タイトルにはちょっとミスリードな部分があって…別にこの方、ヤクザじゃないんですけど、ヤクザに特化したライターさんなんです。
「ヤクザときどきピアノ」(鈴木智彦)
←何歳からでも遅すぎるってことはない
見た目はわりとヤ…というかまぁ、スムーズに取材するためには、そりゃ馴染まないとですよね。警察の暴対とか、ヤクザよりヤクザに見えますもん。
使われている表現とか、たとえとかエピソードとかがむっちゃヤクザ寄りであることを除けば、
まったく未経験からピアノを50代で始めた体験談として、非常に王道というか真っ当というか、めちゃくちゃ魔法のように才能が開花してとか、逆にどうにもならなくてとかではなく、すごくふつうな…ふつうというと語弊があるかもしれないけど…50代で始める人、あるいはそういう生徒さんを教える先生であればめっちゃ参考になるのではないでしょうか。
スタートは、映画「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」を見てABBAの「ダンシング・クイーン」にノックアウトされたこと。とにかくこれをピアノで弾きたい、と。
恋に落ちたような高揚感のまま、電話をかけまくってピアノを教えてくれる教室を探すのだけど、その探し方というのが
「『ダンシング・クイーン』が弾きたいんです」という直球すぎるもので、「無理です」と即答される教室が多かったらしい。そもそも、個人(自宅)教室だと大人の男性お断りだったりして難しいんだけど。
もちろん、そんな探し方だとヒット率が悪いということはご本人も重々承知で…
「これは取材ではない。相手に合わせる必要はまったくない。主役はあくまで俺であり、レッスンは俺が楽しくなくてはならない。ならば大事なのは人間の相性だ。」
ジョークが好きでノリがよく、当意即妙な返しのできる先生がいいと思ったので、「『ダンシング・クイーン』が弾きたいんです」の一発目で断るようなところはダメだという判断。「唐突な電話は先生を選別するための一次試験でもあった。」
そんなんでアポを取れた教室に体験レッスンに行き、レイコ先生と運命の出会い(?) レイコ先生は、何を尋ねても淀みなく即答してくれて、
「思考の強度は離しているうちに自然と伝わる。いいかえれば偽物はある程度話せばわかる」
つまり、ルポライター視点で「ホンモノ」だったということらしい。
レイコ先生は「練習すればどんな曲でも必ず弾けます」と即答してくれたんだけど、ただ「一日どれだけ練習すればいいか」についてだけは即答しなくて、練習には集中力が必要であること、トータル時間が長いことよりまず毎日練習することが大事、と言った。
話してみて相性がよさそうだっただけでなく、レイコ先生が弾いてくれたピアノ(ラ・カンパネラ)にも撃ち抜かれた。
「人間の魂がどこにあって、どんな形をしているのかはわからない。が、レイコ先生のピアノを聴いていると、魂が歓喜に震え、俺の身体と不可分に存在していることがわかる」
そして、レイコ先生に習うことになったが、いきなり「ダンシング・クイーン」の譜読み…ではなく、目標がそれであることは十分理解してもらったうえで、最低限の基礎を学んでから取り掛かるほうが早道というレイコ先生の提案を受け入れて、教則本から始めることになった。教則本といってもバイエルではなくて、大人から始めることを前提に、最初の曲が「喜びの歌(第九)」だったりしてなかなかおもしろい。(「趣味で楽しむピアノ・レッスン」)
教則本といっても、一曲一曲進めるごとに必要な基礎が学べるようになっていて、合理的に作られているという納得感もあり、小さいなりに曲が弾けた喜びもあってなかなか順調に進んだ。そんなところへピアノの体験談を本にする話が持ち上がって、「一年後の発表会」がマストになってしまう(^^;;
そうやって締め切りが切られると、基礎だなんだ言ってないで、発表会に間に合うように切り上げて本命曲にかかるしかないわけで、いいことかどうかわからないが(もちろん、本にすると決めてしまったことで、本気でやるという面もあるだろう)
いよいよ「ダンシング・クイーン」の練習をするときになり、ちょうどいい編曲がみつからない(簡単編曲はすぐ弾けてしまう、満足できない、難しい編曲は練習しても間に合わなそう)とか、大人の常で人前になるとてんぱっちゃって普段どおり弾けないとか…いろんな困難に立ち向かいながら、本番。
発表会の動画がYouTubeに出てた→【発表会ver.】ABBA『ダンシング・クイーン』演奏:鈴木智彦
ちゃんとノリよく弾けてて、楽しく聞ける演奏になってる!! ミスタッチしても先に行けてる!! すごい~がんばった
レイコ先生は80代ビギナーも教えたことがあるんだって
---- 今日の録音:
【2日目】100日で譜読みするカプースチン「8つの演奏会用練習曲」プレリュード
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
「ヤクザときどきピアノ」(鈴木智彦)
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使われている表現とか、たとえとかエピソードとかがむっちゃヤクザ寄りであることを除けば、
