アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

平均律調律もややこしい!!(インハーモニシティ)

2016年07月08日 | ピアノ
バッハが想定したのが、平均律だったのかそうでないのか、果てしないとも思える論争の中で、こんなのがあった:
「バッハは調律に15分くらいしかかからなかったらしいので、平均律で調律していたはずがない!!」

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これはどういうことかというと、調和する音程(純正)を取って行けばよい調律法に比べて、耳で取れない(取りにくい)平均律で調律するってのが当時難しく、もっとずっと時間がかかるはずだというものである。チューナーとかないので。

それは実際のところ、論拠としてどのくらい説得力のあるものだか知らないけれど(バッハが超絶職人芸でめっさ速かったのかもしれないし、あるいは案外いい加減な性格だったのかもしれないし)、当時平均律での調律が面倒だったというのはなんとなくわかる。でも現在では?

1オクターブで周波数は倍になる、それを「均等に」分けていく(要するに12回掛け算して2になる数を求める)のは今なら機械があっちゅう間にやってくれるんだから、そりゃ簡単でしょ??

もちろん、調律のうまい下手というものがピンキリであることは日常的に嫌というほど思い知っているわけだけど、それは弾き心地とか美しい響きとか、そういう複雑微妙な問題であって、少なくとも音程を合わせるということについては何もややこしいことはないものかと思っていました(人によって精度の差は当然あるだろうけど)。

ところが。
「(ピアノの)1オクターブ上の周波数は「倍」とはちょっと違う」
という話をおととい聞いて、えぇぇぇーーー(o_o) そんなこと、半世紀生きてきて一度も聞いたことなかったよorz

ピアノの弦は、太くて堅いんである。それで、理想的な弦(物理の問題に出てくるような)とは違って、振動の「節」のところがいまいち滑らかにいかないので、(倍音の)実質的な波長はちょい短くなり、倍音はほんとの倍よりちょっと高くなるというのである。

だから、オクターブ違う音を鳴らしながら、調和するところで「これでよし」とすると実はほんとの1オクターブ(?)よりちょっと広くなる。

というわけで、単純に「1オクターブ上がると倍」と思って計算したより、ピアノの上のほうの音はちょい高く、下のほうの音はちょい低いように調律されている。

このズレをインハーモニシティっていうらしいけど、これはピアノによって異なるのでいちいちややこしい。機械でチューニングできないの? と思うと、インハーモニシティがあるので結局人間の耳によらないと調律できない、と書いてる人もいるし、インハーモニシティまで計算してくれる機械があって便利と書いている調律師さんもいるみたい。

で、ここまで聞くと、インハーモニシティというのはただピアノの弦という現実から生まれた不都合みたいに読めるけど、それが必ずしもそうではなくて、

「平均律音階の5度の響きの透明感を生み出し平均律音階の普及に貢献した」(「 ピアノが語ってくれたもの」より)

とかいうのでなんだかクラクラくる(o_o;;

えぇとつまり…5度というものが1.5倍であるとすると、それを12回かけた(129.7463)ときにこれが7オクターブ(2の7乗は128)と「ちょいとずれる」、これを歪ませて合わせるのが平均律調律であるとすると、平均律の5度は「1.5倍」よりちょいと狭い。ところが、インハーモニシティにより、この話より実際にはちょいと広いほうにずれるわけだから、あらちょうどよかったわねみたいな。

また、このインハーモニシティの違いはピアノのキャラクターの違いにもつながり、別に大きいほうがいいとか小さいほうがいいとかいう単純な話ではないのだけど、大きいとより華やかで遠鳴りする(コンサートホール向け?)ということで、スタインウェイとかベヒシュタインとか。逆がブリュートナーで、間くらいがベーゼン。

ということでたかが平均律されど平均律、なんかすごく深かった。。

上記は、「インハーモニシティ」というキーワードを教えてもらってから私がぐぐった範囲の話をつなぎ合わせているので、何か間違いとかあるかもしれないから信用しすぎないように。これを読んだ詳しい人は「えーそうじゃないよ」と思ったら必要な訂正と補足を入れてくれるとうれしいな(^o^)

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2 コメント

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インハーモニシティ (藤田伊織)
2019-06-24 11:05:23

http://wisteriafield.jp/wtc1/indexj.html#004j03
ピアノのインハーモニシティについては、自然物理の面白さを味わいました。不思議なもんですね。

さらに、音律は自然自体から杓子定規でなく、許されたものだということもわかりました。不確定性原理です
http://wisteriafield.jp/wtc1/indexj.html#wtcuncertainj

> 藤田伊織さんへ (アンダンテ)
2019-06-27 13:05:22
詳細のリンクをありがとうございます。
私、物理は得意なつもりでいましたが、ややこしすぎて高校物理じゃ歯が立ちませんね。
でもそのややこしいところが生きて、ピアノがこんな魅力的な楽器になっているところが幸せの元なんだなぁと(^^)

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