アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

「やればできる幻想」の果てに

2016年01月29日 | 大学生活
どの家に生まれたかで一生の身分(社会的地位、収入など)が決まるというような社会をヨシとする人は現代日本にはあまりいないだろうけど…

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それに代わる身分制(?)として「学校化社会」(上野千鶴子著「「サヨナラ学校化社会」による)というシステムが採用されているわけです。

「学校という空間は業績原理、つまり「やればできる」という価値が一元的に支配しているところです。この業績原理も尺度は一元的で、成績、すなわち点数というもので決まっています。門地や身分という貴族原理とは異なる業績原理、つまり点数が採用されたので、「だれでもやればできる」というルートが開かれました。学校が、下層からエリートを選抜するためのバイパスになったわけです。学校は近代日本の建設に下層エリートの力量を動員するための巧妙な装置になり、同時に下層の人びとの不満を解消して、国家の安定をもたらすためにひじょうに有効に働きました。」

競争でがんばれば上まで行けるという幻想を持たされ、
競争に負けた人には自らの努力が足りなかったとして納得をさせようとするシステム。

学校的価値観にうまく乗れなかった子のほうもいろいろと問題を起こすわけだけれども、
競争に勝ったほうも、こちらは「勝者の不安」を抱えている。

ここまでの競争には勝ったけれども、この先勝ち続けられるかどうかわからないという不安です。

それによって起こる問題は、結局のところ自分に自信を持っているというよりは、外部から与えられた価値に依っているので、大学に入ってからも成績評価が気になってしまうとか、周囲からどう思われるかが気になるとか、これまであまりにも外部からの期待に応え過ぎていたために、そもそも自分が何をしたいのかわからなくなるとか、まぁいろいろ。

昨日書いたように、私はそこらへんから自由であるような気がしていました。

別に他の人に勝ちたいという気持ちはなかったし、
自分自身の上昇志向がないだけではなくて、
上昇志向を持つ人と結婚したかったわけですらなく(^^;;

男であってもあまり人からどう思われるかに左右されないタイプの凸凹くんがお好みだったのですから。

経済的にそこそこ安定した生活。
専業主婦(ちょっとバイトはするかも)。
おもしろく手ごたえのある話し相手、遊び相手としてのパートナー。
そこそこ賢くてちゃんとやれてる子ども(たち)。

というのが私の目指すところで、
だから上昇志向とは無縁だといえるのかどうかというと、
まぁ今から考えればこれってある意味無茶苦茶ハードル高いんじゃないかというのもあるんだけど。

つまり、「そこそこ」やれば「そこそこ」できるんじゃないかというのが、
私の持っていた「やればできる幻想」。
「とことん」を目指すのでなければ、「やればできる幻想」に害はないと思っていたような気がします。

これが打ち砕かれた理由については、とても一記事で書けるようなものじゃないけれど、

あえてひとつ最大の要因を挙げるとすれば、「またろう」です。

「やればできる」の嘘のうち、経済格差の再生産的部分は(少なくとも知識としては)知ってるつもりだったけれど、
生まれ持ったものでどんな違いが出てくるのかについて、私はまったくわかってなかったんだということがわかりました。

生まれつきもっているものの特徴により、「やれば」のところがものすごく根本的に左右され、そして、「できる」のところもまるっきり違った結果になるというのがね。

私の人生のコペルニクス的転回でした。

このゆさぶりがなかったら、私は中学受験本も書いてなかっただろうし、今こんなに幸せじゃなかったと思うの。(と、引き続き意味不明。続きは書くのか書かないのかわからない)

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(今回もイラストはまたろう)
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2 コメント

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Unknown (まる)
2016-01-29 14:08:00
数学系と国語系の学習障害児に関する本は衝撃的でした。

数学系の学習障害児はお金の計算ができないので一般的なアルバイトができず、国語系の方はまさに毎日が闘争でした。
小学校に入るとほぼ毎日国語の宿題が出るからです。
返信する
> まるさんへ (アンダンテ)
2016-02-06 22:03:28
要は、「やればできる幻想」は規格外の人を幸せにしないので、
いつでも本人の等身大から出発するしかないわけです。

考えてみれば当たり前のことなんですけどね。

でも小学校の先生とかはむしろ「規格」についてのみ熱心に勉強してる場合が多いので、融通きかない人はほんとにきかないんです…
返信する

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