細い目(マレーシア) 東京国際映画祭セレクション#3


細い目
SEPET   2004年/104分
監督:Yasmin AHMAD(ヤスミン・アフマド)
出演:NG Choo Seong(ン・チューセン),Shaifah AMANI(シャリファ・アマニ)

マレーシア映画といわれるものは初めてだったのですが
ある人のオススメと映画祭の紹介記事を読んでいたので楽しみにしていました。

【STORY】
屋台で(海賊版?)VCDを売っている中国系の青年ジェイソンが
香港映画(金城武)のファンであるマレー系の女学生オーキッドと
偶然出会い恋に落ちる。
オーキッドも次第にジェイソンに惹かれてゆく。
二人の周りの人々は複雑な思いで見守るが、ある事件がきっかけで
オーキッドはジェイソンを避けるようになる。
オーキッドがイギリスに留学する日、ジェイソンからの手紙を読んで
彼女自身の本当の気持ちを確認することになるのだが・・・



タイトルの「SEPET」とはマレー語で中華系の細い目を指す言葉らしい。
多民族国家であるマレーシアは、マレー系が約6割、中国系が約3割、
インド系が約1割、という民族構成になっているそうだ。
映画の中でもマレー語、英語、北京語、広東語、福建語が話され、
日本語字幕だけを追っていくと「あれ、今のは何語?」と
聞き直さなければならなくなる。
ヒロインのオーキッドはマレー系なのに香港映画それも王家衛作品や
金城武のファン、ジェイソンと熱くジョン・ウーの映画を語ります。
かたやジェイソンはインドの詩人タゴールの詩が好きなロマンチスト。
そしてオーキッドの母親たちも香港映画やドラマを愛し
「上海灘」の主題歌を歌い、タイ語の歌を聴く。
従来のマレーシア映画にはなかった異民族間の恋愛や交流を素直に描いて
マレーシアでも多様な観客を集めたという。
同じカルチャーへの情熱(ここでは香港映画への偏愛)という共通の想いがあれば
民族や宗教の違いばかりか、貧富や身分の差さえも乗り越えられる、
という気持ちになってくる。
これは監督が女性であるということも大きく関係している。
映画の中でもそうだが、私は女性の方がこういう意識が強いような気がしている。














映画の公式ホームページはこちら
この作品はマレーシア・アカデミー賞グランプリをはじめ、多くの映画賞を受賞、
そして東京国際映画祭では最優秀アジア映画賞を受賞した。

SEPET(邦題:細い目)はVCDがこちらから購入できます。
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コメント
 
 
 
Unknown (亜美)
2005-11-23 20:32:04
映画は許冠傑の曲で始まって、思わず引き込まれてしまう。オーキッドの部屋のクローゼットの扉の内側を見て思わず吹き出す私。そこにはにほんの映画やアジアエンタメ系雑誌の表紙を飾った金城タケチャンの数々が。

そしてジェソンとのデートではジョン・ウーの映画への思いを熱く語るオーキッド。これだけでも同じ香港電影迷の私たちはグッとくるものがあるでしょう。
 
 
 
Unknown (もりまり)
2005-11-25 20:11:13
亜美さん、先日も、世増させて頂きながら、コメントもせず、失礼しました。本当に映画が見てみたいと思いました。第一回目の注文の映画を見たら、次に見ます! 特に、二人の気持ちがずれ始めたきっかけが、気になって気になって・・・香港映画ファンの友達にもぜひ、勧めてみたいです。本当はTBしたいのですが、やり方が、どうしてもわかりません。
 
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