新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

起ち上がれ日本の勤務医よ(植山直人著):ドクターズ・デモンストレーション2011本日開催

2011-11-20 13:13:49 | 医療

こんにちは

 

昨日風邪気味と書きましたが、葛根湯+休養でなんとか体調も改善したようです。

さて、その間何をしてたかというと本を読んだりしておりました。アマゾンで「起ち上がれ日本の勤務医よ」などを購入していたのが届いたので読んでおりました。

 

この本の中には今の医療問題のことがいろいろ書かれています。

特に労働問題に関してですね。労働基準法や欧米諸国における医師の労働基準などについて書かれています。

 

医師ユニオン代表の植山直人医師の著作ですが、僕もこの問題を大きな問題だと思っています。

僕も一勤務医として「勤務医の労働問題(僕がブログを書き始めたのは尊敬する先生(40前後)が寝る間もないほど遅くまで働いていたから)」を研修医が終わったころからインターネット上で書き続けてきた医師なので(眠らない医者の人生探究劇場)、こころからこのような活動を応援しております。全国医師連盟の準備委員会までは協力してましたしw

正式発足してからは、立場上は協力が難しいので距離を置いておりますが、今の日本の医療を改善したいという思いは同じです。

しかし、勤務医の労働環境の改善に関しては本当に同時並行的に様々なものを行わなければならない。

 

確かに僕も3年前は1年間で病院に行かなかったのは2日だけでした。その翌年も14日でした

2年間で大学から離れるという話から、延長してもう一年(3年目)になってからは、「これは過労死するな(体重が62kg→53kgになったため)」と思い、後輩と完全に週末は折半することにしました。ただ、何かあたら駆けつけていましたけど。

 

このくらいやってどうにか病院が維持できている状況を急に「労働基準法違反」と言って改革しようと思っても、やはり無理があるわけです。それは全員がわかっていますが、それでもこのままでは過労死予備軍が多すぎる…という問題があります。

 

この本の中で「問題はシンプルで、日本の医療は医療従事者を犠牲にし、アメリカの医療は患者を犠牲にしているだけ」という言葉があります。

勤務医の負担は診療科によっては「かなり大きい」と僕も思います。知っている血液内科の先生が勤務医を辞められたりするのをみて、このままでは続かない「日本の医療」だなと思っています。

しかし、1983年以降行われてきた日本の医療の負の遺産を、いきなり欧米諸国のようにしようと思えば「患者さんを犠牲」にすることになるかもしれない。そしてそれは日本国民が望むことであるはずもなく、そうなれば大きな反対が起きるのも了解できます

 

かといって、何もしないでいれば「堤防」はいずれ決壊し、日本の医療は水の底に沈むかもしれない

 

今は緩やかに、しかし確実に改善させなくてはならない。ただ、「高齢化」「専門化」が強くなり今の労働環境でも壊滅的な状況になりそうだと予測している中で、どうやったら労働環境が改善できるのか。

 

まぁ、これは医師数を増やすしかないのですが、増やすにしてもどう増やすか。

この本の中でも「今の医師数でよい」という意見と「1.5倍程度に増やす必要がある」という意見と書かれておりましたが、僕は医師数はかなり増やさないといけないだろうと思っている人間です。

しかし、過去にも書いてきましたが「教育体制」がなっていないだろうとも思っています。大学の医局に魅力がないから研修医が来ないのが第一であり、それはスタッフの余力がないからです。研修医はいなくなった。そのため、さらに医局に余力がなくなった(一部、盛り返している病院もあるみたいですが)。

大量の医学生が来ても教育に差し障りがあって、レベルも下がる。また、これ以上負担を大学病院の人間に追わせれば、大学から人がいなくなり負のスパイラルに入ってしまう。だから以前より、大学病院の待遇改善をまずは行わないといけないと書いてきたのだが…そんなこと言っている人ってこの6年間であまり見たことがない(汗

医大の新設? or  既存の医学部拡充?

第2のインターン闘争へ:CBT/OSCE国家試験へ

医学部新設への動き:僕はこう考える

3私大医学部新設へ:教育的な問題でちょっと反対です

医学部定員増で教育水準低下:前から言ってましたが可能性は高いです

大学病院や地域の病院を改革させる、もしくは改革できるような体制を作らせることが肝要だ

旧体制へ逆戻りか・・・・:僕はそうなると反対だな・・・

臨床研修のあり方に関して

臨床研修改革案?

臨床研修1年へ:前後をどう変えるかが重要でしょう・・・

医学部定員693人増へ:とりあえず、対応可能範囲でしょうか?

医学部定員増:教育予算の十分な確保を!

医師養成数5割増し提言:教育システムの改善は必要不可欠

定員増は負担

医局を超えた横の連携実施!:群馬大、4大学と連携

医師の大幅増員を求める署名活動:増員後の対応は可能だろうか?

若手医師、大半は戻らず:僕たちが中堅になるころに完全崩壊します

医学部定員国管理見直し論:いずれにせよ、医局改革が先だと思う

久坂部羊の医師増員批判:病院勤務医の待遇改善のためにも医師増員は必要だと思いますよ?

医学部定員増加:焼け石に水だが・・・

医学部定員増を要望:医局員の疲弊から医局完全崩壊するぞ?

医師定員増へ:しかし、良いところはKeepすべきかな・・・

医師不足は新臨床研修制度のせい:ただ、魅力のある場所に人が集まっただけです!

「ねじれ」と佐藤先生の講演から:医局改革の必要性

医師教育制度はどうするべきか?

医師増員の意見書:医者を増やすとしてどう増やす?

医療連携:縦と横と心

意見投稿してきました

派遣の前に:大学への政策を改めよ!

新しい医局制度:全医連に対する期待は・・(これはただの僕の考えですけどね)

 

個人的には

1、大学などの教育施設に対する待遇の改善。スタッフの増強

2、それに合わせた医学生の定数増加

3、それに合わせて勤務環境の改善

と思っています。

もちろん、大学などのスタッフ増強にはほかの施設の医師数が減る可能性も考える必要があります。あと、将来的には交通機関がさらに改善し、病院への搬送(時間的距離)がよくなって、集約化できることは期待しています。

さて、今ドクターズデモンストレーションをやっているのですが、盛況なんですかね?様々な団体が来るので、それなりに盛況になるのでしょうけど。

僕も立場がなければ(あと、勉強会みたいなもので、デモでなければ)、講演会だけでも聞きたかったですね。誰か参加した方教えてくださいw

 

では、また。

P.S

ドクターズ・デモンストレーション2011

 
現在、進行中です。僕は参加しておりませんが、興味のある方は是非とも応援のほどをよろしくお願いいたします。
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