 ) 役 … 貫地谷 しほり

青木 浩之 ( 29 ) 役 … 青木 崇高

橘 君枝 ( 48 ) 役 … 手塚 理美

徳永 剛 ( 34 ) 役 … 永井 大

( 敬称略 )


の以上の方々です。


このドラマについて、詳しく知りたい方は、こちら ↓ のドラマ 『 輪廻の雨 』 公式サイトへ、どうぞ!

第21回フジテレビヤングシナリオ大賞 ドラマ 『 輪廻の雨 』




すごい、見てみたい!と思う反面、このドラマの主人公たちとは、

人間、みな、ひとりひとり、違うように、

わたしの家族も、やはり、違っていると思うので、いちがいには、言えないのですが、

もしかしたら、このようなこともあるのかな、って思うと、

見るのが、こわい気持ちも、正直いって、ありますね … 。


わたしのおちびたちの、未来のことを、考えない日はない、といっていいくらい、

日々、思いめぐらせているのですから … 。


それでも、無力で、なにも、実りのある行動を、起こせないでいる自分を、

責めたりして、今、なんとか、生きていくことで、精いっぱいなんだ、という現実があって ・ ・ ・


このドラマを、多くの方々に、見てもらえたらいいなあ、という思いがあります。


なぜかというと、ほとんど、表の世界には、いろんな意味において、

その姿を、表わすことのない人たちが、いるということ。

そういった人たちのことを、少しでも、多くの方々に、知ってもらって、

関心を、もってもらえたら、という、願いからです。


( ※ お詫びと訂正です。このドラマは、1話完結のようです。

    文中に、誤解をまねくような表現が、ありましたことを、お詫び申し上げます。 )




               


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それでは、また。。。

映画 『 西の魔女が死んだ 』

2009-09-20 03:10:34 | Japanese films / dramas


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映画 『 西の魔女が死んだ ( The Witch of West is Dead ) 』

を、レンタル屋さんで、借りて、見ました  


梨木 香歩 さんの原作 『 西の魔女が死んだ 』 を、

長崎 俊一 監督が、 ’08年に、映画化した、この作品は、

主演に、女優の シャーリー ・ マクレーン の娘、

サチ ・ パーカー が、主人公の おばあちゃん 役で、

出演されています。


おばあちゃんの孫娘 まい 役に、 高橋 真悠 さん、

まい のママ役に、 りょう さん、

まい のパパ役に、 大森 南朋 さん、

郵便屋さん役に、 高橋 克実 さん、

ゲンジ 役に、 木村 祐一 さん、

が、それぞれ演じています。


この映画を、前から、ずっと、見たかったんだけど、

なぜか、ためらっていた、自分がいて …


原作は、読んでいないし、映画の内容も、まったく、

知らなかったのに … どうしてか、不思議なんです。


なにか、引き寄せられるものを、感じて、

やっと、見ることにしました。


「 ある日、学校に行けなくなってしまった、まいは、

  家から、遠く離れた、森の中に、ぽつんとある家で、

  “ 魔女修行 ” をすることになった … 。 」


まいとおばあちゃんの過ごした時間が、楽しくて、

おもしろくて、気がつくと、夢中になって、見ている自分がいて、

あっという間に、見終えてしまった感じでした。


あんな風に、生きていると実感できるように、

暮らしていけたらいいな。

あんな、おばあちゃんがいたら、

あんなに、素敵な思い出があったら、どんなにいいだろうな。


見終えて、ふと、我にかえって …

懐かしい、わたしのおばあちゃんの記憶が、よみがえってきて …

とめどもなく、涙が、溢れてきました … 。


わたしのおばあちゃんは、いちごジャム作りの名人でした

おばあちゃんのいちごジャムの味は、ピカイチ!

