新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

消費税増税と初診料増加:追加で混合診療の話

2013-06-30 11:35:10 | 医療

こんにちは

 

昨日は「鉄過剰症」の研究会に参加してきました。僕自身、少し鉄過剰症に関してデータを集めて解析したりもしているので、話があったことは「よくわかる」という内容でした。その場で聞いたdiscussionが今度の発表などで質問されるであろうことに気づくきっかけにもなり、ためになりました。

ただ、どこの施設もエクジェイドは少量漸増型になってきているみたいですね。最後のパネルディスカッションで20mg/kgという添付文書の処方量ではなく、5mg/kgと10mg/kgで80%者医師が開始するということでした。ちなみに僕は10mg/kgです。

その後は少し遠方から出てこられた方と一緒に飲みに行っていたのですが、何とか日が変わる前に帰宅しました。

 

今日はこちらの記事を紹介します。

初診・入院料上げ検討 厚労省、消費税8%時

 厚生労働省は、消費税率が8%になる予定の二〇一四年四月から医療機関に支払う診療報酬のうち初診料や再診料、入院基本料を引き上げる方向で検討に入った。引き上げ幅は今後詰めるが、患者の窓口負担は増える。

 医療機関の負担緩和が狙い。医療機関は薬や機器の購入など仕入れで消費税を払うが、医療行為の対価として受け取る診療報酬が非課税のため、負担をかぶる形となる。一四年度の診療報酬改定で手当てできるよう財務省とも調整する。

 診療報酬は現在、原則として初診料は二千七百円、再診料は六百九十円、入院基本料(最大)が一万五千六百六十円。うち一~三割を患者が窓口で支払う。初診料が仮に百円上がれば患者負担は十~三十円増える。

 消費税の導入時や5%への引き上げ時は、特定の治療の診療報酬を増やして対応したが、恩恵を受けられない医療機関もあるとの指摘があった。今回は初診料など一般的な診療報酬を引き上げ、全ての医療機関の負担を軽減させる

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消費税が引き上げられる際に、その分病院収入が減少するので、医師など医療従事者の給与などを下げなくてはならないと一部の病院では検討していたようです。

まぁ、収入が低下するのですから切り詰めるところは切り詰めなくてはいけないわけですが、そういう問題が発生して初診料などを挙げるという対応をとるようです。

今後これによってどうなっていくのかは注目したいところです。

 

さて、これ以外にも診療報酬の問題はいろいろあります。現在の医師不足に対して7625人の医学部定員を2008年以降、少しずつ増やしてきました。2011年には8900名以上の定員となっております。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/043/siryo/__icsFiles/afieldfile/2011/01/18/1300372_1.pdf

 

恐らく医師が増えることでできること(対応できる患者数も含め)が増えていくと思いますが、その分医療費は少し増えるのだろうと思います。まぁ、この程度の人数ではまだそんなに変わらないでしょうし、影響が出るとしても10年以上先のことになると思います。

 

ただ、こちらの記事は気になりますね。

「混合診療」の拡大方針って、どういうこと?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130627-00010002-wordleaf-soci&p=1

THE PAGE 6月27日(木)12時11分配信

混合診療での医療費の自己負担

 政府は規制改革実施計画の健康・医療分野において、混合診療の拡大方針を打ち出しました。まずは2013年秋をめどに抗がん剤から開始し、先進医療の対象範囲を広げていくとしています。

混合診療とは「保険診療+保険外診療」

 混合診療とは、健康保険が適用される保険診療と、全額自己負担の自由診療(保険外診療)とを組み合わせた診療のことです。日本では原則禁止とされ、一つの医療機関で同じ患者に保険診療と保険外診療が行なわれた場合には、本来保険が適用される分もすべて自己負担とされてきました。例えば、健康保険で認められた回数以上に検査を実施したり、健康保険がまだ適用されていない高度な医療を一般的な医療と同時に行なうといったことなどが混合診療にあたります。

 混合診療が禁止されてきた理由はいくつかありますが、最もよく引き合いに出されるのが、保険医療機関に関する規則の中にある特殊療法を禁じる項目です。つまり、有効性や安全性の不確かな医療を、保険医療機関で行なってはいけないということです。ただ、混合診療をはっきり禁止した法律がないということは、裁判所も認めています。

 このように原則禁止とはいえ例外もあり、厚生労働省の認めた先進医療や差額ベッド代などは、2004年から保険診療との併用・混在が認められるようになりました。これに当てはまる先進医療とは、厚生労働省の先進医療会議で有効性や安全性を確認した技術のことで、今年6月1日時点で107種類がリストアップされています。

「先進医療」扱いなら自己負担が軽減

 今回の規制改革計画は「先進医療ハイウェイ構想」と銘打ち、外部機関を入れて評価の新体制をつくり、先進医療のリストアップをもっと早く効率的に進めるというものです。

 これまで未承認の抗がん剤を使うには、治験に参加するか、全額自己負担で治療費が高額になるのを覚悟するしかありませんでした。例えば1か月分60万円の未承認薬を使い、併せて一般的な医療を30万円分受けたとすると患者の負担は90万円。未承認薬が先進医療に収載されれば、一般的な医療の30万円分に健康保険が適用されて9万円となり、自己負担額は69万円に減ります。

医者、患者の双方に賛否両論

 混合診療の規制緩和については、医療者、患者どちらの側にも賛否両論があります。 

 日本医師会は、医療は社会の共通資本であるという考えから、所得によって選べる医療に格差ができることや、保険診療の範囲を縮小させる恐れがあることなどを理由に、早くから混合診療への反対を表明してきました。一方、現場の医師の中には、現行制度のもとでは保険診療と保険外診療をわざわざ別の日に実施しなければならず、治療の分断を招いているとして解禁を望む人もいます。

 患者側では、新薬や新技術をいったん先進医療に指定してしまえば混合診療で治療が受けられることからかえって新しい医療の保険適用が遅くなるのではないかという意見があります。けれども、治療の選択の幅が広がることを歓迎する患者も多く、考え方はまちまちです。

 また、医療政策の面からみた場合、健康保険制度の財源が逼迫していることから混合診療の範囲拡大で保険財政の安定を期待する声と、公的保険制度の主旨に沿って本来は保険適用の範囲を拡大するべきという声とがあります。

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基本的に僕は混合診療は反対の考えを持っています。

混合診療解禁へ?:TPP向けかしら・・(月に100万近くを払い続けられるのか?)

