アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

組体操10段ピラミッド!? スポーツとリスク

2015年10月01日 | 中学生活
パルクールっていうスポーツ(かな?)知ってます? 私もごく最近知ったんだけど
こんなの→パルクール/フリーランニング ZEN 2012

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フリーランニングといってもほぼ同じものを指すらしい。確かに、ぜんぜん道じゃないところを自在に走っていくイメージですね。

確かに見ていて楽しいけれど…まぁ、もしも自分の子どもとかがこれを趣味にしたいといったらとりあえずはやめるよう説得するかな…今のところその心配はないようですが。

もちろん、大人になった人が、自分のリスクで何か危険のあるスポーツをしようって場合、どのくらいのリスクをとってどんなことをするかってのは、基本的に自分の判断ですね。家族とかは別の意見を言うかもしれないけど。

パルクールの動画をいくつか見てみますと、この類の動画を上げている人の中にも、リスクの捉え方についてはいろんな考え方があるようでした。

上の動画も、失敗したら重大事故になりそうなものがいろいろとありましたが、彼の動きはとても洗練されていて、少なくとも完成動画を見たときには、危なげなく感じられました。別の動画で、パルクール練習用のセットが組まれた体育館などの場面が映っているものもありましたが、おそらく、必要以上のリスクを取りたくないと考える人であれば、失敗が大事故につながるフィールドで実践する前に、入念にトレーニングを積んでいるはずです。

YouTubeに上がっている動画の中には、パルクールのNG集みたいのかあって(←閲覧注意)、それのほとんどは明らかに上の動画にあったような熟練した動きができておらず、かなり失敗率の高いうちから危険な個所で実施している様子が伺えます。

また、仮に人が行う動きがまったく同じであっても、オリンピックで使う平均台の上で演技するのと、それをビルとビルの間に渡して演技するのとでは違いますね。オリンピック選手も平均台から落ちることはありますが、大減点されてまた途中から演技に戻ったりします。ほんとに高所でやってたら死にます。

貼った動画のパルクールパフォーマーZENさんは、インタビューに応えて「たとえば、道路の白線から逸れずに歩くのはたやすいですけど、2mの塀の上だとそうもいかない。イメージと肉体が結びつかないと、人は本来のパフォーマンスを発揮できないんですね。そのギャップを埋めながら、自分のできることの範囲を少しずつ広げていくというのが、パルクールの考え方です」といっています(R25 8/27-9/23号)。

なのでZENさんも、パフォーマンスの中に「失敗したら危険なこと」を入れていくのはパルクールの本質だと考えているとは思うのですが、でも特に「より危険なものを求めている」というふうには見えません。パルクール(フリーランニング)をやってる人の中にも、技のおもしろさよりは危険が大きいことの刺激を楽しむほうにより興味があるような人がいるようです。たとえば、ただ逆立ちをするならたくさんの人が上手にできるでしょうが、それをビルの屋上のはじっこでやったら怖いですね。16階の高さでやって実際に落下で死亡した人がいたみたいですが…

落ちたら即死する高さですることが、落ちたら怪我をする高さでするより、良い(価値のある)パフォーマンスだという考え方にはとてもじゃないけど賛成できません。

でもともかく、個人(大人)が、自分の判断でする分には、
・どのくらいのリスクをとってどんな楽しみを得るかは自分が決める。
・十分なトレーニングを積む。
・自分が「取れる」範囲のリスクにおさまるよう、やる内容を設計する。
ということですね。パルクールでも、冬山登山でも同じでしょう。

と、前置きが長くなりましたが、小学校や中学校の運動会の組体操で、重大事故が起こるということが広報されてから…それどころか、教育委員会がストップをかけてから、なおも危険を増す方向にこだわって、骨折事故を起こした先生がいるのですね。

組み体操「ピラミッド」が崩れ、中学生が腕骨折 大阪
 大阪府八尾市立の中学校で9月27日にあった運動会で、生徒が四つんばいになって重なる組み体操「ピラミッド」が崩れ、1年の男子生徒が右腕を骨折していたことが、市への取材でわかった。

 市教育委員会などによると、組み体操には1~3年生の男子生徒157人が参加。10段のピラミッドに挑戦し、最上段の生徒1人が立ち上がろうとしたところ一気に崩れ、6段目にいた生徒が右腕を骨折、5人が打撲や擦り傷を負った。

 この中学校によると、10段のピラミッドは昨年から取り組み、これまで本番や練習で大きな事故はなかったという。校長は取材に対し、「補助員をつけるなど安全対策を考えて取り組んできたが、事故につながってしまった。来年以降、実施するかどうかも含め対応を検討する」と話した。

 小中学校の運動会で実施される組み体操をめぐっては、全国的に骨折などの事故が起きており、大阪市教委は9月1日、ピラミッドの高さを5段に制限することを決めている。
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先生が「10段ピラミッド」にひかれるという価値観を持っているのはともかく、そのリスクを負うのは子どものほうなので、まったくおかしな話です。大怪我をする可能性のある行為を行う子ども自身が、「十分なトレーニングを積む」ことも「自分が「取れる」範囲のリスクにおさまるよう、やる内容を設計する」こともできないので、パルクールや冬山登山ほどの「理」もありません。

うちの子どもたちが小学生だったときも、「あれ崩れたら危ないなー」と思うような組体操はあって、それで緊張の面持ちの先生がそのそばに張り付いてはいるのですが、実際に崩れるときって、その先生がいたからって何かの助けにはならないよな?? と思っていましたがやはり「補助員をつけるなど安全対策を考えて取り組んできたが、事故につながってしまった」そりゃーまーそうですよね。

