虹の彼方に ~ over the rainbow ~

好きな音楽、映画、本など、気ままに綴っているblogです♪ about the musics,films,books.

映画 『 沙羅双樹 』

2008-11-21 06:37:56 | Naomi Kawase films


ご訪問してくださり、ありがとうございます


 エコと地球の環境について

スーパーなどで買い物する時に、レジ袋はもらわず、

マイバックをいつも2~3枚持っていて、使っています




河瀬直美監督作品の'03年の映画 『 沙羅双樹 』(「しゃらそうじゅ」)

( ↑ 上の画像は、この映画の DVD のジャケットです )

を、レンタル屋さんで借りて、家で見ました


「沙羅双樹」という言葉は、お釈迦様のお話のこと、

というのは、なんとなく、わかっているのですが、

詳しくは、知らず… 調べてみたら、


「沙羅双樹とは、お釈迦様が、まさに死なんとしているとき、

その床の四方に、二本ずつあったという、沙羅の木のこと」


だそうです…。




【※ ここから先は、映画のネタばれが、含まれています ※】




奈良の古い家並みが、そのまま残されている土地に、

墨職人を営む、麻生家の長男・圭は、

双子の弟・俊と遊んでいる最中に、路地裏で、

いつの間にか、姿を消してしまいます。

俊は、圭の行方を、母に問い詰められるが …

その行方は、ついに見つからないまま、時は過ぎ … 。


それから5年が経ち、麻生家の人々は、

姿を消した圭の面影を背負いながら、

日々の日常を、生きることになりました。


俊のガールフレンドの夕は、麻生家の近所で、

小料理屋を営む、伊東家の娘で、

下駄屋さんで、バサラ祭りに履く下駄を、直してもらい、

その帰りに、母と町中を歩きながら、

突然、自分の出生の秘密を、知らされ …

夕は、心の動揺を、隠そうとしているかのように、

平然と、母と会話を続けていましたが … 。


このシーンが、私には、他人事に思えなくて …

昔の自分と重なるところもあり、複雑な気持ちになりましたね …


麻生家の人々も伊東家の人々も、

親しい人の「死」を背負って、今を生きています。

それでも、生きていかなければならないのが、この世の常です。


自分が、自分として、生きていくことで、

生みの母のことを、受け入れようとしているように見える、

夕の姿が、ちょうど、少女から大人の女性へと、成長していく、

多感な時期でもあり、揺れ動く心も、垣間見え、

それを乗り越えようとしている姿が、「バサラ祭り」 で、

生き生きと踊り、まぶしいほどに輝いている夕に、感じられました


地元の人たち、みなが踊る姿が、とても美しくて、

素晴らしい、感動的な場面でした


河瀬直美監督作品を見て、思うことは、

出演している役者さんが、「演じている」 のではなく、

そこに、本当に 「生きている」 と、しぜんに思ってしまうことです。


映画 『 沙羅双樹 』 の DVD に、

今回、この作品を制作している河瀬組を追った、

ドキュメンタリー映像が、載っています。

どのように、河瀬組は映画を作っているのか、

この作品は、どこからやってきたのか、

とても興味深かったです !!




読んでくださり、ありがとうございます  

それでは、また。。。


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映画 『 殯の森 』 ( もがりのもり )

2008-10-12 00:17:01 | Naomi Kawase films


ご訪問してくださり、ありがとうございます



河瀬直美監督作品の ' 07年の映画 『 殯の森 』 ( もがりのもり )

を、やっと、ついに!家で、見ました!!


河瀬直美監督が、映画『 萌の朱雀 』で、カンヌで、最年少で新人監督賞を、

受賞されたことを、ニュースで知って、はじめて、河瀬直美監督を、知りました。

映画『 萌の朱雀 』も、この『 殯の森 』も、前から、ずっと、「見たい!」

と思っていたのですが、やむを得ぬ事情で、映画館で、見ることを、断念し、

家で、DVDで、見ることができました。




【 ※ 以下の文に、この映画のネタばれが、
   含まれています。ご注意を!! ※ 】





うだ しげきさん、尾野真千子さん、主演の、この映画『 殯の森 』を、

見終わって、感じたこと、それは…

この、二人の「生きてきた」人生と、自分の「生きてきた」人生とが、

シンクロするように、感じて、まるで、私が、この映画の中に、

入り込んでしまって、この主人公を、「生きてきた」ようになって、

どっと涙が、溢れてきて…

画面の前で、しばらく、うずくまって、動けないでいました…


ちょっと…言葉に…表せない感じですね…。

まだ、見終えたばかりで、この映画の印象が、まだ、強く、心の中に、

残っていて… 今、ちょっと、深呼吸しています

映画を、見終えて、こんなふうになったこと、今まで、いろんな映画を、

見てきましたが、この映画が、はじめて、ですね…。

そのくらい、私にとって、強い影響を、与えられた、作品です!!


「あやまんなくて、いいよ。 誰も、なんにも、わるくない」

「こうせな、あかん、てこと、ないから」

という言葉に、救われた気がしました。私も、誰かに、言ってほしいなあ…


「生きる」ということ、そして、

ずっとそばにいた、大事な人が、「亡くなる」ということ、

について、あらためて、考えさせられました。

これらのことは、私にとって、とても、身近なこと、なのです…。

この映画に、出てくる、「しげきさん」と「真千子さん」が、

私には、他人事に、思えないんですよね…。

しげきさんの抱えている「痛み」も、真千子さんの抱えている「痛み」も、

とても、よくわかります…


すみません。また、涙が溢れてきて、ちょっと…書くことができません

この映画『 殯の森 』は、できれば、映画館で、見るべき作品だと

思います(映画『 萌の朱雀 』も、そうですが)!!