 

上記記事に書いている通りで、新薬を使用するから必ず「効果がある」わけではないです。自費で医療を受けても効かないこともありますが、効く可能性は今まで使用していた薬よりもあるという話になります。

僕は全ての人が平等に公平にという考えはありませんが、「生き延びるチャンス」は平等、公平にすべての人にあってほしいと思っています。お金があるから、この人にはこの治療ができるけど、お金がないからこの人はこの治療までが限界である。

医師も選択できないこと、患者さんにメリットのある可能性があるのにこの人には使えない・・・と悩むことになります

 

少なくとも僕は悩みます。

 

また、先ほど書いた通りで「自費診療」で莫大なお金をつぎ込むのに、その結果には保証はないです。医療ですので結果の保証などもちろんないのですが・・・。混合診療では・・・その後の患者さんのことを考えると、やりにくいような気がします。

 

公的保険の負担(金銭的)を抑えるために、混合診療を解禁するというのであれば、おそらく新薬の保険適用は遅くなるでしょう。そうでなくては保険の負担はそれほど軽くはなりません

 

そういうことをすべて考えると混合診療に賛成はできなくなります。

 

・・・ただ、医師不足を改善する方法としてそのような形での「医療機関の収入増加」を考えるという方法もありますが・・・。

 

患者さんのことを考えると僕は反対ですが。

 

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外来待ち時間の不満:それは医師不足を反映していると思うよ

2013-06-28 21:44:46 | 医療

こんばんは

 

今日は今月唯一の金曜日に研究会が入っていない日でした。おかげさまで、少しゆっくりできます。

明日は鉄過剰症のフォーラムがあるので聞きに行きます。

 

なおコメントに関しては繰り返しですがきちんと読んでいます。ブログの記事と関係がなくて、公開しないほうがよさそうなものや承認しないで下さいと書かれているものは僕だけが読ませていただいております。

 

さて、本日はこちらの記事がまず気になりました。CBニュースです。

外来の診察待ち時間、5人に1人が不満-患者調査、治療満足度と比例する傾向も

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130628-00000000-cbn-soci

医療介護CBニュース 6月28日(金)10時59分配信

 外来患者の5人に1人が、診察を受けるまでの待ち時間に不満を持っていることが、メディネット(大阪府高槻市)の調査で分かった。また、待ち時間の満足度の低さに比例して、治療への満足度も下がる傾向が見られた。

【「不満」「やや不満」と答えた患者割合詳細】

 同調査では昨年11月から今年4月までの間、医療サービスや職員の接遇に対する満足度を尋ねるアンケート用紙を、病院職員らが院内で配布。4861人から有効回答を得た。
 その結果、「不満」か「やや不満」と答えた患者が最も多かったのは「診察までの待ち時間」(22.2%)で、以下は「駐車場のスペース、利便性」(17.2%)、「会計までの待ち時間」(16.7%)、「診療時間・予約時間への配慮」(8.0%)、「待合の構造・設備や雰囲気」(5.2%)、「院内案内や掲示物などの情報提供の適切さ」(3.7%)などの順だった。

 また、治療を納得して受けたかどうか聞く項目で、「不満」「やや不満」と答えた患者の割合は、診察までの待ち時間が「非常に満足」だった人では1.1%だったのに対し、待ち時間が「不満」と答えた人では12.3%まで増加した。
 医師の診療内容の説明が分かりやすかったかどうかも、待ち時間の満足度が低い人ほど不満を感じる割合が増えた。

 メディネットの担当者は、「治療に満足すれば、待ち時間が長くてもいいと思える面と、治療の満足度が低いと、待ち時間が長く感じるという面があるのではないか」と話している。【佐藤貴彦】

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治療の満足度に関しては人によってさまざまなのではないかと思いますが、待ち時間を不満に感じるのは基本的に「予約時間よりも遅くなっても仕方がない」と思えない人の割合ということだと思いますので、これ以上の方が予約通りに診察を受けられていないということだろうと思います。

 

僕の初診外来ですら状況によって遅れます。

まぁ、説明などを丁寧にやりすぎているのでしょうけど。

 

日本中で医師が十分に足りているというのであれば、「待ち時間の不満」はもっと減るのではないかと思います。

待ち時間が長くなっている、つまり患者さんの時間を無駄にしてしまっていると思っている医師は大勢います。それでも1人で診なくてはならない患者さんが多いうえに、予想外の事が発生すればそれに対応せざるを得なくなります。もっと人が多くて、そういう人は別の医師が診るくらいならばよいのですが・・・。

 

僕自身、待たせるのが申し訳ないのでいつも食事はせずに診療していますが(昼食ですよ。夕食、朝食は食べています)、それでも遅れが出ることがあります。

初診と告知と急患を見ているのだから、1人当たりの時間が長くなるのは当然ですが・・・。患者さんや家族によっては30分くらいでよいかなというところが、1時間くらいかかる人たちもいますしね。

もちろん、経過観察だけの方であればもっと早くできますが(それこそ3分間診療)、それで待ち時間が長ければ「いったいなんで待っているのやら」と思うのも当然ですよね。

時間は有限ですし、止まってくれませんので。

 

そう思えば思うほど、医師数を増やせないかと思うのです。

 

まぁ、すぐにできるものでもないでしょうけど。

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女性医療職、復職のための講習会:新潟県の無料講習会の話

2013-06-26 21:50:33 | 医療

こんばんは

 

今日は雨ですね。じめじめしていますが、雨がないと夏に水不足になったりしかねませんし、大切ですよね。しかし、土砂災害などで亡くなられた方もいらっしゃるようですし、ちょうどよい雨の量にならないかと思ってしまいます。天候も含めて、自然には逆らえませんが、本当にそう思います。

 

話は変わりますがコメントに関しまして、公開不要と書いてくださった方々のコメントと僕だけが読んでいればよいと思ったものに関しては、公開しておりません。公開されていないと感じられた方もいらっしゃるかもしれませんが、コメント拒否などをしているわけではなく、僕は読んでいますのでご了承ください。

 

また、コメントを承認制にしたおかげかコメントをくださる方が少し増えたようでうれしく思っております。コメントをくださいました皆様、ありがとうございます。ますます頑張りたいと思います。

 