まったく未経験からピアノを50代で始めた体験談として、非常に王道というか真っ当というか、めちゃくちゃ魔法のように才能が開花してとか、逆にどうにもならなくてとかではなく、すごくふつうな…ふつうというと語弊があるかもしれないけど…50代で始める人、あるいはそういう生徒さんを教える先生であればめっちゃ参考になるのではないでしょうか。
スタートは、映画「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」を見てABBAの「ダンシング・クイーン」にノックアウトされたこと。とにかくこれをピアノで弾きたい、と。
恋に落ちたような高揚感のまま、電話をかけまくってピアノを教えてくれる教室を探すのだけど、その探し方というのが
「『ダンシング・クイーン』が弾きたいんです」という直球すぎるもので、「無理です」と即答される教室が多かったらしい。そもそも、個人(自宅)教室だと大人の男性お断りだったりして難しいんだけど。
もちろん、そんな探し方だとヒット率が悪いということはご本人も重々承知で…
「これは取材ではない。相手に合わせる必要はまったくない。主役はあくまで俺であり、レッスンは俺が楽しくなくてはならない。ならば大事なのは人間の相性だ。」
ジョークが好きでノリがよく、当意即妙な返しのできる先生がいいと思ったので、「『ダンシング・クイーン』が弾きたいんです」の一発目で断るようなところはダメだという判断。「唐突な電話は先生を選別するための一次試験でもあった。」
そんなんでアポを取れた教室に体験レッスンに行き、レイコ先生と運命の出会い(?) レイコ先生は、何を尋ねても淀みなく即答してくれて、
「思考の強度は離しているうちに自然と伝わる。いいかえれば偽物はある程度話せばわかる」
つまり、ルポライター視点で「ホンモノ」だったということらしい。
レイコ先生は「練習すればどんな曲でも必ず弾けます」と即答してくれたんだけど、ただ「一日どれだけ練習すればいいか」についてだけは即答しなくて、練習には集中力が必要であること、トータル時間が長いことよりまず毎日練習することが大事、と言った。
話してみて相性がよさそうだっただけでなく、レイコ先生が弾いてくれたピアノ(ラ・カンパネラ)にも撃ち抜かれた。
「人間の魂がどこにあって、どんな形をしているのかはわからない。が、レイコ先生のピアノを聴いていると、魂が歓喜に震え、俺の身体と不可分に存在していることがわかる」
そして、レイコ先生に習うことになったが、いきなり「ダンシング・クイーン」の譜読み…ではなく、目標がそれであることは十分理解してもらったうえで、最低限の基礎を学んでから取り掛かるほうが早道というレイコ先生の提案を受け入れて、教則本から始めることになった。教則本といってもバイエルではなくて、大人から始めることを前提に、最初の曲が「喜びの歌(第九)」だったりしてなかなかおもしろい。(「趣味で楽しむピアノ・レッスン」)
教則本といっても、一曲一曲進めるごとに必要な基礎が学べるようになっていて、合理的に作られているという納得感もあり、小さいなりに曲が弾けた喜びもあってなかなか順調に進んだ。そんなところへピアノの体験談を本にする話が持ち上がって、「一年後の発表会」がマストになってしまう(^^;;
そうやって締め切りが切られると、基礎だなんだ言ってないで、発表会に間に合うように切り上げて本命曲にかかるしかないわけで、いいことかどうかわからないが(もちろん、本にすると決めてしまったことで、本気でやるという面もあるだろう)
いよいよ「ダンシング・クイーン」の練習をするときになり、ちょうどいい編曲がみつからない(簡単編曲はすぐ弾けてしまう、満足できない、難しい編曲は練習しても間に合わなそう)とか、大人の常で人前になるとてんぱっちゃって普段どおり弾けないとか…いろんな困難に立ち向かいながら、本番。
発表会の動画がYouTubeに出てた→【発表会ver.】ABBA『ダンシング・クイーン』演奏:鈴木智彦
ちゃんとノリよく弾けてて、楽しく聞ける演奏になってる!! ミスタッチしても先に行けてる!! すごい~がんばった
レイコ先生は80代ビギナーも教えたことがあるんだって
---- 今日の録音:
【2日目】100日で譜読みするカプースチン「8つの演奏会用練習曲」プレリュード
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
>> ジョークが好きでノリがよく、当意即妙な返しのできる先生がいいと思ったので、
>> 「『ダンシング・クイーン』が弾きたいんです」の一発目で断るようなところはダメだ
に、さすがインタビュー(というか話を聞き出す仕事というか)のプロだなあ、と感心しました。
目的を達成するための手段を定義して、その定義に従って行なっているんですね。
50歳から始めて『ダンシング・クイーン』が弾けるなら、老後の人生バラ色です。
「毎日少しずつ」(毎日じゃなくても2-3日おきでも)ができるなら、
老後も少しずつどこかの綿で進歩できるってことですものね。
いやもちろんほとんどの面の退化も身に染みてますが。
密漁現場に切り込むのに比べたら、楽勝なんでしょうw
> 50歳から始めて『ダンシング・クイーン』が弾けるなら、老後の人生バラ色です。
実はけっこういろんなことができる(始められる)んだと思います。私も何か考えてみようかなぁ、新しいこと。