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アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

ベトソナ9、相反する見解

2017年05月01日 | ピアノ
ベトソナ9番をかなり弾いてみたので、ここらで改めて曲解説をみてみようと思って…

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ひとつは、シフさんのレクチャー
ピアノソナタ第9番 ホ長調 Op.14-1(ゆにくあ缶)

それから、チャールズ・ローゼンさんの本
「ベートーヴェンを“読む”」

そしたら…

もちろん、シフさんレクチャーのほうはこれがベトソナ9を弾くきっかけになったものなので、だいたい内容は覚えていました。
ローゼンさんの本のほうは、これ買ったのってもうずいぶん前なんですけど、
見栄張って買っただけで(^^;; ベトソナも弾いてたわけじゃないし読みにくくてちんぷんかんぷんだったので積読でした。

なんとほとんど真逆なことが書いてある(o_o)

ローゼンさん曰く「これら2つのソナタは以前のものと比べてかなり控え目であり、そのため家庭での演奏に供される宿命にあった。技術的には困難な箇所はほとんどない。」

シフさん曰く「この作品も『軽いソナタ』『やさしいソナタ』と一般的に認識されていますが、私はその意見に賛同できないと言わざるをえません。なぜなら、Op.14は恐ろしく難しいと思いますから・・・演奏するのも、その解釈も。」

逆のことを言っていますが、シフさん発言のニュアンスに表れているように、世間一般の見解はローゼン側ということかな??

というか、とにもかくにも私が弾いて楽しめるということはすなわち、「技術的には困難な箇所はほとんどない。」というのが正しいとも言えるんで、シフさんが言っていることは「素敵に弾こうとすると」というふうに読みかえれば別に相反しているわけじゃないのかもしれない。

しかし、
ローゼンさん曰く「(ツェルニーが付け加えたクレッシェンド、ディミヌエンドについて)いずれにせよこれはよい考えである。よりよい考えを思いついたならば、作曲者の指示を変えても一向にかまわない。」に対して、

シフさん曰く「クレッシェンドしたい誘惑にかられると思いますが・・・ベートーベンを信じてクレッシェンドなしですよ。ここにクレッシェンドが欲しければ、そう書いていますからね。書かれていないところでは、そう演奏してはダメですよ。」というのは、

かなり違う考え方を示しているとしか受け取りようがない。

ベトソナ9を弾いているとあちらこちらで思うんだけど、確かに細かく強弱の指定が書き込まれており、ときにはその指示が急(立て込んでる)でかなり弾きにくかったりする一方で、何も強弱の指示がないところで、フレーズの形からついついクレッシェンドしたくなってしまったりということがある。

そういうとき、どうするか??

フレーズに内包されている「強まり」であるのでそのまま表現すればよい、と思うか

クレッシェンドしてほしけりゃそう書くはずで、ここはしてほしくないところだったのだ、と取るか

ちなみに、こんなふうに真逆なこと書いてあるよ、とshigさんに言ったら
「だから他人の言うことなんか気にしなけりゃいい(あくまで自分で楽譜から読み取るべしとの意か?)」

おゆき先生に言ったら
「クレッシェンドして弾いたらダメということではないけれど、
ベートーヴェンがクレッシェンドを書かなかったということは、
音量としては上げないまま、内なるエネルギーが高まるように弾いてほしいということかもしれない。個人的にはそのほうがいいと思う」とのことで

うーん、そういわれるとそうかなぁ??

勢いでクレッシェンドしちゃうほうが弾きやすく、
ボリュームは抑えつつテンションは高まっていくような弾き方は難しいです。

というか、今回についていえば私は先にシフさんのレクチャー(と演奏)に接してしまったため、
公平に(?)とか
自分自身は楽譜から何を読み取るのか、とか
そういうことは判断しづらい…

つまり、シフさんのレクチャーと演奏が素敵だと思って弾き始めたので良くも悪くもそれを刷り込まれているわけですね。

でもこれに関していえばそうやって「洗脳されて」スタートしたことはよかったと思います。

シフさんのレクチャーの最後はこのように締めくくられているのですが
「このようにOp.14-1は素晴らしい作品ですが、どうにも一般的にはあまり認められない曲という風に感じます。理由のひとつは、(悲愴・月光・テンペストなどの)ニックネームがないからですが(笑) それと・・・ピアニストたちが選曲する際に、『成功をもたらす曲』ですとか『どの作品に成功要素があるか』などという視点で決定していたとしたら。Op.14-1のような素晴らしい作品・・・これらには、残念ながらそういう類の成功要素はありません。ですが、ベートーベンはそんなこと気にしませんでした。ベートーベンが作曲し続けたのはただ、内から湧き上がる音楽的衝動に突き動かされただけです。誰かを感服させるだとか、達成感だとか、社会的名誉のために書いていたのではないと、私は思います。ですから、もしあなたがこの作品の良さを信じるというのなら、是非弾いて欲しいと思います。本当に素晴らしい作品です。」

まさに、私はこの作品の良さを信じて弾いてみたわけで、そしたらとてもよかった、楽しかった(と感じた)のだからお得だったといえるでしょう。これもひとつの「成功」ですしね!!

(ローゼンさん解説だけを読んでたら、まず間違いなく「取るに足らない曲」と思って通り過ぎてましたよ)

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