新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

定員増は負担

2008-08-08 23:02:29 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは

今日も様々なことがありました。

中でも一応大学で・・・大学病院の血液内科の医師として患者さんに説明をしたのは初めてだったりする。もちろん、外来などではやっていましたが。

カンファで治療方針を決めた後、先ほどご家族に説明し、本人も納得していただいたあと・・・明日から早速治療する方向で動くことにしました。

まぁ、そんなこんなで少し早目に今帰ってきました。

それでは、今日の記事です。

医学部定員増で大学が混乱

8月8日21時55分配信 医療介護CBニュース  

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080808-00000008-cbn-soci

6月に閣議決定された「骨太の方針2008」で、医学部定員について「早急に過去最大程度まで増員する」との方針が打ち出されたことを受け、文部科学省と厚生労働省は8月7日、「医学部定員増・臨床研修のモデル事業に関する説明会」を開催。文科省高等教育局の樋口聰医学教育課課長補佐は、「目標値である『過去最大』をできるだけ速やかに、できるなら来年度に達成すべく考えている」と述べ、各大学への協力を呼び掛けた。だが、会場からは「教育の質を担保しなければならない。予算についてはどうなのか」など、文科省側のバックアップ体制を求める声が上がった。(熊田梨恵)  

医師不足対策のための医学部定員増をめぐっては、06年の「新医師確保対策」や07年の「緊急医師確保対策」によって最大で395人の増員が可能になっていたが、あくまでも削減方針の下での「前倒し」策だったため、将来は増えた分を削ることが前提になっていた。このため、舛添要一厚生労働相が6月17日に福田康夫首相と会談し、医学部の定員削減に取り組むとした1997年の閣議決定を見直すことで合意。厚労相がまとめた「安心と希望の医療確保ビジョン」はこれを受け、「医師養成数を増加する」と明記した。さらに、経済財政諮問会議は「骨太の方針2008」に、「これまでの閣議決定に代わる新しい医師養成の在り方を確立する」「早急に過去最大程度まで増員するとともに、さらに今後の必要な医師養成について検討する」との文言を盛り込み、閣議で決定された。  

こうした動きを受け、文科省は8月5日に医学部のある国公私立大学長に対し、「地域や診療科の医師確保の観点からの医師養成の推進について」と題する通知を高等教育局長名で発出。「おおむね総数『過去最大』(8280人)の範囲内で、各大学の入学定員増の計画を認める」との内容だが、「医師不足が深刻な地域や診療科の医師を確保するための実効ある取り組み(地域医療貢献策)を講ずることを前提」としている。地域医療貢献策には、「医師派遣(紹介)など医療機関との連携による地域医療への貢献」「医師不足が深刻な地域や診療科の医療を担う医師養成プログラム」などを例示しており、実効性や継続性、過去の実績などを基に、内容を審査するとしている。定員増を希望する大学は、9月22日までに文科省に地域医療貢献策を含む定員増計画を提出する。認可が下りるのは12月下旬の予定だ。

■定員120人超でも個別に相談  

説明会では、まず、新木一弘医学教育課長が今回の医学部定員増に関する一連の流れと考え方について説明。 

新木課長は、「早急に過去最大程度まで増やしたい。それ以上増やすか、どれぐらい必要かは厚労省と文科省など関係省庁で協議する」と述べた。地域医療貢献策については、「(定員増と)同時に即効性ある対応をするようさまざまな方面から指摘を受けている。増員を計画する大学は実効ある取り組みをお願いしたい」と呼び掛けた。また、通知に「入学定員は120名を超えないことを原則とする」と記載されていることについても、「個別に相談いただければ」と柔軟な姿勢を示した。このほか、私立大学が歯科医師養成課程の入学定員を1998年度比で10%を超えて削減する場合は、削減した定員を医師養成課程の入学定員に加えることを可能とすることも強調した。  

しかし、会場からは医学部定員増に対する消極的な声が相次ぎ、文科省の説明についての質疑応答は予定していた1時間を超えた。文科省からは、樋口課長補佐がほとんど応答したが、制度の継続性や予算について明確な答えを求める大学側に対し、「早急に過去最大程度まで増員」という「骨太の方針2008」の文言を繰り返す場面が多かった。 <質疑応答>

