新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

新しい医局制度:全医連に対する期待は・・

2008-03-02 19:38:45 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは

昼過ぎに札幌に帰ってきました。札幌はいなかった4日間の間に道路の雪がほとんど融けている状態で・・・もう大変。

さて、今日は北海道新聞からこの記事を

 

産婦人科医師2人退職へ 釧路赤十字病院 診療体制に影響も (03/02 10:15)  

【釧路】釧路市の釧路赤十字病院(二瓶和喜院長、四百八十九床)で、産婦人科の男性医師二人が三月末で退職することが一日、分かった。女性医師一人も産休中で、同科は四月以降、常勤医九人体制が六人に減ることになり、診療や出産に影響が出る可能性も出てきた。市内では産科医不足のため、出産できるのは同病院と市立釧路病院だけとなっている。  

釧路赤十字病院は釧路、根室管内で市立釧路病院とともに危険度の高い出産に対応、二十四時間体制で妊婦を受け入れる周産期母子医療センターの指定を受けている。  

市内では産科医不足が深刻化し、大病院に医師を派遣する北大と旭医大が協議し、昨年三月、釧路労災病院の産婦人科を休診し、産科医を赤十字病院と市立病院に集約。赤十字病院には北大派遣の六人と旭医大派遣の三人が勤務し、全国でも珍しい大学医局間の枠を超えた形態として注目を集めていた。  

今回退職する二人と産休中の医師は、ともに旭医大出身。旭医大は診療への影響を最小限にとどめるため、二人に退職時期を遅らせるよう説得している。北大は新たな常勤医や出張医の派遣の検討に入った。赤十字病院は「現段階では何もコメントできない」と話している。

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さて、今回の記事で僕が取り上げたいのは産婦人科の問題だけではありません。もちろん、釧路も危機的な状態になりつつあるというのは伝えなくてはならないことだと思いますが・・・

全国でも珍しい大学医局間の枠を超えた形態 ここを伝えたかったのです。

まぁ、一回全医連のほうでもTopiを作ったのですが、せっかくBlogを再開しましたのでこちらにも書きたいと思います。

どうも、今それどころではなさそうですし・・・

 

僕はむしろ「これ」がやりたいと思って、協力体制ができるときを待っているので・・・

まぁ、事故調の件が片付いて・・もう少しまとまったとき・・・もしくは、強力なリーダーシップと共に僕が何かをやれといわれたとき・・・、今の職場をトラバーユしてでも日本の医療改善のために尽くしたいと思っています。

 

ま、トラバーユするのは自分自身のためでもあるわけですけどw

 

僕が全医連に期待していたのは「医局の横のつながり」を作ること。もっと言うと「医師が自分の望む研修・技術の向上、研究に従事できること」、「それにより患者さんが大きなメリットを得ること」です。

 

今の日本の医療を見ていて・・特に私大関係、地方医大で複数の医大がある場所などで「医局毎」に分散しているイメージがあります。

各大学毎の交流が必要以上に少ないようなイメージがあるのです。まったくないとは思いませんが、もっともっと交流しても良いのではないかと思ったりしております。

 

各ドクターは出身医局や病院の得意な処置を学んでいます(だけじゃないですけど)。

手術・知識・・・研究その他。 勤務医・開業医を問わず、医師が「横の連携」をとり「血を混ぜ合わせる」ことで更により良いものを作り出していく。

それは必ず患者さんのためになる。医師のためにもなる。国のためにもなる。そう信じています。

 

頭の中では(そして医師連盟のTopicの中では具体的に少し書いておりますが、さらに寝かせて熟成させていますw)このやり方を作り出していくことは十分可能だと思っていますし、この制度に関しては厚労省の介入は「自由な医者の交流」を妨げるでしょうし、「民間医局(すいません、悪気はないです。一例としてです)」などの紹介業者も、「患者さんのために医師が技能をあげる。病院のレベルを上げる。」ことを目的としており「営利が関係する」ものはだめです

それゆえ「医師連盟」に大きな期待をしております(期待通りになってくれ~)。

 

一般の方だと「医局毎の違い」がうまくわからないかもしれません。

 

外科系に関しては特にそうだと思うのですが、大学によって得意な技術というのを持っています。 H大は「A法」というのが得意だから「B法」はあまり使わない・・・ということもあったり、外科系に関してはH大がやはり優秀~とか・・・。

 

他にも例えば肺移植をやっているのは「日本国内8施設だけ」ですし、今は緊急時やHLAマッチのない場合は普通に行われますけど、「CBSCT(臍帯血移植です)」が得意な病院というと僕は「東大医科研」とかを思い浮かべてましたし・・・。

 

本当はもっともっと、医局間で交流(知識だけでなく、技術を磨くための人材交流)があれば、どんどん各医局の良いところを取り入れ、お互い切磋琢磨していく・・・というのが日本の医療界全体のためになると思います。

