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東京国際映画祭2007 10月22日 『帰郷』
帰郷 (原題:落葉帰根 Getting Home)
監督:張楊(チャン・ヤン)
撮影:余力為、黎耀輝
出演:趙本山(チャオ・ベンシャン)、宋丹丹、孫海英、胡軍、午馬、夏雨、郭涛
「スパイシー・ラブ・スープ」のチャン・ヤンの新作。友人の遺体を背負い深圳から重慶をめざす中年男の人情派ロードムービー。爆笑王・チャオ・ベンシャン(趙本山)主演。
以上映画祭の作品紹介より。
以下、ネタバレ有り。
製作が香港と中国の合作で、香港側の製作会社はあの星皓娯楽有限公司です。
出演者はほとんどが中国の俳優さんですが
撮影に黎耀輝さんの名前がクレジットされてます。
中国では「樹高千丈 落葉帰根」
どんなに大きな樹木でも落ちた葉は根に降り積もり、
やがて土に還され大樹を育てるという意味の言葉があるそうで、
落葉帰根とは「原点回帰、故郷に帰る」という意味になるそうです。
実話を元にした、というのも驚きですが死体役の役者さんがすごいです。
ティーチインでの監督のお話では雲南にロケハンした時に見つけた
撮影隊のスタッフだそうです。
体重が50kgで、色が黒かったのが決めてだったそう。
撮影が終わると撮影隊の車を運転して帰っていたそうです
死んだら故郷に連れて行くという出稼ぎ先の職場の友人との約束を果たす為の
旅の途中で豪華なゲスト達と、ひとつひとつのエピソードを
笑いあり涙ありの人情話で繰り広げていくお話。
バスに酔っ払いとして死体を乗せるも、強盗に遭遇し死体とばれてしまう。
境遇に同情した強盗からは逆に金をもらってしまうが
バスの乗客たちからは乗車拒否をされてしまい死体を担いで歩く事に。
途中、振られて自暴自棄のトラック運転手(胡軍)
生前葬をする孤独な老人(午馬)
自転車でチベットを目指す若者(夏雨)
家族3人で養蜂業を営む男性(郭涛)
ゴミ拾いをして息子を大学にやっている女性(宋丹丹)
たくさんの善意ともちろん悪意にも遭遇されながら旅を続けようとするのですが、
最後は本懐かなわず、火葬されて故郷に帰るわけです。
しかし友の故郷は、三峡ダムの底に沈む街で、家族は転居していました。
監督いわく映画祭での上映はヨーロッパバージョン(ベルリン映画祭版?)
だそうで、香港資本が入っているので香港版、中国国内公開版があるそうです。
ヨーロッパバージョンは上映時間の関係でエピソードの1つをそっくりカット。
中国国内版は審査の関係であるデティールをカットしたそう。
それは死体に物乞いをさせる、というところだそうです。
それでも監督はこの映画が審査を通った、ということを喜びたいと言ってました。
10年前だったらとても審査には通らなかっただろう、とも言っていました。
日本で言えばお正月映画かなとも思ったけれど、
死体も出てくるし趙本山の顔も味があって、渥美清や西田敏行みたいだから
お盆映画でぴったり?
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