本日はこちらの記事をご紹介します。

看護師復職へ無料講習会 県、16会場で 新潟

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130626-00000072-san-l15

産経新聞 6月26日(水)7時55分配信

 ■毎年250人増加、潜在戦力活用へ

 結婚や出産などを理由に医療現場から退き、就職していない看護師や保健師らの再就職を支援するため、県は26日から無料講習会を開く。これまで新潟市内だけだったが県内16会場に広がり、内容もきめ細かくなる。ここ数年、県内には資格を持っていても働いていない「潜在看護職員」が年に約250人ずつ増えていると推定され、看護職員不足の現場と復帰を望む潜在看護職員双方のニーズに沿った展開だ。

 県医師・看護職員確保対策課によると、平成24年度に看護職員を募集したところ、130病院・1572人の募集枠に対し、採用者は1109人、採用率70・5%だった。21~23年度は7割に達していなかった。

 潜在看護職員の総数は不明だが、結婚、出産などを理由に退職する看護職員は年約500人。一方、復職者が約250人おり、毎年約250人が潜在化しているとみている。山田富美子課長は「資格を持っていながら家庭に入っている人たちに、事情が許せば復帰してもらいたい」と呼びかける。

 潜在看護職員の復職希望者は多く、厚生労働省が23年に行った調査では、離職して5年未満では52・9%が希望している。

 泉田裕彦知事は5月30日の会見で「潜在看護職員にもう一度現場へ戻ってもらえる取り組みを進めたい」と語っており、講習会が6月26日開始の県看護研修センター(新潟市)、10月予定の長岡保養園(長岡市)など県内16会場で行われる。対象は保健師、助産師、看護師、准看護師

 2コースに分かれており、復職支援総合コースは再就職で必要な知識や技術を基礎から学ぶ。知識・技術選択コースは、再就職を希望する分野で必要な最新知識と技術を身につける

 講習会は予約が必要。問い合わせは県ナースセンター

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昔、復職支援のために「OSCE形式で患者さんの看護、診察などをできる支援用の病院」を作ってはどうか・・・と書いたことがあります。そういったものを作ることで復職支援になるのではないかと。

 

実際に現場の感覚というのを取り戻すには知識や技術をおのおの学ぶ(特に座学中心)だけではなく、それらを総合的に発揮できるような訓練(実践を中心)も必要だと思います。

しかし、この新潟県の取り組みは素晴らしいと思いますし、実際需要と供給があっている以上続けていけるのではないかと思います。

 

僕は前も書きましたがOSCE形式の訓練用病院(模擬患者もおり、復帰のための指導をする医師、看護師もおり、復帰するために受講に来る医師、看護師らもいる)などを作れたら役に立つのではないかと思っています。

 

昨日は送別会と書いておりましたが、2次会は1時過ぎくらいまでやっていたので、若干眠いです。この後、すこしAmazonで本を探してから(統計の本をもう少し購入しようと思っています)、寝ようかと思っています。

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癌治療アンケート調査:全国的に満足度が低い場合は医療システムに問題があると思う

2013-06-24 22:13:00 | 医療

こんばんは

 

昨日からコメントを承認制にさせていただいておりますが、「承認しないでください」と書いてくださっている方はよいのですが、内容によってはどうしても迷うものもあります。建設的なコメントや誰も傷つかないコメントだとうれしいです。

僕だけが知ってくれればよい。もしくはコメントの返信は不要と思われる方がいらっしゃいましたら、「コメントの承認は不要です」とコメントをいただければ、個人的に読むだけにとどめますのでよろしくお願いいたします。

 

さて、今日はいろいろ読んでおりましたが、この記事を紹介させてください。

がん治療の「納得度」調査へ…入院患者1万人に

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130624-00000692-yom-sci

読売新聞 6月24日(月)17時45分配信

 厚生労働省は今年から、がん治療を受けた患者が病院の対応に満足しているかどうかを探る大規模調査に乗り出すことを決めた。

 がん治療を担う全国の拠点病院で、患者への情報提供や相談体制への受け止め方を1万人以上に質問する。国がこうした調査を行うのは初めてで、同省は結果を診療体制の改善や国の施策作りに役立てたい考えだ。

 調査では質問用紙を使い、入院患者が受診時から退院後の通院治療までを通して医師や看護師らの対応をどう感じたかを尋ねる。

 「説明に納得できたか」「不安を話せたか」「痛みを抑える治療は尽くされたと思うか」「医師は患者の気持ちに配慮していたか」など約50の問いに、退院前後に答えてもらう。

-------------------------------------

僕は運よくこのBlogを読んでくださっている皆様から、いろいろなご意見を伺うことができております。

 

いろいろな方が「話せない」「尋ねにくい」と思っている方がいるのだと感じましたし、僕自身はできるだけ話しかけられやすい雰囲気を作るようにはしています。

大規模なアンケート調査で「不安などを話す時間もない」などアンケートの結果が全国的に悪いのであれば、基本的に医療システムがおかしいのでしょう。

実際にいろいろな患者さんがいますし、患者さんの家族もいろいろです。全ての患者さんが満足できるというのは難しいのかもしれません。しかし、アンケートの人数が増えれば、それなりに偏りは改善されるだろうと思います。

 

このアンケートが医療システムを改善するための、一つの情報になればよいと思います。

 

明日は退職される先生の送別会があるので、コメントの確認はできないと思いますが、ご容赦いただければと存じます。

 

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記事のコメントを承認制にさせていただきました

2013-06-23 21:26:55 | 最初に

追加です。

 

先程、記事のコメントを承認制にしたほうが良いのではないかと言っていただきました。

僕自身、そのほうが良いのではないかと判断しました。

 

状況によってはコメントで嫌な気分になったり、お互いを気づつけあう可能性もあると思いますので。

 

このBlogに医療に関する質問をくださっている方々が大勢いらっしゃいます

医学に関することはお答えもできますが、臨床(それぞれの患者さんの状況)に関しましては・・・あくまでインターネット上ですので、僕がわかることには限界があります。それをご了承いただいたうえで、コメントをお願いいたします。

 

基本的には記事のコメントに関して承認します。記事に関してや、ご本人の相談などに関しては承認したうえで、今まで通りにコメントを返します。ただ、毎日自宅でインターネットを開く余裕があるわけではありませんので、すぐにコメントの承認ができないことはご了承ください

 

このGoo Blogの前の、M3でブログを書き始めてからもうすぐ7年が経過し、8年目になろうとしています。新Blogになってからも毎日2000アクセス以上いただき、本当にありがたく思っております。

 

今後も頑張ってまいりますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします。

 

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大学病院の待遇改善が最重要だと思う

2013-06-23 20:11:26 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは

 