つやつや、ぴかぴか、甘酸っぱい、

ほんとうの、いちごの味がしました


おしゃべりが好きで、よく笑う、

働き者の証しの、立派な手をした、

大好きだった、おばあちゃん。


前から、ずーっと、思っていたんだけど、

今でも、やっぱり、おばあちゃんに会いたい。


おばあちゃんが、そばにいて、

わたしたちを、見守ってくれている、

と感じたい。


昔、そうだったように。 。 。




「 人はみんな 幸せになれるように 

  できているんですよ 」





           


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ほいじゃ、また。。。

映画 『 火垂るの墓 』

2009-08-06 06:32:04 | Japanese films / dramas


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8月6日の今日は、広島に、地球上で、はじめて、

原子力爆弾が、投下された日、ですね … 。




今も、後遺症に、苦しめられている方々が、いらっしゃると、

テレビのニュースで、知りました。

どうか、少しでも、症状が、改善されますように、願っています。




1945年の8月6日以降、

想像も、絶するほど、苦しまれて、亡くなられた、多くの方々に、

心から、ご冥福を、お祈りしたいと思います。




わたしに、できることは、このことを、

これからも、ずっと、忘れないでいること。


そして、自分の子どもたちを、守ること。

できれば、子どもたちに、伝えていきたい。

教えていきたい。  できることなら ・ ・ ・




火垂るの墓・予告編





( 動画が、消えていましたら、ごめんなさい




1988年に、公開された、

高畑 勲 監督 ・ 脚本、 野坂 昭如 原作、

スタジオジブリ製作の、映画 『 火垂るの墓 』 を、

まだ、おちびが、せっちゃんと同じくらいの年の頃に、

いっしょに、見ました。


わたしは、2回目だったけれど、

おちびは、この時、はじめて、この映画を見ました。


おちびは、最初は、自分と、同じ年くらいの、

「 節子 」 という、小さな女の子が、出ていたので、


おちび  「 せっちゃん、せっちゃん 」


と、楽しそうに、見ていたのですが ・ ・ ・




映画を、見終わってから、おちびが、

いろんなことを、疑問に、思ったらしく、

いろいろと、わたしに、訊いてきました。


わたしも、いろんなことを、

おちびに、できるだけ、わかりやすく、

教えました … 。


理解できたか、どうかは、わかりませんが ・ ・ ・ 




あれから、少し、大きくなった、おちびたち。

また、映画 『 火垂るの墓 』 を、

おちびたちと、いっしょに、見ようと思います。




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それでは、また。。。

映画 『 かもめ食堂 』

2009-07-12 07:59:38 | Japanese films / dramas


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2006年の日本映画 『 かもめ食堂 』 を、家で、見ました