【編注】発言者の所属が不明の場合は「会場」とした

 ■「過去最大程度」を来年度に

東大 定員増は各大学にとって大きな負担だ。9月には計画を提出するという非常に速いスケジュールで、十分な対応ができるか不安。来年度この目標を達成するようにと考えているのか。十分時間を取って検討したい(と考える)大学が次年度に(計画提出を)回せるように考えているのか。医師不足だけではなく、法医学や病理、基礎医学の部分でも医師は不足している。今回のように限定した形でなく、広い視野を持った枠で募集すべきでは

文科省 目標値と、次年度以降の対応いかんということだが、医師不足問題については、報道がない日はないぐらいだと実感しており、皆さんも同じだと思う。「骨太の方針2008」の中で「早急に過去最大程度」とした。この「早急に」を非常に重く受け止めている。あえて特例を設けてでも来年度から対応すべきとの考えの下に、皆さんにご協力を求めている事情をご理解いただきたい。目標値である「過去最大程度」を来年度に達成すべく考えている。達成できると思っているが、次年度以降、仮に達成できなかった場合はまた考える。医師不足が深刻な地域の医師確保の重要性を身に染みて感じている。基礎医学の分野などの問題も、中長期的な重い課題と受け止めているが、今回は医師確保、地域医療貢献という観点から、計画提出の中で地域医療貢献策のご提出を求めた。こういうことでご理解いただきたい。

■大学所在の都道府県に限らない

東邦大 医師不足の地域とはどういう地域を指すのか。(地域医療貢献策で)医師不足地域に医師を派遣するというが、どのぐらいの期間派遣すれば、定員を増やすと考えているのか。

文科省 客観的に見て、この地域には医師が不足していると言えるなら、大学の判断で提出してもらえばよい。市町村や二次医療圏など、何かの指標を持って(医師不足を)判断しているのではない。定員増と医師派遣の関係性。緊急医師確保対策では、都道府県が奨学金を設定し、卒業生が卒後一定期間に当該所属の地域医療に従事するということで、対象大学は当該所属の都道府県の大学に限られていた。奨学金を設定するので、効果が出るまでは、卒後6年と(臨床研修の)2年以上を経過する。今回の定員増は、大学の所在する都道府県に限らず、医師不足が深刻と認められる都道府県なら、その都道府県に大学がなくても、一定の地域医療を行うことが可能だ。医師不足の地域に地域医療を確保するという趣旨。定員増で入ってくる大学生が必ずしも、地域医療に従事するという特別の関係性はないが、(文科省の)願いとしては、少なくとも定員増で入った学生が地域医療に従事していけるようなプログラムをつくっていただきたい。また、何人派遣すれば、何人定員増という考え方ではない。

 ■「予算付かないからやめた」は避けて

山梨大 定員を増やして来年度から115人にしてもらったところだ。増員したものが(今後)元に戻るものではないと受け取ってよいか。予算についてはどうか

文科省 緊急医師確保対策は手続き上、22年度までということで受けており、都道府県という枠組み。「骨太の方針2008」では、緊急医師確保対策の定員を含めて「過去最大」であることは間違いない。今後、医師養成の在り方がどうなるかだ。十分な予算が付くことを前提に計画を出され、12月の予算編成を迎え、「これじゃできない」ということが全くないかとなると、予算の仕組み上、全くないとは言えないところがある。予算確保すべく動くが、「予算が十分付かないからやめた」という定員増の計画を出すことは避けていただきたい。

■「医師不足対策と貢献策の関係は」

山形大 具体的な支援をぜひやっていただきたい現時点で大学がどれぐらい予算が充足していると考えているのか。地域医療のために医師確保で定員増をするという。その取り組みとして「地域医療のためのプログラムを組む(地域医療貢献策)」というのが分からない。今まで何を地域医療のためにやってきたか、と問われることが(医師確保と)つながらない。

文科省 国立大学の予算が充足しているとは思えない。欧米に比べて遅れがあることも認識している。そのことは日本の高等教育全体の問題として、とらえていただければ。今回の地域医療貢献策は、来年度以降何をするのかということの提出を求めている。これまでやってきたことと、これから何をするかということの「差」で、どういう効果をもたらし得るかを大学には提出してほしい。(定員増では)8年たたないと効果が出ないから、来年度以降何ができるかということ。卒業生が地域医療に貢献するということもある。現在は関係ないということもあるが、創意工夫して提出してほしい。