今日は暑かったですね。思わず2時前後は少しエアコンを聞かせてしまいました。1時間くらいで室温が下がったので切りましたが。

 

さて、今日は少しYahooを見ていて、木曜日に次のような記事が出ていたことに気が付きました。

 

マーキュリー、医療業界に「メディキャリア」で最適な解決策を提供

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130620-00000019-scn-bus_all

サーチナ 6月20日(木)11時44分配信

医師、看護師等医療人材の職業紹介事業を展開するマーキュリー(本社:大阪市、代表取締役:岩本祐司)は、2013年5月に東京本社の移転、また、名古屋支店、福岡支店の開設など、医療従事者の人材ビジネスの体制を強化している。慢性的な人材不足に悩む医療分野に特化した同社の医師専門の求人サイト「メディキャリア」は、スマートフォンに対応し、より細かな転職ニーズにもスピーディに応えてもらえると、利用者の評価が高いという。

 医師、看護師等医療人材の職業紹介事業を展開するマーキュリー(本社:大阪市、代表取締役:岩本祐司)は、2013年5月に東京本社の移転、また、名古屋支店、福岡支店の開設など、医療従事者の人材ビジネスの体制を強化している。慢性的な人材不足に悩む医療分野に特化した同社の医師専門の求人サイト「メディキャリア」は、スマートフォンに対応し、より細かな転職ニーズにもスピーディに応えてもらえると、利用者の評価が高いという。医師専門でのキャリアが10年を超えるコンサルタントらによる転職希望医師への質の高いコンサルティングと、その医師たちの心に刺さる求人として好評の有料広告掲載とのマッチングが極めて斬新と話題になっている。

 マーキュリーは、2003年の設立以来、医療分野に特化した人材ビジネスを展開。2800以上の医療機関に対し、年間7000件以上の紹介実績を誇り、これまでに6万人を超える医師を紹介してきている。現在の医師登録者数も業界トップクラスの1万2000名に達する。

 医師専門の採用募集・求人広告サイト「メディキャリア」には、新たに「メディキャリア採用コンサルティングサービス」を導入し、求人広告に対して、医師が必要とする情報を不足なく伝えられるようなコンサルティングを実施し、情報内容の拡充を図っている。同社のコンサルタントである爲國公之氏は、「医師個人の活躍の場として最高の環境を整え、また、医師のQOL(生活の質)の向上に寄与できる交渉をとことんやり尽くしてきたからからこそできる、プロモーションの提案があります」と、専業ならではの強みを強調する。

 また、「新鮮な求人情報も、イメージしやすい詳しい情報(仕事内容や、職場環境など)も、求人側の医療機関との強いパートナーシップがあってこそ、掲載することができます。医療機関との強いつながりから集めた求人の一つひとつが、お仕事をお探しの医師・看護師の未来になるのです」と、専任コンサルタントのモットーである「医師・看護師に、最高の仕事と人生を」というキャッチフレーズが、求人サイトの情報一つひとつにも行き届いていると語っている。

 実際に、マーキュリーを利用して転職を実現した医師からは、「専門性を活かし、入職時より患者数を増やせ、給与も向上した」「やりたい医療に専念できる環境になった。特に事務長の人柄に魅かれた」など、医師の希望に叶った医療機関を紹介するまでのコンサルティングの効果を評価する声が多い。

 同社では、「より細かな採用ニーズに応えるため、時代の変化、顧客ニーズの変化に合わせて、サービスを変化し続け、顧客とのパートナーシップを維持し、更なるソリューションの価値向上をめざします」と、さらなるサービス拡充に意欲的だ。(編集担当:八木大洋)

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別にこの会社の紹介をしたかったわけではありません。他にも様々な同様の会社があります。昔の医局の一つの役割を持っているのだということを改めて認識しただけです。

 

2006年ころに名義貸しの問題などがありましたが、昔は「医局」からの医師派遣が重要な意味を持っていました。医師にとっても病院にとっても。これはもしかすると今でも「地域の病院」では重要なことかもしれません。

しかし、医師の側から見れば「医局に属さなくては働いていけないし、自分の希望通りのことはできない」わけではない。「やりようはいくらでもある」という話になります。

医局のこのような役割は本当に減弱したのだろうと思います(都会では)。

インターネット社会になり、勤務医(家などを買っていなければ)は動きやすいのだと思いますけど。

 

さて、この人材(医療従事者)派遣会社も今だからこそよいということだと思います。もしかすると、あと数十年は医師不足のまま続くのではないかと僕は思っていますので、その間は安泰かもしれません。需要と供給に関して需要の方が多いわけですから、供給側はいいですよね。

これは国民や患者さんにとってはよいことではないですけど。

 

恐らく、僕が知っている限りでは「医師不足」が将来解決すると思っている人の方が多い印象も受けます。少なくともこれ以上増えすぎないほうが「医師としての自分」にとってはよいと思っている医師がかなり大勢存在していると思っています。

もちろん、逆の考えを持っている医師も大勢いて、僕は医師数を増やして「質が下がる」ならば、質の下がった医師が排除されていくようなシステムを作ればよいだけで、質が悪くても生き残れる(全体が少ないので、どこかで働ける。少なくとも上記のような医師紹介サイトに求人広告をしている病院はかなりあります)ような世の中だからこそよくないと思っています。

専門分野をアップデートするのも大変です。少し現場から離れれば、実際がわからなくなり通用しなくなっていきます(だから、以前疑似病院のような研修会社を作ることにメリットがあると考えましたが)。基本的なところは変わらないことが多いので、何とか専門分野は何とかなることが多いですが、治療法を大きく変える新薬が出てきたときにその使い方などがわからなければ、患者さんの不利益になります。

 

また、総合内科専門医を取得して、まだ2年程度でしかないですが、他の分野で新しい薬が出た場合、すでにアップデートが遅れています。「あの薬は使ったことがないから使いにくいなぁ。実際はどうなんだろう」と思うことがよくあります。そのくらい医療の情報が早くなっています。

総合内科…というのは確かに何でもできるという良い面があります。家庭医というのも同様です。よく診る疾患から情報のアップデートをしていきますが、すべての疾患のアップデートが追い付くわけがありません。仮に毎週末、どこかの研究会に出ているとしてもある程度の情報しか集まらないだろうと思います。そのくらい専門性が高くなっていっています

その為、専門医は専門医で「優先順位」をつけて情報収集しなくてはなりませんし、総合医は総合医で「優先順位」をつけて勉強しなくてはなりません。時折、「いつの時代の治療を継続しているのだ」と思う医師もいますので・・・。

僕自身、ついていけなくなったら、現場の第一線からは離れなくてはならないと思っていますが、今の医師数では離れられないでしょう。それが問題なのだと思います。

 

さて、医局に関しては今までもいろいろ書いてきました。

医局制度改革・医学教育改革(46)

医局の役割は?