荻上 直子 監督 ・ 脚本 の作品で、

原作は、 群 ようこ さんの 『 かもめ食堂 』 です


フィンランドにやってきて、

「 通りかかった人が、だれでも、気軽に入れるような、食堂を作りたい 」

と、ひとりで、ヘルシンキに、 “ かもめ食堂 ” という名のお店を、開いた、

主人公の さちえ さん役に、 小林 聡美 さん、


「 指をさしちゃったんです 」 と、フィンランドにやってきた、

さちえ さんが、ヘルシンキのカフェで、ばったり出会った、日本人、

みどり さん役に、 片桐 はいり さん、


かもめ食堂のお店の前に、立っていた 「 もう一人のおばさん 」 で、

フィンランドに、着いたときから、旅行カバンが、行方不明になり、

探している、 まさこ さん役に、 もたい まさこ さん、

が、出演しています。


ヘルシンキの港町の風景が、映し出されると、

とにかく、かもめが、たくさん、飛んでいることに、驚きました。

そして、街の広場に、あふれそうなほど、新鮮で、カラフルな野菜などが、

山もりになっている、市場の様子が、すごく、のんびりした、雰囲気で、

なんか、いいなあ、って思いましたね。


かもめ食堂の、記念すべき、第一番目のお客さま、

トンミ ・ ヒルトネン ( Jarkko Niemi ) に、

「 ガッチャマンのうた、オシエテクダサイ 」 と、言われ、

途中までしか、思い出せない、 さちえ さん。


偶然、ヘルシンキのカフェで、見つけた、日本人、 みどり さんに、

いきなり、 「 ガッチャマンの歌、知ってますか? 」 と尋ね、

すらすらと、メモ帳に、歌を書きはじめる、 みどり さん。


そのお礼に、 みどり さんを、おうちに招待して、

自慢の手作り料理を、ふるまう、 さちえ さん。




さちえ さん 

「 ガッチャマンの歌を、最後まで、歌える人に、悪い人は、いませんからね 」





さちえ さんの手作り料理が、とっても、おいしそうで、

わたしが、小さい頃に、よく、母が作ってくれた、

大好きなおかずばかりで ・ ・ ・

ここらへんから、おなかの虫がぁ ~  ^ ^;


かもめ食堂の、店員さんになった、 みどり さん。

常連客の、トンミ ・ ヒルトネン に、 「 カンジデカイテクダサイ 」

と言われ ・ ・ ・

また、すらすらと、書いてしまう、 みどり さんにも、驚いたけど、

その漢字を見たら、もう ・ ・ ・ ( 爆 )!


太陽の沈まない、フィンランドの夜の、真っ赤な夕日と湖の風景が、

おそろしいほど、美しいですね。


ドアも、すべて、ガラス張りの、かもめ食堂。

お店の名前が、フィンランド語で、 「 ruokala lokki  かもめ食堂 」

と、ガラスに、水色で、書かれていて、

お店のインテリアも、シンプルで、白木の椅子に、テーブルで、

白い壁に、水色に塗られた、木の腰壁が、とっても素敵です。


厨房も、壁もなんにもなくて、そのまま、レジの後ろ側に、あって、

お客さんに、どうぞ、作るところも、見てください、と言わんばかりです。


こんな、お店、なかなかないので、本当に、

行ってみたいなあ、って思ってしまいましたね。


まさこ さんが、フィンランドの森に、行く場面が、すごい、好きです。

フィンランドの森の美しさ、樹々のざわめきが、まるで、

森が、生きているように、感じられて、不思議な感じがしました。

手入れのいきとどいた、美しい、自然の森に、癒されますね。


かもめ食堂の、メイン ・ メニューは、おにぎり。

さちえ さんが、真心をこめて、おにぎりを、むすんでいるのが、

すごく、伝わってきて、本当に、おいしそうで ・ ・ ・

もう …  おなかの虫があ ~~  耐えられませ ~ ん! あはは。


フィンランドには、 『 エア ・ ギター選手権 』 『 サウナがまん大会 』

など、おもしろそうなイベントが、あるらしいです。


みどり さん  「 フィンランドの人は、シャイだけど、ゆったりと、           

          いつも、過ごしている、イメージ ・ ・ ・ 」
        
         「 どの国でも、人には、いろいろ事情が、あるんだな … 」



かもめ食堂に、やってくる、いろんな人々 ・ ・ ・


「 幻のコーヒー 」  飲んでみたいなあ。

“ コピ ・ ルアック ” は、コーヒーが、おいしくなる、おまじない。


みんなで、むすんだ、おむすびを食べて、

人の心も、結ばれていくように、思いました … 。




「 世の中には、知っているようで、知らないことが、いっぱいあるんだなあ 」




さちえ さんの作る、おいしそうな、お料理に、

人々の心も、温まっていくようです 。 。 。


わたしのおなかも、ペッコペコに、なりました。

そして、むしょうに、おむすびが、食べたくなりました。




この映画は、そんな、心温まる、疲れた心を、元気にしてくれる、

不思議な、魔法をもっている、映画だと思いました。




さちえ さん  「 ずっと、同じでは、いられないものですよね 」  

        「 人は、みな、変わっていくものですから 」





読んでくださり、ありがとうです

ほいじゃ、また。。。


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映画 『 エリ・エリ レマ サバクタニ 』

2008-10-08 01:22:52 | Japanese films / dramas


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青山真治監督作品の映画 『  Eli, Eli, Lema Sabachthani ?  』
                  (エリ・エリ レマ サバクタニ) 