あまり、この交流を行いすぎると・・今のマッチングのように特定の病院に医師が集まったりするかもしれません。それは運が悪いと「地域医療の崩壊」を促進してしまう・・とも考えます。 しかし、「交流」が目的なので「学んだ」後「病院に還元する」必要があります。切磋琢磨していくことが目的ですから・・・。

 

かといって医師の自由意志を制限するものではなく、あくまで交流を行うのであれば当初の目的どおり「その病院」にいて、還元しなくてはならない・・・というのは僕も重要だと思います。

もちろん、何かを還元しようとしても上司が「行動しない」ために、変わらないのであれば・・・その病院は見捨てられても仕方がないでしょう

 

しかし、改善するための交流ゆえに「改善のための努力」をする必要はあると思います。

また、医師の移動が多いと「生活の基盤が不安定になる」ようにも考えます。ですから、勉強しに行くとしても「所属の病院は変わらない」とかですね。

ともかく、一つ目として「医局の枠を超え、日本の医療を発展改善するための横断的教育組織」を作る。

それができるのは「営利」も「権力」も関わらない、新しい「医師組織」である全国医師連盟にかけてみたい・・・と思っているところです。

 

また、大学医局というものも現在崩壊しつつありますが、僕は次のようになってほしい・・・と思っています。

現在各大学にある臨床系講座「学生の臨床教育」「研修医の臨床教育」「医師連盟などを通して(もしくは直接)希望して勉強をしにきた医師の臨床教育」を行う場所で、最先端の医療を突っ走る場所

 

あくまで臨床系講座は臨床に特化し、今後研究生はそれほど増えてこないと思うので、あくまで臨床講座の教授は臨床の指導力、教育者としての能力などを重視する。

臨床系から分岐してできた臨床研究系講座は「研究生」を核として、臨床に直結する実験・研究をしながらも、臨床系講座とタイアップしてそちらから希望して研究に来る医師を受け入れる。これも人材交流をはかれるように・・・医師連盟などを通じて、幅広く研究者を派遣する。個人的に興味がある研究を行えるようにする。

一方基礎系に関しては「学生の基礎医学教育」「基礎系の研究」「基礎研究希望の臨床系医師の受け入れ」などを行い、これも医師連盟などが調整にあたる。

「臨床系講座」に関しては「最先端医療をやる。教える」ことにやはりその意味付けがあると思います。

 

そこへ一般の病院に勤務している医師が、自ら勉強したいと考えたときに勉強する場所・・・・としての医局

また、患者さんにとっても通常の方法では治癒が難しいとしても、最先端の医療を行う(ここに関しては厚労省とうまく調整が必要でしょうけど)場所として、本当に特化させる。

もちろん、病院毎の連携も必要だと思うので、このようなことがやりたいといえばそれを行えるように調整する。

 

大学医局に関しては・・・・いずれにせよ、「教育組織」という位置づけで、発展していければよいのではないかと思います。

 

今の状況では臨床も研究もと頑張りすぎると医局崩壊(してますかね?)になりかねないので、研究者はそちらでチームを組んでいただいて、そこに臨床の知識から来るアイデアを臨床をしている医師が持ち込んで、さらに発展させる。

そんなことを考えながら・・・具体案もまとめつつ・・・・、医師連盟で僕が協力して・・・この目標を達成できるように頑張ることができればと思っています。

 

まぁ、あくまでアイデアでしかないですけど・・・。 医師連盟の中で書いているよりは、今僕の頭の中では具体的になりつつあります。

方向性が間違っていないことだけ祈ってますけどw

 

ともかく、今の医療を少しでも良くすること。そのために何かできればよいとも思っています。教育制度もかしら・・・・。

 

大阪で学会やらなんやらで刺激になりましたが、それ以上に心身の疲労が癒されてきたように思います。

 

また、うちの職場に関しては「僕がどう頑張っても改善不可能。僕の過去の時間は無駄だったかもしれないが・・・これからうまく誰かが変えることを期待しよう」ということで、気持ちはまとまってきました。

 

今のところ、余計なことを言われなければ「あと2年半」だけ、今の職場にいることにします。大学の先生には恩義があるし、僕自身も恩義を返してからのほうが気持ちが前向きになってやりやすい。

ただ、余計なことを言われたら「借金してでもやめて、僕のやりたいことをやり続けます」。

ともかく、今は「僕自身努力できる限り努力をして、自分を向上する」。人のために尽くすために、自己を向上し続ける。 それだけで良いのだろう。

まずは、実験をやれるところまで進めて、臨床に戻るための知識の整理。

そして僕自身が患者さんの支えにもなれるように、人格を磨き、心を鍛え、知識を増やし、技術を磨き・・・・って、まぁ命がけで努力するしかないですね。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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さて、改めて明日から頑張ろう・・・。

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