医学部新設の良い点は?

大学病院や地域の病院を改革させる、もしくは改革できるような体制を作らせることが肝要だ

医学部定員国管理見直し論:いずれにせよ、医局改革が先だと思う

医師教育制度はどうするべきか?

医療連携:縦と横と心

新しい医局制度:全医連に対する期待は・・

今は「医局、大学病院」は「臨床と基礎研究をつなぐ架け橋」であり「最大の教育施設」であると思っています。もちろん、基礎研究だけではありません。臨床研究はいろいろな施設が合同して行うものですが、大学病院でなくても臨床研究は実施できます。

 

しかし、基礎研究の結果を臨床へつなげる「Translational research」を行う施設は基礎研究もできるところでなくてはなりませんし、それができるのは臨床現場を見ている医師でしかありえません。基礎から臨床へ、臨床での気づきを基礎研究へ移し、臨床へ戻すことは大学病院だからこそできることだと思っています。

 

それゆえ大学病院の立て直しが必要でしょうし、改革がやはり必要だと思っています。

 

大学病院は本来「基礎研究と臨床研究をつなぐ役割を持ちたいと思う医師」が所属し、それを教える組織であるべきで、またそれを実施すべきだと思います。また、基礎医学、臨床医学を学生に教える組織であり、研修医や後期研修医(専門研修医)を教育するところであるのもよいのですが、やはり立ち位置としては「Translational research」が行えるだけの医師がおり、それをささえるスタッフがおり、他の病院へバイトなどに行かなくてもよいだけの待遇(基本的に一般病院より大学病院の方が給与が悪い。格段に)の確保が行われるべきだと思っています。

 

そして横の連携をすること。研究内容はともかく、臨床に関してはより良いシステムを作り出していくことだと思います。その為には医局の垣根を越えた横の連携が必要不可欠だと思っています。このような話をし始めてからもう7年にもなりますが、今でも考えは変わりません。

 

地域の病院に関しても、どこかで集約化して、開業医の先生との連携(臨床面での情報共有)+病院までの時間的距離を縮める方法を考えなくてはならないのだろうと思います。

 

それらをすべて行うためには結局、医師は足りないだろうと思います。

理想を目指すか、できなくなればそれで「できることをやる」のか(医師はよいです。自分で情報を集められますから。それもあって医師の家族にも中途半端なことはできません。たぶん)・・・。そう思っているからこそ、今医療を変えていかなくてはならないと思っています。

 

話が難しく、ごちゃごちゃしてきてしまいましたが僕が昔から「もっとも重要」なことは「大学病院の医師の待遇が改善されること」だと思っています。「バイトに行かなくては、一般病院の医師と同じような収入が得られない」ために、バイトに行き、その為に「教育」「研究」の質が下がるというのは問題だと思います。

大学病院が「最大の教育施設」であり、この目的を達成するために様々なことを改善しなくてはならないと思っていますが、その最たるものとして待遇だと思っています。

 

もちろん、バイトに行っているために「専門バカ」にならなくて済むのかもしれませんが。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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きちんと診るなら医師はもっと増やすべきだと思う

2013-06-23 00:02:08 | 医療

こんばんは

 

もう、午前様になってしまいました。

昨日(土曜日)はJALSGの会議に出た後、ホテルオーツカで開かれていた移植の講演会に行っていました。で、23時ころ帰ってきました。

外来には毎週のように(というか2週連続で)急性白血病の患者さんが来たり、他の病気の患者さんが来ておりますが、患者さんにきちんと説明をし、ベストの処置を行うと結局昼を食べる時間はなくなります

毎回書いていますが、本当に一人の患者さんにベストを尽くす(もちろん、診断がついてある程度落ち着けば・・・。もしくは白血病などの治療が終わった経過観察の患者さんなら、すぐ終わりますが)と時間はいくらあっても足りません。

 

待てる・・・と思った患者さんは違う日に骨髄穿刺などは行いますが、毎回外来処置の枠を超えて検査をしている(汗

だって、診断が一日遅れれば治療もそれだけ遅れるし・・・・。

そういう僕のわがままを許してくれている看護師さんたちもありがたいのですが・・・

 

そういうことで毎週外来の日は昼食を食べ損ねているというのが実際です。

 

3日続けて午前様なので、そろそろ寝ます。

 

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患者さんたちから「個々の患者さん」へ:薬剤の効果を予測する因子を見つけるのは重要

2013-06-19 22:53:00 | 医療

こんばんは

今日は久しぶりに統計ソフトを動かして、新しいデータの解析をしてみました。もう少し情報を増やすつもりですが、面白い結果が出てきています。

何かをし続ける。動き続けるほうが性に合っていると思っています。

 

大腸がん分子標的薬、新しい効果予測法開発-慶大医学部研究グループ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130619-00000003-cbn-soci

医療介護CBニュース 6月19日(水)19時36分配信

 慶大医学部は19日、切除が不可能な進行・再発大腸がんの治療に使われる分子標的治療薬の効果を予測する方法を新たに開発したと発表した。同大医学部の研究グループは、「薬剤選択に新しい指針を与えることで、患者一人ひとりに最適な治療法の実現が期待される」としている。

 切除が不可能な進行・再発大腸がんの化学療法では、従来の細胞毒性を持った抗がん剤に加え、細胞内シグナル伝達を制御する分子標的治療薬が、患者の生命予後の延長に重要な役割を担っているという。

 同大医学部外科学教室の北川雄光教授らの研究グル―プは、分子標的治療薬の一つであるセツキシマブに着目。セツキシマブは、大腸がん細胞の表面にある上皮成長因子受容体(EGFR)を標的として結合し、その活性化を阻害して効果を発揮する。しかし、KRASと呼ばれるタンパク遺伝子が変異した大腸がんに対しては、十分な治療効果が得られないことが臨床試験で明らかにされていた。

 KRAS遺伝子の変異の有無を調べることで、セツキシマブの治療効果が見込めない患者への投与を避けることができる。一方で、遺伝子の変異がなく、治療効果が見込まれる場合でも、実際に効果が認められる患者は40―60%とされ、これを100%に近づけるための新たなバイオマーカー(効果予測法)の開発が求められていた。