( ↑ 上の画像は、この映画の DVD のジャケットです )

(浅野忠信さん主演、宮崎あおいさん共演)を、

DVDをレンタルして、家で見ました。




私は、事情があって、最近は、ほとんど、映画館に

行けなくなってしまったので、家で見るしかないのですが、

この映画は、映画館で、見るべき作品だと思います。


映画館であれば、もっと、リアルに、この映画を、

「体験」することが、できたでしょう…。




この映画 『  Eli, Eli, Lema Sabachthani ?  』

(エリ・エリ レマ サバクタニ) とは、

『 神よ、なにゆえに我を見捨てたもうや 』 という意味です。




「 音、それは、未来への希望だ。 」




西暦2015年、世界中で、ウィルスが、蔓延していた。

世界中が、絶望感に、満ちていた。




「 Eli, Eli, Lema Sabachthani ? 」 
“神よ、なにゆえに我を見捨てたもうや”





発病を、抑制する、唯一の方法、それは、

二人の男が、演奏する「音」を、聴くこと。




「絶望感に、満ちた、私を、救えるのは、
二人のミュージシャンが、奏でる「音」。
私は、それを、探してた。」





この映画を、見て、私が思ったのは、「感覚」だけが、機能していて、

ただ、感じている、ということ。

絶望に満ちている、とは思えないくらいに、その映像が、美しいのです。




映画 『 Eli,Eli, Lema Sabachthani ? 』 (エリ・エリ レマ サバクタニ) オフィシャル・ウェブ・サイト




浅野忠信さん演じる、ミズイ、というミュージシャンは、

何が起ころうとも、感情的にならずに、常に、坦々としていて、

今、やるべきことを、ひたすら、こなしている。

まるで、「その時」が、訪れるのを、静かに、待っているようだ。

ミズイを演じる、浅野さんの、神がかった、その表情と、佇まいに、

「希望の光」を、見い出した。


宮崎あおいさん演じる、富豪の家長、ミヤギ、の孫娘、ハナは、

いつも、黒いドレスを、身に纏っている。白い服に、身を包んでいる、

ミズイとは、対照的で、登場人物の内面を、表しているかのようだ。

世界の終末に、自らをも、重ねている、ハナは、その不安から、

ゆがんだ表情を、絶えず浮かべていて、感情をあらわにしている。

しかし、ミズイと同じミュージシャンの、中原昌也さん演じる、

アスハラや、戸田昌宏さん演じる、探偵ナツハラの、表情の変わらなさと、

妙に、対照的だ。


筒井康隆さん演じる、富豪の家長、ミヤギは、その豪華な風貌が、

何もない草原に、存在しているには、すごく不自然な感じがするし、

世界の終末に、居合わせている人とは、とうてい思えなくて、

強烈な、存在感を、放っている。


岡田茉莉子さん演じる、ナビ、という女性も、世界の終末に、生きている

ようには、見えず、平然と、「日常の生活」を、当たり前のように、

明るく、逞しく、過ごしている姿が、奇妙な感じさえして、

不思議な存在だ。




この映画を、見て、思い出したこと、それは、

私が、学生の頃に、映画館で、リアルタイムで、見た、

当時、イタリアに、亡命していた、ソ連の映画監督、

巨匠アンドレイ・タルコフスキー監督作品の映画『 サクリファイス 』。

癌に侵されていた監督の、遺作となってしまった、作品です。




この映画も、「世界の終末」、そして「残された希望」を、

描いた、すばらしい作品でした。




読んでくれて、ありがとうです

それでは、また。。。


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