とにかく、親が見て「えっ、やめてくれよ」って気づくのは運動会当日(というかパフォーマンス中)で、もう止めようがないので、気になる人は事前にリサーチしないとダメです。というかリサーチして止めたくなっても、なかなかすんなりいかないらしいんですけど。どのくらいのリスクを取るかを本人+保護者で決められないなんてほんと変な話。

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6 コメント

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Unknown (nonchan)
2015-10-02 00:36:52
全く同感なのですが「教育委員会がストップをかけてから、なおも危険を増す方向にこだわって」というのはちょっとミスリーディングを招くかな、と思いました。
ストップをかけたのは大阪市教育委員会で(その後、堺市教育委員会も、大阪市のように具体的な段数を指示したわけではないですが、組み体操の不適切な指導をしないように、という文書を出しています)、八尾市教育委員会は何のアクションもしていないので、この先生は「教育委員会がストップをかけたのに従わなかった」というわけではないのですよね。八尾市教委も、近隣の大阪市や堺市に続いて、運動会シーズン前に何らかの指導をしてほしかったなと思います。(事故後に注意文書を出したようですが、「注意しなさい」というだけで、あまり内容がありません。)

崩れた時の動画を見ましたが(YouTubeの動画は削除されてしまいましたが、NHKのサイトで動画を見ることができます。http://www.nhk.or.jp/kansai-news/20150930/5300581.html )、立体型巨大ピラミッドって中心部の土台の生徒に大きな負荷がかかっているので、崩れるときは内側に崩れるのですよね。だから、周辺にたくさんの教員が配置されているけど、教員と内側の生徒の間は外側の土台の生徒に遮られているので、完全に崩壊して外側の生徒が立ち去ってしまうまで、補助の教員は全く手が出せないことが、動画を見てよく分かりました。ピラミッドの外側にどんなに屈強な教員を配置しても、何の意味もないんです。
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> nonchanさんへ (アンダンテ)
2015-10-02 12:51:57
そうでした、市が違うから、指示を無視したわけじゃないですね。けど、大阪市では危なくて八尾市では危なくないって話じゃないし、事故例とかも報道されていたのに、何も思わなかったのかしら…

八尾市教育委員会は「あとから」注意を出したというけど注意するにしても「安全に配慮」じゃどう解釈されるかわからないですね。周りに先生を配置するのは安全策とはいえないよってはっきり言ってあげないとわかってもらえないかも。

それにしても、先生方も、指導はたいへんだし、訴訟されるリスクはあるし、何を好き好んで高層化へ突っ込んでいくのかしらね。その強すぎるモチベーションが理解できない。
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Unknown (みさまま)
2015-10-02 21:26:23
こんばんは。

関西圏に住んでいるので運動会のピラミッドのニュースはよく取り上げられています。
過去にも死者も出したらしく見直しとなったのですが、識者のコメントでも、「見直しはおかしい。組体操によって得る生徒たちの達成感はすごいものがある。」とかなんとか・・・自分の子供が犠牲になってもそんなことがいえるのかと不思議に思います。大体、死者が一人出た時点でやめるでしょうと思うのですが。

何人犠牲者がでたらやめるのでしょうか。ほとほと理解できません。

なんか鈍いんだよなぁ~と思ってしまうのは私だけでしょうか。
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> みさままさんへ (アンダンテ)
2015-10-03 08:31:43
達成感が得られるかどうか、どのくらいの達成感が得られるか、それに対してどのくらいのリスクを取るのが妥当だと考えるか、そういうことを勝手に決められたくないです。全員参加というのは無理がありますよね。

もっとも、組体操達成感信者的には「全員参加」に意味があると思ってそうな気がするけど(^^;;

組体操やるとしても、失敗したときに擦り傷打撲くらいにおさまる規模じゃ達成感が得られないんでしょうか?? だとしたらニブイよねぇ~
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そういえば (きーちゃん)
2015-10-03 10:44:59
上の子が小6の時、組体操の練習中に女子が1人腕を骨折して、見学になってしまったことがありました。最後の運動会だったのに、残念だったことだとは思います。
確か、倒立の補助を失敗して、崩れてしまってだったと思います。

勤務先の中学校でも、今年は無かったのですが、毎年のように怪我人は出ているようですが、巨大なものは無いせいなのか、取りやめや反対の話は聞いたことは今のところありません。無理かもと判断されたものを強行しないからかもしれません。
5段ピラミッドはあったかな。でも、タワーは4段、あったかな~、微妙です。それくらいの規模なら、何とか助けられる、範囲かなと思いました。

サポート側も、する方も、技術が無くなってきているので、取り返しがつかなくなる前に、何とか引き返して欲しいと、現場からも思います。
#無理する、無理をさせる学校でなくて、良かったと思っています。
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> きーちゃんさんへ (アンダンテ)
2015-10-04 20:26:23
あらら、最後の運動会で見学になっちゃいましたか。それは残念ですね。

骨折はね、そりゃもちろんしたくないけれど、若い子は治りますから。跳び箱でも骨折することはあるし、絶対骨折者を出さない体育の授業にしなきゃいけないといってしまうとそれはそれで縛りがきついのかもしれないと思います。

けど倒立失敗なら最悪が骨折で、高すぎるピラミッドが崩れたら麻痺や圧死もありでしょ。どこかで危険度の線引きは必要で、ほんとは現場の先生が一番確かに線引きできていいはずだけど、冷静に判断できないなら「何段以上ダメ」とかアホみたいな「上から」規定もやむをえないのかもと思いました。

> #無理する、無理をさせる学校でなくて、良かったと思っています。
無理をする学校で…しかも職員として入るとなると、怖すぎますもんね(o_o;;
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