 北川教授らの研究グループは、セツキシマブ自体を一次抗体として使う検出方法を開発。この新しい手法で測定した結果、大腸がんの細胞膜の表面のEGFR発現量と腫瘍の増殖を抑制する効果の相関を示すことに成功した。

 今回の研究で、この検出方法の新しいバイオマーカーとしての可能性を示せたことから、研究グループは、「今後は臨床検体を用いた検証を重ねることで、KRAS遺伝子に変異のない大腸がん患者の中から、特に高い治療効果が見込める症例の抽出が可能になる」としている。この研究成果は19日付(日本時間)の科学誌「PLOS ONE」オンライン版に掲載された。【新井哉】

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こういう解析って重要ですよね。

予後の予測だとか、効果の予測ができるというのはとても重要なことだと思います。

 

例えばある2つのおもな薬剤があって、そのどちらが「患者さん」という個に対して有効かがわかるというのは大事ですよね。80%の人に効果があるといわれても、患者さんにとっては残りの2割に入ってしまったら意味がないです。

 

患者さんに対してベストの治療をするために、さまざまながんの領域ではバイオマーカーは探し続けられています。

 

僕の臨床現場で簡単に使える(日常臨床で使用されている)ものの中で、効果を予測できるものを探しているところです。

意外ともう少し症例数が増えて、今の解析通りのデータになれば発表も可能になるとは思っていますが。

 

「ある疾患の患者さんたち」という括りから、「ある疾患を持った患者さん」へ個々の患者さんに合わせた治療ができるように頑張っていきたいと思います。

 

 

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便利なものが良くも悪くも職場を変えた?

2013-06-18 00:17:01 | 医療

こんばんは

 

先ほど帰ってきました。今日は夕方からドタバタしており、その対応の裏方的なことをしておりました。

 

さて、もう午前様なのですが、面白い記事があったので紹介します。

 

「ブラック企業」の台頭とうつ病

http://bylines.news.yahoo.co.jp/nishidamasaki/20130617-00025715/

西多 昌規 | 精神科医/医学博士/自治医科大学・講師

2013年6月17日 17時43分
 

過重労働がデフォルトの日本

日本には、労働基準法という法律があります。はたらく人の賃金や労働時間、休暇など労働条件についての最低限の基準を定めた法律が、労働基準法です。

しかし、日本の大企業には、この法律を軽く見ている会社が少なくないようです。日本においては、就職人気企業の実に約6割が、過労死基準を超える労働時間というのです。

 

 

就職人気企業225社のうち60.8%にあたる137社が、国の過労死基準を超える時間外労働を命じることができる労使協定を締結していることが、労働局に対する文書開示請求によって明らかとなった。1年間で見た場合の時間外労働時間ワースト1は、大日本印刷(1920時間)、2位が任天堂(1600時間)、3位がソニーとニコン(1500時間)だった。労使一体となって社員を死ぬまで働かせる仕組みが、大半の企業でまかりとおっていることが改めてはっきりした。人気企業の時間外労働の上限が網羅的に明らかになったのは今回がはじめて。

「ブラック企業」という用語も、市民権を得つつあるようです。労働者の待遇を考慮せず、利潤確保を第一とする企業のことを指します。わたしの勤める医療業界も、労働基準法の枠外にあるとしか思えないブラックな業界です。当直でほとんど徹夜にもかかわらず、次の日は通常の診療をしなければなりません。わたしも、当直明けで40人近くの外来診察の途中で頭痛やめまいがしたときには、「日本の医療制度に殺される」と天を仰ぎました

もちろん、医療業界に限った現象ではなく、官公庁やマスコミ、大企業から中小企業に至るまで、日本社会に広く浸透している悪しき勤労制度でしょう。過重労働による睡眠時間の減少、心理的重圧と緊張の絶えざる負荷は、心身の変調をもたらします。次回紹介することになる「職場結合性うつ病」の伏線でもあります。

職場のIT化、メランコリー化、そしてアスペルガー化

「三丁目の夕日」時代の職場は、現代と比べれば牧歌的なものだったでしょう。昼休みの時間、食事が終わったらバドミントンやテニス、あるいは将棋や囲碁に興じる職場も少なくなかったのではないでしょうか。あるいは、食後のタバコ一服も、昔ののんびりした休憩の定番メニューでした。

IT技術が発達した現代社会は、どう変化したでしょうか。かつては仕事がひとつ終わると、次の仕事にとりかかるまでゆっくり待つ時間がありました。外回りや出張は、会社から離れられる合法的な逃避の意味で、緊張を和らげる効果もあったと思います。

しかし、今ではコンピューターやインターネットによって、スピーディに結果や報告がなされます。一息つく暇が、まったくなくなってきています会社から離れることはできても、携帯電話やメールによる交信から離れることはできません。タバコ一服の休憩も、職場での禁煙の励行により駆逐されつつあります。

さらに、グローバリズムによって熾烈化した企業間競争や、これに直結するサービスの不断の向上という圧力が、末端のはたらく人にまでかかってきます。顧客への良心性、いわゆる責任感の強い、他者配慮性に富むといった「メランコリー」という特徴が、企業側にむしろ強くなってきている傾向があります。過剰なまでの正確さやサービスを追求する余り、ルールが病的となり、普通の人が従うには余りに苦しいのです。

第三の要因として、社会の「アスペルガー化」も関係しているのかもしれません。アスペルガー症候群の特徴は、高い知的機能と情動知能との間にある大きなギャップです。他人の感情を配慮せず、ひたすら正確性や効率とを追求する姿は、感情と論理との間のアンバランスを連想させます。

現代の職場と関連深い物理的、心理的変化が、はたらく人の休むゆとりを減らし、心身疲労をもたらすことは、職種の違いを超えて現代の社会全般に共通していると考えます。職場に関連したメンタルの問題、「職場結合性うつ病」という概念が、注目を集めてきています。

「職場結合性うつ病」序説

普通のまじめなはたらく人が、仕事が過重となり心身が疲弊した末にうつ病を発症するケースが、近年著しく増加してきています。臨床現場でも仕事による過重負荷を背景にして抑うつ状態となり受診する人は珍しくありません

加藤敏・自治医科大学教授は、このようなうつ病を、職場の仕事に結合したうつ病という意味で「職場結合性うつ病」と名付けました。「職場結合性うつ病」の特徴については次回に具体例も交えて詳述しますので、本稿では導入レベルの解説にとどめておきます。