■定員増は教員確保などが課題

会場 医学部が定員を増やすと、教育機器や施設の拡大、教員の確保が課題になる。先程、東大の方がこの制度はどの程度続くのかと聞いても、明確な答えがなかった。大学に対する補助金をどう考えているか。文科省はシミュレーションを出していると思うが、どのぐらい制度が継続するのかを話してほしい。

文科省 厚労省と共に、中長期的に医学部定員増をやってきた。緊急医師確保対策では、あらかじめ9、10年間と期限があったが、今回は期限を決められるものではない。早急にやると決まったことが大きな方針。予算を確保していきたいと思っているが、新たな予算なので、今確実にいくらとは言えないということだけご了解を。12月に予算取れなかったからやめると言われても困るので、この点だけ厳しいようだが言わせていただきたい。

会場 ぜひとも予算確保をしてほしい。

昭和大 歯学部を持っているが、仮に医学部定員が120人になったとして、120人プラスアルファにできると考えてもいいか。

文科省 他の養成課程を持っている大学で医学部定員が120人のところは、個別の事情として相談していただきたい。

■研修医の定員増も同時に

奈良県立医大 文科省と厚労省の考えを一つにしてもらわないと地域医療が進行しない。研修医の定員増も図ってほしいので、厚労省とすり合わせをして研修医の定員を増やしてほしい。

杉野剛厚労省医政局医事課長 今回一緒に説明会を開催していることにしても、もろもろの問題を厚労省と文科省が一緒にやっていこうという姿勢。医学部定員増と臨床研修についても一緒に考えてほしいという指摘は重要。臨床研修の問題も5年が経過するところだが、まだ見直しが必要。この後説明するテーマ(モデル事業)も見直しの一つ。医師不足の地域の医療体制をどう考えるかなどを含め、臨床研修をよいものにするため、今後の検討を見ていってほしい。

会場 これまでの定員減の方針から定員増になったが、即効性のある計画でないといけないのか。地域医療の観点から、計画が適当でないとなったら、定員増が認められないこともあるのか。医師の少ない診療科の小児科や外科、産婦人科の養成プログラムはどうなるのか。

文科省 即効性だけがすべてではないが、地域医療に貢献するという趣旨に計画が適当でないということであれば、認められないこともある。地域医療のことばかり話に出たが、正確に言うと、診療科の医師不足や地域の医師不足の観点に立って適当なら認めるということ。                   

■   ■   ■  

新木課長は説明会について、キャリアブレインに対し、「来年度に『過去最大』を達成したいというのは、厚労相の発言を踏まえてのこと。各大学の先生方も医師不足について分かっているので、頑張ってくれていると思う。予算概算要求についても『期待している』と言ってくれたと思うので、文科省として努力していきたい」と語った。 

会場から出た今後の見通しを尋ねる質問については、「最大限まで増やすということは(『骨太の方針2008』に)書いてあるが、減らすとはどこにも書いていない。厚労相が進めている医師養成の在り方に関する検討会(『安心と希望の医療確保ビジョン』具体化に関する検討会)などの進み具合を見ながら、厚労省と共に進めていきたい。鈴木恒夫文部科学相も医師不足について理解されている」と話した。  

ただ、説明会終了後、「文科省から一方的に『定員増やしてあげるから、計画を出せ』と言われているように感じた。多くの医学部が今回の定員増に関する『はしご外し』を心配しているが、教員の確保や設備のことも考えれば、予算がどうなるか分からない中、なかなか踏み切れない」と、今後の先行きが不透明なことに表情を曇らせる参加者もいた。

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医学部の定員増に関して、この程度の定員増ですらこのような混乱が起きてしまう。

 

当たり前だが、予算が足りなすぎる。 教員も足りない、教育設備も足りないでは…どうしようもない。 東大からあったように、この定員増は各大学の負担になりうる。それは間違いない。

しかし、日本という国が社会保障費抑制、教育費抑制、研究費抑制という姿勢を改めれば、この先うまくいくかもしれない。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

すいませんが、今からまた出発しますのでこのあたりで・・・。

 

明日・明後日は病棟担当ということで、病棟の患者さんの管理と転院予定の人の調整、転科してくる人の受け入れなどを行っています

では、また。

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