アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

團菊祭五月大歌舞伎

2024年05月08日 | 生活
歌舞伎って、前に見たのはいつかな? 大学生のとき??

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高校生のときの鑑賞教室のみ、という人も多いかもしれない。私は大学生のときに見に行った記憶があるけどそれ以降は思い出せない…今回は、余ったチケットを譲ってもらったので急遽いくことになりました。

16:30開始とあるけど何時ごろまでかかるんだろう? ごはんはその後食べる感じなのかな? と思って調べてみると、どうも歌舞伎というのは幕間にお弁当食べたりしてゆっくり見るものらしい。飲食物持ち込み可、座席で食べてよくて休憩は30分とかある。

昨日の演目は
「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」

「四千両小判梅葉(しせんりょうこばんのうめのは)」

両方そこそこ長い(2時間近く)の二本立てなんだからそりゃ長い。休憩は35分あってお弁当ゆっくり食べてトイレに行っても大丈夫だけども、劇場の座席はコンサート会場の標準よりはややゆったりしているかな? という程度で決して食べやすくはない。終了まで座りっぱなしはけっこうキツかった。隣の御婦人たち(私たちよりかなり年上)は開始前にお弁当を食べ(夜ごはんにしちゃ早いけど)前半だけ見て帰っていった。常連さんは「今日はこっちだけ見よう」とかやってるのかもしれない(知らんけど)

予習はちらっとしてみたが(あらすじくらい)、全然自信ないので音声ガイドを借りた(800円)。これはほんとあってよかった! 独特なしゃべり方なのでセリフはうまく聴き取れないことが多く、ガイドはちゃんと適切なタイミングでどういうことを言うのか解説してくれたり(つまり録音を流しているのではなく目の前で起こっていることを見ながら解説している)、場面転換時にはすっとばされている部分のあらすじを補ってくれる。

「すっとばされる」…これは知らなかったが、仮に舞台上で行われていることがちゃんと聞き取れる人であっても、それだけでは話がつながらない。人気の場面だけを取り上げて演じられるものらしく、ガイドがなければ「なんのこっちゃ」となる。

そういった「わかりにくさ」はともかくとして、芝居の中身は別に高尚なものではなくて、わかりやすい大衆受けするエンタメになっている。深刻な場面も途中にクスリと笑えるところを挟みつつ進んでいく。

「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」は、江戸時代に実際に起こったお家騒動を下敷きに、昔の話として描きたかったため室町時代の話として作られている。
幼い当主を亡き者にしよう(毒殺)としている人たちがいて、それに対抗する乳母が自ら調理したものだけを食べさせようとしているのだが、エラい人がお菓子を持ってきて「私が持ってきたものが食べられないの?」ってプレッシャーをかける。そこのピンチに乳母の実施が飛び出してきてお菓子を代わりに食べ、毒で苦しみだすのだが、毒で亡くなったということになると困るので「エラい人」のお付きの人によって切り捨てられる…

途中、ストーリーの非常に大事なところで「どうしてそうなった?」と思うような納得のいかない展開が何度かあるんだけど、ガイドを聞いていれば「あぁそういう感じなのね」となってまぁなんとか乗り越えられるw

この芝居の後半は、謀反の証拠となる連判状を持って逃げた鼠(に化けている、謀反の張本人)と、それを取り押さえようとする人の戦いシーン(床下)。
アクロバットがあったり、床下へ消えるとか、要するに特撮もない時代の視覚効果演出というかそんな場面。乳母がどうこうやっているシーンとはすごく趣が異なる。

「四千両小判梅葉(しせんりょうこばんのうめのは)」
は、江戸時代に実際にあった事件(金庫破り)が下敷きとなっていて、
牢の中のシーンとかもあって当時人気だったとか。

牢の中というのは、四千両の小判を盗むのはとりあえず成功したんだけどしばらく逃亡したあと捕らえられてその後の話。
牢名主以下ずらりと並んでその人たちの人間関係とか、「地獄の沙汰も金次第」とか(牢に入るときにいくら持ってきたかで待遇が違ったり)、
全体にわりと牢の管理がゆるくてその代わり牢の中の自治(?)に任されている感じ。
金庫破りの人は牢の中の序列で2番目とかにあって、死刑が言い渡される前夜にはプレゼント(服、紙の数珠)も渡され宴会も開かれる。


ともかく、ご覧になる際は音声ガイド必須で、長丁場の準備をしてお越しください。
歌舞伎を見に来ている年齢層は高めだけれどそれなりに若い人も混じっていた。客席は満席には程遠く、かなり空席あった(GW直後の平日だから?)
見たらおもしろいと思うけれど、自腹で18000円払ってまた観たいかというとどうだろう?
各種娯楽にあふれた現代人の目からみると、少しかったるい(いわゆるタイパが悪い)と思うかもしれない。今後、歌舞伎ってどうなっていくんだろう?



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2 コメント

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先代萩 (ぎどん)
2024-05-11 09:23:28
ラノベ作家の榎田ユウリさん作で、
高校生が歌舞伎部を作って活動する
「カブキブ!」というラノベがあり、
主人公である歌舞伎部を作る男子が
歌舞伎にハマるきっかけが「先代萩」で、
なるほどなーと思った覚えがあります。

歌舞伎って全幕見ると長いし、
どういう話か分からないからとっつきづらい面もありますね。
有名どころの「白波五人男」とかはハデだし
知ってる話だから見やすい気がします。
あと、かったるいのも分かる。
実家にいた頃、姉が
「いやーもう、『行かねば』と言いつつ『でも外の音が…』とか言い出して、さっさと行け!」
と面白がりながら年末の忠臣蔵中継を見ていました。
そういう「表現のかったるさ」を味わえるといいんでしょうけれど。

個人的には歌舞伎は好きですが、
廃れていくかもしれません。
あの芸ができるようになるには、
幼い頃からいろいろ叩き込んで継承されていくのが重要なので、
廃れ始めると立て直し難くて、もったいないですが。
それとも、俳優としても活躍している若手が
何とか盛り上げていくでしょうか。

個人的には、大学のキリスト教学の授業で
「菅原伝授手習鑑」の「寺子屋」が教材に使われていたのが印象的で、
キリスト教学みたいに歌舞伎と何の関係もなさそうなところでも使われるようなものだから、
文化として残る価値があると思います。
が、文化として残るかどうかは、社会の必要性によるので、
どうなるでしょうね。

「カブキブ!」とかで人気が出るとよかったんだけどなー。
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> ぎどんさんへ (アンダンテ)
2024-05-21 10:04:20
高校の「カブキブ!」すごいですね。実在するところあるかしらん

> そういう「表現のかったるさ」を味わえるといいんでしょうけれど。
そういうの含めて、まるごとね。狭い座席でお弁当広げてお友だちとおしゃべりすることなんかも。

キリスト教学の授業というのはびっくりです。これまで歌舞伎と縁もゆかりもなかった人がみて何か新しい気づきを得るというのはあって、それが文化の価値なのかな…

昨日、かてぃんが「團菊祭五月大歌舞伎」見てよかったといってました
https://x.com/880hz/status/1792534182822076843
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