職場結合性うつ病は、「イライラする」「不安でどうしようもない」という、不安・焦燥が目立ちます。過喚気発作や強烈な不安恐慌発作など、パニック症状を起こすこともまれではありません。

旧来の「物静かな」「生気のない」うつ病とは、まったく様子が異なるのです。絶えず仕事や金銭的問題、自らの雇用など身につまされる悩みが、頭から離れません。見ていても、髪をもみくちゃにしたり、キョロキョロ周囲を見回したり、将来の不安を一方的にまくしたてたりなど、まったく落ち着きがありません。パニック症状や、発作的な自殺未遂を理由に、夜間や休日に救急受診される人もいます。

うつ病を考える上でセロトニンやノルアドレナリンなど神経伝達物質の議論も重要ですが、背景にあるはたらく人にとって過酷になっている社会情勢も、診断や治療上考慮する必要があります。

原因はあなたかもしれない 現代社会の因果応報

これまで述べてきた社会変化は、他人事ではありません。これを読んでいるあなたにも、その片鱗はあるかもしれないのです。電車が定刻から1分でも遅れてもイライラしてくるのは、過剰な「正確性」かもしれません。コンビニやファストフードで店員さんの対応が悪くてムカつくのも、対価に不相応なサービスを求めている心性でしょう。

「因果応報」ではないですが、クレームなり自分が抱いた攻撃性は、そのうち自分に向かってくるかもしれないのです。作家の谷本真由美さんは、近著「日本に殺されずに幸せに生きる方法」の中で、鋭い洞察を示しています。

過剰なまでの「正確性」を伴ったサービスを要求するどう考えても、働く人の賃金をはるかに超えた労力をかけたものばかりです。(中略)必要ないものやサービスを提供せざるを得ない理由は、実は消費者である私たちに原因があります。企業や働く人に対して、自分が払ったお金以上の商品やサービスを要求し、要求が満たされないと文句を言いまくります。

出典:「日本に殺されずに幸せに生きる方法」(あさ出版)

クレームに病んだ人を治すのは、現場ではたらくわたしの役割です。しかし、こういった社会の宿痾を癒やすのは、大医である何かでしょう。大医の代表格は政治家でしたが、昨今ではネット議論など別のものかもしれません。

政治家や社会学者、あるいは社会にインパクトを与えられる識者の意見や提案に期待したいところですが、現段階ではわたしたちひとりひとりに注意を委ねるという凡庸な提案しかありません。対価に見合わない「過剰な正確性」を求めていないかという自戒が行き届く時代は、果たしてやってくるのでしょうか。

職場結合性うつ病チェックリスト(5つ以上当てはまれば、心配なレベルです)

  • 動悸や頭痛など、からだの症状が出ている
  • イライラしてキレてしまったことがしばしばある
  • 発作的に消えたく(死にたく)なったことがある
  • 仕事に関係した悪夢をしばしば見る
  • 睡眠時間が毎日4時間以下である
  • 通勤に2時間以上かかる
  • 暴飲暴食が増えてきている
  • 上司にいじめられていると感じている
  • ネットに会社の悪口を書きこんでいる
  • 遅刻・無断欠勤している

---------------------------

引用終わります。

 

さて、実際に医療業界もかなりの過重労働業界です。僕の場合は以前に比べると過重な感じはしないというのが事実ですが(昔は週に18×7時間くらいは平均して働いていましたし、確かに2年間で10kg以上体重が減ったw)、それでも労働基準法からは外れるのでしょう。

 

まぁ、人に言わせれば好きなことやってるんだからいいじゃないかと言われればそれまでですが。

 

PHSなどで束縛されていますしね。PHSが使われ始める前(僕らが最後の学年かな。うちの大学では)はポケベルだったので、携帯電話にまでかけてくることは少なかったですが、今はすぐにつかまりますしね。

 

他の職業でも似たような状況になっているのでしょうね。

 

そんなことを思いました。

さて、明日(ではなくて、今日ですね)もあるので、失礼いたします。

 

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アジュバントで不妊にはならない(笑

2013-06-16 22:33:38 | 医学系

こんばんは

 

先程、部屋の中にハエがいたので、とろうと思って手を出しました。だいたいの場合、つかめるのですが今回のハエはスピードが速く・・・しかも

「なにぃ・・」

マンガだったら、こんなコメントが出そうですが…伸びきった手にハエが止まってくださいました(汗

ハンドスピードはそんなに遅くないと思っていたのに…orz

 

ニュータイプのハエですかね。3倍速度が速いとかw

 

さて、先程こんな記事を読みました。

もともとは子宮頸がんワクチンの、この話からです。

子宮頸がんワクチン積極勧奨せず 厚労省、呼び掛け中止へ

http://www.47news.jp/medical/2013/06/post_20130614213611.php

 子宮頸がんワクチンの安全性を検討する厚生労働省の専門部会は14日、ワクチン接種が原因で慢性の激しい痛みの副作用が低い頻度ながら起きている可能性が高いとして、接種を積極的に勧めることを一時的に差し控えるべきだとする意見をまとめた。意見を受け、厚労省は積極的に接種を呼び掛けることを一時中止するよう全国の自治体や学校に求めることを決めた。

 子宮頸がんワクチンは4月の予防接種法改正に伴い原則的に無料の定期接種となったばかり。同部会の桃井真里子座長は「接種中止ではなく希望者は今まで通り受けられる」と強調するが、医療現場や保護者に混乱が生じることは必至だ。

-------------------------------------

そしてこちらの記事が続きます。

 

子宮頸がんワクチン接種は「日本民族を亡ぼす」、厚生労働省もようやく気づいたのか、接種推奨を控える

http://bylines.news.yahoo.co.jp/eikenitagaki/20130616-00025726/

板垣 英憲 | 政治評論家、板垣英憲マスコミ事務所代表

2013年6月16日 4時2分
 

◆子宮頸がんワクチンには、「アジュバンド」(免疫賦活剤、免疫増強剤)が添加されている。「アジュバンド」は、輸入されている新型インフルエンザ・ワクチンや風疹ワクチンにも含まれており、ワクチンの効果の元である抗原を免疫細胞に取り込みやすくさせ、効果を強めるために用いられるといわれる。しかし、ワクチンとしての効果が高まる分、強い痛みなどの副作用が生じるといわれている。ところが、さらに恐ろしい問題がある。この「アジュバンド」、もともとペットの去勢・避妊薬として開発されたもので、人間に与えると妊娠できなくなるばかりか、不妊治療もできなくなる危険性を孕んでいるといわれている。このため、「断種ワクチン」、あるいは「民族を絶滅兵器」とまで呼ばれる恐ろしいシロモノなのである。