そして、いろんな人に、見てもらいたい!と思う、映画です!!


最後に… 森の奥深くにあった、地の底に、その根を、深くおろしている

であろう、幾年もの長い間、風雨に耐え続けて、生きてきた、壮大な木が、

かつての姿とは、変わっても、今も、なお、力強く、そこにあって、

もの言わずとも、その姿だけで、見る者に、語りかけてくるようでした…


山々や、そこに、かかる、朝もやのような雲、森の中の木漏れ日、せせらぎの

流れ、など、日本の自然の姿が、とても美しくて、また、その自然の中でしか、

聴くことのできない、風の音、水の流れる音、雨の音、鳥の鳴き声、

静寂の無の音、などが、しぜんと、身と心を、癒してくれました


時に、厳しく、その姿を、変えていく、自然は、人の一生を、象徴しているか

のようでもありました…


「わたしら、生きてるのやろな…」
 



映画 『 殯の森 』 公式ホームページ




この映画を見て、思い出したこと、それは…

もう、ずっと昔に、亡くなった、私の大好きだった、おばあちゃんとの思い出、

です。

おばあちゃんに、「会いたい」と思いました。でも、私の子供たちのことを、

知ったら、きっと、ショックを受けるに違いない、と思うと、やっぱり、

「会うことができない」と思いました…


まだ、認知症になる前の、少し老いが進んできた、おばあちゃんを、

母が、田舎の家から、引き取り、しばらく、一緒に、暮らしました。

家から、少し離れた公園に、桜が、満開に咲いていて、どうしても、

おばあちゃんに、見せたくて、年老いた、おばあちゃんが、歩くには、

少し遠かったけれど、それでも、「見たい」とおばあちゃんが、言って、

私と手を、つないで、一緒に、がんばって歩いてくれて、やっとの思いで、

公園に、たどり着くことが、できました。

その、満開の桜を、見た時に、おばあちゃんが、

「やっぱり、連れてきてくれて、良かった。こんなに、きれいなところが

あったんだいなあ」と、嬉しそうに、桜を、眺めていた姿が、今でも、

浮かんできます

満開の桜と一緒に、おばあちゃんの写真を、たくさん、撮りました

「おばあちゃーん!笑ってー!!」と言うと、私が、おばあちゃんの、白髪の

まとめ髪に、桜の花を、飾ったのが、恥ずかしくて、はにかんだように、

笑顔を、見せてくれました
 

それから、ずっと、後になって、この時に撮った写真が、おばあちゃんの遺影に、

なりました…。たくさんの、おばあちゃんの写真の中から、おばあちゃんが、

笑顔だったのは、この時の写真、一枚だけ、でした…

おばあちゃんは、昔の人だったから、写真を撮る時に、「笑顔を作る」という

ことに、慣れていなかったのです…。

それに、おばあちゃんの人生は、私が知っている限りでは、

常に、苦難な道を、歩んできたために、その深いしわに、悲しみが、

刻まれているようでした…




読んでくれて、ありがとうです

それでは、また。。。


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映画 『 萌の朱雀 』

2008-10-11 02:43:39 | Naomi Kawase films


ご訪問してくださり、ありがとうございます



河瀬直美監督作品の ' 97年の映画 『 萌の朱雀 』

を、レンタルして、家で、見ました。


日本には、まだ、こんなに、美しい自然が、残っていたのですね。

そこに、暮らす人々も、みな、心があたたかくて、

山も、森も、木も、人も、すべてが、生き生きと感じられて、

美しかったのが、すごく印象に、残っています


15年もの月日が、経つと、そこに、暮らす人々は、姿を変えて、

時の流れに、逆らうことはできずに、みな、ある「選択」を、

せまられるのです…。


ありのままの姿で、そこに「生きている」ような、國村準さんをはじめ、

役者さんたちが、リアルで、本当に、そこに、暮らしているようで、

その表情や、佇まいを、見ているだけで、伝わってくるものがあり、

素晴らしかったです!みなさん、素敵な人たちばかりで …


かまどで、ご飯を炊いている、薪の炎が、赤々と燃えていて、

湯気のたちこめる、土間が、とても、懐かしくて、

“中廊下”のある、田舎作りの家が、

「 かつての、美しい日本の文化 」

であったことを、思い起こさせてくれました


そして、今は、もうない、私が、幼い頃、お盆に、母に連れられて、

過ごした、母の田舎の家を、思い出しました。

そこには、もう、ずっと、昔に、亡くなった、

私の大好きなおばあちゃんも、まだ、元気に、暮らしていました。

近所の人々も、みな、心のあたたかい人たちばかりでした


でも、そこに、暮らすことが、できなくなってしまう人々が、

いるということも、事実で …

私や、子供たちも、ある意味、そうなるのかな …


美しい自然と、そこに、暮らす人々に、魅了された、反面、

厳しい現実も、待っていて …  自分の過去の記憶とも、重なり、

複雑な思いが、残った、映画でした。


この映画が、近年、稀に見る、素晴らしい作品である、

ということを、確信しました !!




読んでくれて、ありがとうです

それでは、また。。。


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