◆こうした事実は、なかなかマスコミに取り上げられてこなかったが、4月から予防接種法に基づく定期接種が始まって以降、子宮頸がんワクチンの接種後に長期的な痛みやしびれを訴える人が相次いでいることを受け、厚生労働省が6月14日、「一時的に接種の推奨を控える方針」を決めたという。朝日新聞と読売新聞が6月15日付け朝刊1面で報じた。

子宮頸(けい)がんワクチンの接種の危険性については過去(2010年9月12日)に、拙ブログで「子宮頸がん予防ワクチンと『民族滅亡』」という見出しをつけて記事にし、厳しく警告していた。

ここへきて厚生労働省の検討会も、ようやく「危険性」に気づいてきたということである。しかし、「一時的に接種の推奨を控える方針」に止まっており、全面禁止措置には、ほど遠く、まだ手ぬるい。それは、副作用により被害者が発生するのを容認していることを意味しているからである。被害者に対して、どう償うのかが、はっきりしておらず、無責任である。

◆とりあえず、2010年9月12日拙ブログ記事「子宮頸がん予防ワクチンと『民族滅亡』」から以下抜粋しておこう。

「『子宮頸がん予防ワクチン』が、『断種ワクチン』の危険をはらんでいるという。一説には、これは、『第3次世界大戦』と並び、フリーメーソンによる『世界人口調整計画』の一環であるというから、恐ろしい。

英国の製薬会社『グラクソ・スミス・クライン株式会社』(略称・GSK)は、「断種ワクチン」として普及させようとしている。

子宮頸がんは、HPVというウイルスが感染して起こるというのが、定説だが、それ自体に疑問視されている。アメリカでも論文が発表されている。にもかかわらず、「HPV感染ワクチン」の接種について、日本国内では2009年10月にワクチンが認可された。「サーバリックス」というワクチンが承認されていない段階から、公的資金による接種の推進をしてきたのが、共産党系の団体『新日本婦人の会』や公明党・創価学会、野田聖子元郵政相を中心とする自民党議員、そして民主党国会議員だった。

ところが、子宮頸がんが必ずしも『HPV感染』により感染するとは言えず、『サーバリックス』というワクチンを接種することによって、死亡例や重篤な副作用を生み出す事例、さらに、このワクチンのなかに、スクワレンなどが含まれたアジュバント(もともとペットの去勢・避妊効果のあるものとして開発)が含まれていることから、人間に投与すると妊娠できなくなる危険をはらんでいることが判明している。つまりは、このワクチンは、「断種ワクチン」であるということである。これを10歳~14歳の女の子から公的資金で強制的に摂取することは、日本民族滅亡につながりかねず、極めて危険であるという。それどころか、厚生労働省は、さらに危険度の高い米国メルク社製『ガーダシル』という子宮頸がん予防ワクチンの認可申請を受けて、審査中で、認可しそうな気配だ。

だが、製薬会社との関係から、マスメディアは、この問題を一切取り上げようとしていない」

◆子宮頸がんは、他の癌と同様、早期発見により治療することができる。しかも、癌細胞になる前の「異形成」という前癌状態から発見することができ、その後は5年から10年かけて癌細胞になっていくといわれる。しかも、「異形成」になった患者でも、約50%はそのまま自然治癒するのだそうだ。

効果の信憑性が、今ひとつはっきりしないワクチンをむやみに打つよりは、やはり定期健診を怠らないことが大切であり、定期健診こそもっと推奨すべきである

(引用終わり)

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この記事の中で「断種」と書かれていますが、それを証明したものはないことと、安全性に関してはある程度確認が取れていることがまず重要です。

アジュバントというのは「アジュバント」という物質名ではなくて、記事の中にも触れられているように「免疫賦活化」のために加えられた物質で、本来『数倍』必要であるウイルス抗原を減らすために使用されています。アジュバントが去勢のために開発された・・・と書いているのであれば、それは目的が異なっています。精子などを免疫に攻撃させるために、精子抗原を加えるときにより強力に反応させようとしているだけです。実は精子や卵子のある精巣・卵巣は免疫から隔絶されています。血液脳関門というものがありますが、精巣にも似たようなものがあり、通常は免疫から隔絶されているのです。

 

鳥インフルエンザのパンデミックが起きた場合には、アジュバントを使用することをWHOは推奨しています。もちろんこれはウイルス抗原量が少なくて済み、効果も高いということからでしょうが、もし記事に書かれているように「不妊」になっていくのであれば世界中で使用されることはないです。ペットの不妊用のワクチンにもスクワレンが使用されているのかもしれませんが、それは恐らく赴任させるための成分(精子抗原など)は別で、それを増強するなりなんなりではないかと思います。こっちは裏は取っていませんが、この製品を含めスクワレンが入っている多くの製品の安全性は別に疑われていません。

スクワレンが入っているワクチン関係の安全基準を証明した論文はいろいろありますが、少し添付しておきます。

http://www.expert-reviews.com/doi/abs/10.1586/14760584.6.5.699?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub=pubmed&

MF59 はスクワレンが入っているアジュバントです。アジュバントの一成分としてスクワレンが5%入っています

スクワレンのことをいろいろ書いてありますが、医療従事者から言わせると基本的には体内にも存在しており、一日に一定量必要な物質です。

 

そのスクワレンの免疫賦活の性質が悪い反応を起こすかもしれないとされているのは、自己免疫疾患(自分の免疫が悪い方に向いていて、それを抑えるためにステロイドなどを使用しているような膠原病などの患者さん)に関しては「病状を悪化させる可能性が0ではない」とされながらも、臨床試験での膠原病患者ではそういったものは認められませんでした。

 

書いている人は中途半端な知識でいろいろ大げさに書いていますが、百害あって一利なしだと思います。

 

厚労省が辞めたのは当たり前ですが、副作用が思ったより多く発生している可能性を考えてだと思います。

不妊の事なんか、この短期間で分かるはずがないではありませんか(笑

 

それならば、むしろ諸外国で昔から使われているアジュバントを使用しているので、そちらで問題が発生していないことの方が根拠として強いように思います。

 

唯一良いことを言っているのは「ワクチンは万能ではない」ということです。ワクチン接種をしたから大丈夫とは考えずに、健診と併用した方が良いと思います

 

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